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【生成AI生まれ ミネオ君のデザイン・イラストお悩み相談室】男性にもシニアにも伝わるフライヤーにしたい
こんにちは。技術評論社のデザイン・イラストnote編集部です。
デザインやイラスト、動画編集などにまつわるお悩みに対して、生成AI生まれのミネオ君が解決本をセレクトしてくれる「デザイン・イラストお悩み相談室」。第3回は、前回に引き続き、デザインがうまくなりたいトモコさんの実践レポートです。
第1回、第2回はこちら
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やあ、ミネオです!
「見やすく(ちょっとかっこよく)見せる」のが苦手だというトモコさん。レイアウトの基本が学べるARENSKI著『知りたいレイアウトデザイン Second Edition』を紹介したら、本を読んでピラティス教室のフライヤーづくりに挑戦してくれたよ。
完成したフライヤーがこちら!
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その後、ピラティス教室はうまくいってるかな?と気になってたんだけど、久しぶりにトモコさんから連絡がありました。
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こんにちは、ミネオ君。おかげさまで作ったフライヤーを見て、お客さんが来てくれるようになりました!
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そうなんだ! フライヤーが役に立ったんだね!
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でも、女性だけでなくて、男性にもピラティスのよさを体験していただきたいし、ピラティスで元気なおじいちゃん、おばあちゃんが増えてくれるといいなと思っていて…。
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じゃあ、PART3の「レイアウトのアイデア」を読んでデザインをアレンジしてみるといいかも!
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確かに! では、男性向け、シニア向けのフライヤーづくりにもチャレンジしてみるね!
…数日後
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さっそく、トモコさんからPART3を読んでデザインを変えてみたと連絡があったよ! どれどれ、さっそく見てみよう。
男性向けのレイアウトをつくってみた
もともとピラティスは男性のためにつくられたエクササイズ
これまでは女性向けにフライヤーをつくってきましたが、第1回でも紹介したとおり、ピラティスはピラティス氏(男性)が第一次世界大戦時に傷痍軍人のために考案したエクササイズが元になっています。
ということは、男性が対象だったはずですが、日本ではピラティス=女性のエクササイズのイメージが定着しています。一方、欧米のピラティススタジオの写真をInstagramで見ていると、ピラティスをする男性の写真をよく見かけます。
ピラティスは体幹のインナーマッスルを鍛え、姿勢を整えることが主な目的になっていますが、アウターと言われる外から見える触れられる筋肉を鍛えるエクササイズをすることもできます。つまり、しっかり体幹を鍛えて整えたうえで、アウターの筋肉を鍛えてがっしりした身体を目指すこともできるという、一石二鳥のエクササイズなのです。
そこで、女性向けにつくったフライヤーを男性向けにアレンジしてみることにしました。
アレンジの方針はシンプルに、実用的に、力強く
では、男性向けのデザインとはどういうものでしょう。
男性は情報処理が得意で論理的な思考が強く、プロセスよりも結果や解決を求める傾向があると言われます。そのため、商品であればストーリーよりも、スペックや金額などの実用性・機能性などを重視します。
なるほど。女性には、スタジオに来ていただく障壁をなくすために「運動が苦手でも体が硬くてもピラティスはできますよ!」と丁寧に案内し、詳細なインストラクタープロフィールを見せる形にしました。それに対して、男性向けは「ピラティスをするとこんな効果が得られますよ!」「こんなスペックのスタジオで!」とシンプルに訴求するほうがよさそうです。
そこで、デザインだけではなく、タイトルなども見直し、
「何の広告か」「商品のポイントはどこか」が一瞬で伝わるようなシンプルでスッキリとした印象を与える。
ことを目指しました。
見直したのは以下の点です。
女性向け
タイトル「ピラティスで身体を整える」
丁寧に疑問に答えていくスタイル
ピンク基調の優しい色遣い
直線よりも曲線的な図版を使う
丸い印象の書体
スタジオ情報を詳細に盛り込む
男性向け
タイトル「整え・鍛える男のピラティス」
できることを言い切るスタイル(筋トレ=鍛える、整える=コンディショニング)
ダークトーンでコントラストが強い色、色数も抑える
直線的なイメージを持たせるデザイン
全体的に要素の数も減らす
直線的なゴシック体、大きめ・太めの字形
要素を減らすためにスタジオ情報詳細は入れない(QRコードでWebサイトへ誘導)
その結果、できあがったのがこちらのデザインです。
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同じスタジオのフライヤーと思えないくらい、変わりました!
