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【短歌】投稿採用歌リスト(2024.3.11更新)

□『短歌』 2024年3月号
角川歌壇
梶原さい子選 秀逸

レモネード割るために買うソーダ水引き立て役の少女期は過ぐ

永井祐選 佳作

闇中の港のように君はいて七年越しの電話をかける

題詠 「未来」を詠う
千葉聡選 佳作

スプーンで抉る南瓜の種とわた良いか悪いか私が決める

□ 『短歌研究』 2024年3月号
短歌研究詠草 米川千嘉子選 佳作

ここが二人の場所であること示すため窓を磨いて花木を植えた
ランプシェードに積もる埃を払うたび日々を重ねる長さを思う

□ 『NHK短歌』 2024年3月号
・山﨑聡子選 テーマ「あこがれ」佳作

おもちゃでもあの子の嵌める指輪ならどんな石より綺麗に見えた

・岡野大嗣選 テーマ「日記」佳作秀歌

几帳面な父がその日は乱れた字私が生まれた朝のページは

□たんたか短歌 会報
みんなの題詠第118回「運」
秀歌佳作

口の悪い君のきれいな運転を映画のシーンを観るように見る

□ 文芸選評 2024年1月27日放送
奥田亡羊選 テーマ「轟く」

天気雨轟くように降ってきて進路調査の第一を書く

□ 『現代短歌』 2024年3月号(No.101)
読者歌壇
大松達知選 秀作
大森静佳選 佳作

澄んだ川流れる村のような君くちづけるには遠すぎている

□ 短歌研究 2024年2月号
短歌研究詠草
高野公彦選 佳作

子宮だけに溜まる造影液の湖離島のような卵巣ふたつ

撫でるほどくすんでしまうぬいぐるみ甘くしずかに微笑んでいる

□ 和歌の浦短歌ワークショップ (2024年1月21日開催)
会場展示作品

ずっと待っていてくれたような海だった浅瀬は鏡のようにしずかで

□ 『NHK短歌』 2024年2月号

・山﨑聡子選
テーマ「パートナーのこと」
入選(2023年12月10日放送)

重たいと言われてもこれが自分だと開き直って煮る筑前煮

・吉川宏志選
テーマ「冬の星」
佳作

履歴書をふるえる文字で書き続けるみんなが見つけられたオリオン座

・岡野大嗣選
テーマ「着る/脱ぐ」

お下がりのスウェット着れば私は君に近づいていく夫婦もふたご

□ たんたか短歌 2024年1月16日放送
みんなの題詠第117回「編」
入選歌

くさり編みえんえんしている温い居間できる事だけして暮らせたら

□群像 2024年2月号
群像短歌部 木下龍也選
テーマ「ガム」

味のあるうちに飲み込むぶどうガム私の胸で一房たまる

□読売歌壇 2024年1月8日 俵万智選

甘栗を喜ぶ父の太い指黒い油の染みこんだ指

□ 読売歌壇 2023年12月25日 黒瀬珂瀾選 一席

今年から次の年へと渡される灯(ひ)はたてがみのように前向く

□毎日歌壇 2023年12月18日 水原紫苑選

少年のような胸もつ仏像はかなしみ怒りの込められた洞(うろ)

□東京歌壇 2023年12月17日 東直子選

妹であること姉であることの根雪のような重たさつづく

□『Meets Regional』 2024年1月号
岡野大嗣と詠むレッツ短歌!
テーマ「よそゆき」

関節の太くなりゆく手の指を恥じることなくボルドーの爪

□たんたか短歌 第113回 会報
題「果」
秀歌佳作

果樹園でもらった柿のでこぼこを指でなぞって同じと思う

□『現代短歌』 2024年1月号 読者歌壇
大松達知・大森静佳選 佳作

家に居れて幸福だねと人は言う刃物のようにシンクを磨く

□『NHK短歌』 2023年9月号
自由詠 岡野大嗣選
佳作秀歌

汗だくで組み立ててくれた食器棚おばあさんになっても使うよ

□東京歌壇 2023年8月27日 東直子選 特選二席

出身は何処かと訊かれ答えるが波打ち際に頽れた椅子

□東京歌壇 2023年7月23日 東直子選

傷ひとつなき家に来てひと月後猫飼いたしと夫に告げり

□『ダ・ヴィンチ』 2023年6月号 「短歌ください」
自由詠 穂村弘選

翌朝の一杯残った豚汁を分け合い外の雪を眺めた

□『ダ・ヴィンチ』 2021年8月号 「短歌ください」
テーマ「傘」 穂村弘選

雨の日に手ぶらで渋谷たくさんの傘に紛れて濡れない私

□毎日歌壇 2021年6月28日 加藤治郎選

20秒数えたら君の手をほどき起き上がる。…にじゅういち、にじゅうに…

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桜庭 紀子
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