熟落 (詩)

  老もうの
 転換の帰途に(きと)
 喜びはなくて
 持つもの
 明日は晴れるかな
 
 遠く見えない雲のキズ
 まるで行き着いた憤りのよう
 まるで砲煙
 
 儚いか?
 労るか?(いたわる)
 そうともそうしろ
 夢の足跡をもいで泣かせろ
 
 残り火をそっと包むように
 眠り語り尽くせぬ過去を
 ただそっと
 
 未だ抜けない渇きの波
 白んだ焔はそっと立つ
 少し揺れている

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