男性向けのデザインについては、「男性向けのデザインをつくる」のページを参考にしました。
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シニア向けのレイアウトをつくってみた
ピラティスはシニアに特におすすめなエクササイズ
次に、シニア向けのレイアウトを考えてみました。
ピラティスはもともと戦争で捕虜になった人々の体力や健康の回復のためのエクササイズだったというお話を第1回でしました。動きが制限された人が、それを改善するためのエクササイズです。
ということは、運動が苦手でも、体が硬くてもできるということです。性別だって年齢だって関係ありません(もちろんお医者さんから運動を止められている場合はできませんが)。加齢とともに筋力が衰えていくままにするのではなく、歩くのに必要な筋肉を鍛え、姿勢を保つ筋肉を鍛えることで、いつまでも背すじのスッと伸びた姿勢で自分で歩き続けることもできるでしょう。
また、少人数で行うピラティスセッションならば、それぞれの身体に無理のない強度で動き、今いちばん必要な筋肉を鍛えるエクササイズをすることもできます。
健康寿命を延ばすためにも、シニアこそがやってみてほしいエクササイズだと、私は思っています。
大きな文字で見やすく、わかりやすく、シンプルに
シニア向けのデザインに必要なことは…
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視力の低下を考慮して、シンプルに、文字サイズは大きめに。視覚的にわかりやすい工夫を、という点に加え、「年齢が高めでも遠慮なくお問い合わせをいただけるように」「ピラティスってとても役に立って、楽しそう」ということがわかる素材を考えました。
見直したのは以下のとおりです。
女性向け
タイトル「ピラティスで身体を整える」
丁寧に疑問に答えていくスタイル
ピンク基調の優しい色遣い
直線よりも曲線的な図版を使う
丸い印象の書体
スタジオ情報を詳細に盛り込む
シニア向け
タイトル「60歳から始めるシニアピラティス」
図版を用いて簡潔に効果を伝える
濃いえんじ色を使った落ち着いた、かつ、メリハリのある色遣い
文字を太め、大きめに、しっかりした書体に
大きな画像でシニアが楽しそうにピラティスをしている様子を伝える
スタジオ情報は最低限、問い合わせ先を大きな文字で
その結果、できあがったのがこちらのデザインです。
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はっきりと見やすいデザインになりました!
シニア向けのデザインについては、「シニア向けのデザインをつくる」のページを参考にしました。
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著者のARENSKIさんにフライヤーを見てもらった
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ミネオくん、『知りたいレイアウトデザインSecond Edition』のおかげで、3パターンもフライヤーができました! 最初はデザインなんて私にできるわけないと思っていたけれど、この本は初めての人にもわかりやすいよう、やさしくルールやテクニックがまとめられていたので、どんどんつくり進めることができました。
このフライヤーを見て、ピラティスを楽しんでくれる人が増えるといいな。
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本当によかった! 最初は正直、トモコさんのデザインを見てどうなることやらと思っていたんだけど、まずは本のとおりにデザインに挑戦することで、すばらしいフライヤーができあがったね。
で、実は著者のARENSKIさんにトモコさんのデザインを見せてみたんだよ。
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そうなんですね!! なんておっしゃってましたか?(ドキドキ)
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男性向けのものについては、
男性向けはデザインに強さやメリハリがある物が多いので、写真や右上のキャッチコピー、本文の文字の大きさなどを変化させてメリハリをつけてみてはどうでしょう?
シニア向けのものについては、
大見出しを明朝体や丸ゴシック、背景にアイボリー色などやわらかいものを入れてみてはどうでしょう?
206ページの『視覚的にわかりやすく』を考慮して、もう1〜2色追加して情報をわかりやすく整理してみてはどうでしょう?
とのことだったよ!
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なるほど! ちょっと作ってみるね…。
………
できた! これでどうでしょう? 男性向けはデザインだけでなく、強さをもっと強調したコピーに変えました。
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またまた、生まれ変わったね。次ARENSKIさんにお会いするときに、また見てもらおうっと!
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ありがとう!
で、さっきから気になってたんだけど…ミネオくん、見た目がぜんぜん違う!
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そうなんだ! 実はトモコさんがデザインに挑戦している間に、ボク、進化したんだよ。
進化のエピソードは、「最新生成AIさえあれば、色塗りも立体化も、5分でできる――Adobe Fireflyを試してみた(2024年5月版)」を読んでね。
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びっくりした!ミネオ君からミネオ君2405になったんだね!
またデザインで悩むことが出てきたら、相談させてね。
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はーい! いつでもお待ちしています!
今回紹介した本