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8・9歳

精神を病む人を理解しようとするならば、その生い立ちを知ることは有効だと思う。


小学校に入学したての時に少しいじめらしきものにあったが、それ以降は友達もでき学校では平穏に過ごしていた。
しかし家庭はと言うとそうでは無かった。
いつからか、父と母は中が悪いものだと認識していた。

週に1度しか父は帰って来ないのだが、顔を合わせれば2人は口喧嘩をしていたと思う。
そして私は2人の仲立ちをしようとおどけたり2人の手を取り無理くりくっつけたりなんかしていた。
父が居ない日、母と洗濯物を畳んでいると、母が突然手に取った父のズボンを「ちくしょう」と言いながら床に何度も叩きつけていたのが印象的だ。

祖母はと言うと、私と顔を合わせれば小言を言った。
部屋が汚い、なまけものだ、ちゃんとしろ。
それ以外のコミュニケーションは無い。
この家に移住したばかりの時、私が私の部屋を片付けないからと、部屋に置いてあった私のパーカーをはさみで切り刻んだ。
祖母が私にきついことを、母はあなた達は犬猿の仲だから、と言うだけだった。

姉に関しては一緒に住んでいたはずだが記憶が無いので分からない。

そんな環境でありながらも、当時の私は憂うこともなくむしろ元気なくらいに過ごしていた。

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