あさひなぐは終わり道は続く~一漫画読みの独語~
※ネタバレているので、スピリッツ2020年41号、最終巻を読んでいない人は読んでから読んで
努力した凡人たちの美しい物語に感情を揺さぶられた。
クライマックスが近づくまでわかってなかった、
競技としての薙刀、勝ち負け、そこに意味はなかったことに。
インハイの団体戦決勝、熊本東。ビッグコミックスピリッツ14号から始まった島田との大将戦。
旭と同じもう一人の凡人、島田「気持ちは分からんとね。私みたいな凡人の気持ちは」
闘いのさなか、女王・戸井田奈歩に認められる
十和は
汚い
ばってんが正しい
28号で思わず「島田よかったなあ」と思った。
強かでしょう
うん
闘いのさなかに旭は気づく。島田の傷をみて、
あの子は私と同じ高校から薙刀を始めた人だ
このコマ、めちゃめちゃ泣ける。(こっから泣いたとかそんな話ばかりになります)
先輩から同じように詰められる旭と島田。
同じように言い返す二人。
誇りのないお前に守られる東なら
意味がなか
意味はあります
あなたに分からんだけで
認められた喜びがあっただろう。
旭はケガで棄権を進める真春にこう言う。
失うほどのもの持ってないから
それがたぶん私の強さ
私は私です。
先輩とは違う。
追いかけて
追いかけて
追いかけて
追いかけた2人の闘いが再開する。
試合が、変わった。
認められた島田は引き分けなのに逃げなくなった
先輩は分からないだろう…
この勝ちも負けも
私たちだけの
ものだから
34号は、憧れの先輩二人が認め、見ているなか(見守る、ではない)
セリフの無い闘いが続く。
36・37合併号、島田のことを知らない旭は全部、分かってしまう。
今、相手がどんな気持ちでここに立っているのか。
勝負がしたい
真春におそわった最初の技(映画版を見てからだと趣深い)を繰り出す。
私が今感じている
喜びは、
勝利だけではない
島田さんという
よく知らない女の子のことを、好きだという気持ちです。
旭が勝ち、代表戦に。奈歩と真春の“美しい”薙刀がはじまる
「あなたのようになりたかった」ここで旭と島田の“感情”が終わる。
いつかまた交わるかもしれない道
二ツ坂が優勝した40号。
奈歩のモノローグ、武道のことではない、薙刀は道。
その道をたくさんの人が歩いている。
この道はずっと先まで一生ずっと、続いているらしい。
福留と山吹の関係のように、いつかどこかでまた繋がることもある。
またね
旭と島田と二人の顔がそれはそれは美しい、見開きページ。
まだ道半ばの少女たち。だけどもう終わりの時間。
旭が“今”向きあう物語は終わる。
島田との闘いは泣きまくってしまったがラストは爽やかで、すっきりした。
旭が、これからも正対する、あるいは隣にいる“誰か”と向き合っていく、と語られ物語は終わる。
本稿筆者は、読み返せば感情をこれからなんどでも思い出せる。マンガはいいなあ。
ドクリョー!
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