花火だったね
笛吹川の河川敷で見た。
もう10年ほど昔の話。
空一面の華やかさに目を見張る、というのとは違う。
穏やかに見上げる感じ。
過ぎゆく夏、というのにふさわしかった。
夜は涼しくて
屋台ではかき氷を売っていたけれど
その前を素通りしたのを思い出す。
この時期に花火を見ると
「夏を送る」という気持ちにもなる。
花火を見た、ということは
山梨で一泊したのだった。
次の日、
いつも走り抜ける道をゆっくりと流して
気になるところへ寄ってみようかな、と思った。
走り方が違えば、
心の持ちようも変わってくるのであった。
西嶋和紙の里へ寄って
その種類の多さにびっくりした。
いまは、なかとみ和紙の里というらしい。
世の中には知らないことがたくさんあるんだな、と思った。
あの日、
郵便局にあった温度計は40.1℃だった。
わたしは涼しい顔をして走っていたけれど。