そよむつは無く虚無になった男がMyGO!!!!!劇場版で感極まった理由
『BanG Dream! It's MyGO!!!!! 前編 春の陽だまり、迷い猫』まずは良かった。二人のギタリストの物語という印象だ。
「なんでやったの!」早く後編が見たい。
新作エピソード追加は広報すべき
あらかじめ新作カットが多いと言われていたが、前半数十分は「新作エピソード」である。新作尺ながっ!(愛音)ほぼTV1話分はあったのでは?
これは広報していくべき情報だったのではないだろうか?興行収入的にポジティブな情報が聞こえてこない…せっかくの機会ではなかったのか……。
二人のギタリストが喪失感に苛まれる少女たちを導く
詳細なネタバレは避けるために薄く書いていくが、楽奈と、そして順番的なものとは思うが愛音のエピがぶ厚い。
この二人のギタリストの共通点は、逃げてもポジティブであるということだ。楽奈はまあ逃げている意識もないかもしれないが。音楽からは離れていた。愛音はTVアニメ版の通りだ。なんでもそこそこはできていた彼女が挫折をしてやり直そうとする。
二人共に、音楽に救われる。
そして、彼女たちが、喪失感に苛まれていた3人の少女を導いていく。
過去は詳細に足されているが、物語の流れは変化はない。だからこの映画では、物語の構図が明確になっている。
MyGO!!!!!へのフォーカスによる二つの影響
映画パンフレットでの監督インタビュ―通り、MyGO!!!!!側に寄せた作りにしてあり、Ave Mujicaメンバーはほぼ出てこない。一瞬映り込んだりはするものの、一人を除き、フワちゃんの消しゴムマジックかのように出てこない。そよむつ要素ゼロは個人的に悲しすぎたが……。それでもおおよその部分に影響はなかった。ただ、大きな影響が二つあった。
長崎そよのウラオモテ……が激しくなっている。すでに彼女の策謀はぼくたちに周知の事実ではあるのだが、TVアニメのCRYCHICでの思い出や、月ノ森女子学園での様子が描かれていないため“黒さ”が濃くなっているのだ。まあこういうそよりんも好きだけど……。もちろん彼女は、みんなの“お姉ちゃんそよさん”から愛すべき“ツンデレそよりん”に変わっていくのであるが……後編!
そしてCRYCHICの描写が削られているためにキャラクターが微妙にフワフワしたと思うのが“飛鳥山の天使”から“赤羽のカリスマ”となった祥子さんである。愛音とのシーンが削られたために、彼女の思いや感情が分からなくなっていると感じた(そもそもTVアニメ全編みても本当のところは分からないのだが)。愛音と燈と同じ学校にいると分かるようにはなっているものの、いきなりこのMyGO!!!!!になる名も無きバンドのライブにやってきて、目で燈を励ますような立場になっている。この映画だけ見ると、燈を見守るキャラなの?とも見えてしまう。
さらに、祥子はラスト前で自身が作った春日影を燈たちに演られてショックを受け、泣きながら飛び出していくが、それまでの描写が少ないためこれがなぜだか分かりにくいのでは? と感じた(ぼくもそうだが、TVアニメ版を何周もしている人は脳内補完をしているだろうが)。
ただ、春日影が物語のターニングポイントにはなったことがより強調されているとも言える。楽奈が好きになってバンドで演奏したくなって、MyGO!!!!!になる少女たちが演って「大っっ成功する」し、彼女たちの「変わっちゃった」春日影を聞いた祥子が「最速メジャーデビュー」を果たそうとするわけだ。
楽奈が春日影を気に入る新作シーンと、愛音のやり直しからのギター上達が効いていることもあり、何だかんだグッとくる作品最初の(!)ライブシーン。ただ、そよの「野望の終焉」が明らかになって冷水をかけられたようになるのだが……。さて8話を再生っと。
良かったところ
・映画マナー映像(あのそよver.)
・バンドリサーガへの繋がりが濃くなった
・愛音八重歯がでっかい画面で最高
・楽奈ワレ、ポピパと仲良しだったんかい
・ライブハウスを閉めたオーナーの思いが分かる
残念だったところ
・そよむつ無し
・うみりき無し
・CRYCHIC時代の太陽みたいな祥子がほとんど見られない
・Ave Mujicaメン不在
微妙に心配なのが、前編で描かれていないことは無視して後編が成立するのか?ということだ。予告と思われる映像では「そよを救え」と告げるラスボス睦カットがありそうなので個人的には楽しみだが。
※この記事↓のサムネのシーンのこと
https://note.com/gihoh1231/n/nd88456637ae2
どっちにしろ、TVアニメ版8話以降では、Ave MujicaメンがMyGO!!!!!結成に深く関わるわけで、めっちゃ出てくることにはなる。
後編は、なんだかんだ言って楽しみでしかない。
「なんでやったの!」後編早く観たい。
前編、11月までにもう一回は観に行く。アテンポノート欲しい。