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見立てる 〜パンから何が見える?〜

 小学校教師10年目、6歳、4歳、2歳、0歳の4人の子どもを育てる父親です。

 育児での気づきを教育に生かし、学校現場での学びを育児につなげることをモットーに日々奮闘しています。教育と育児のリアルな経験をもとに考えたこと、何かヒントになるといいな〜と思うことをお届けします。

 今回のテーマは『見立てる 〜パンから何が見える?〜』です。

#つくってみた

1月3日の朝のお話

 子どもたちが起きてくるまでの約1時間ほど。私は3学期に始まる算数の授業準備をしていました。7時過ぎに、ドタドタと走ってくる音がしました。怪獣たちのお目覚めです。

朝ごはんはパン? それとも赤鬼?

 その日の朝ごはんはパンでした。妻が準備したパンの上に好きなジャムやチーズをのせて、ワイワイ言いながら食べようとしていました。すると、2歳の男の子が
『ねえ、パーパ。見て‼︎ おに‼︎ おに‼︎
と言っています。また、なんか言い始めたぞ…。と思いながら、近づいてみると、いちごジャムがぬられたパンがあるのです。

このような形の食パンでした。いちごジャムがぬられた赤鬼パンは、次男の口の中へ消えていきました。

次男『ここがツノ‼︎ 見て♪ おにでしょ?』
私『ほんとだ‼︎ 赤鬼だね〜。あ〜食べないで〜。』
次男『待て〜。ガブ。ツノ食べた‼︎』
私『いたいよ〜。やめてくれ〜。』

目の前で繰り広げられている茶番でしたが、長男も長女も面白いと笑ってくれていました。

〇〇にはこう見えるよ‼︎

すると、長女が『〇〇(名前)にはねこちゃんに見えるよ。これツノじゃなくて、ねこちゃんの耳だよ。』と言いました。

続けて、長男が、『〇〇(名前)には、くまに見えるよ。だってほら、ここが耳でしょ? あっでもねこでも耳だね。』

私は『パパはカエルに見えるけどな〜。』と言いました。
すると、長女が『カエルには見えないよ〜。パパ何言ってるの?』
と言ったので、心に火がつきました。
『よし‼︎ ものを何かに見立てる想像力を育むチャンスだ。ここは教師っぽい力を発揮しよう。』
iPadを取り出し、フリーボードアプリを立ち上げ、『食パンに落書きマシーン』を作ってみました。(ただ、食パンの写真を撮って、それをフリーボードに複製して並べただけです。)

お絵描きスタート★

まずは、発端の次男の鬼のイラスト。こんな感じ?と聞くと、嬉しそうに『おに‼︎ おに‼︎』と言いながら、反対側のツノを怪獣のようにかじっていました。
次に長女が見立てたねこちゃんです。簡易的な絵ですが『かわいー。食べたらかわいそうだよ。』と言いながら、パンにかじりついていました。
次に長男が見立てたクマ。ねことの差別化が難しい。
長女が信じてくれなかったカエルです。でもイラストを描くと、『ほんとだー。カエルだ。ここ目になるんだ〜。』と言っていました。
最後に、私が、写真を反対にくるくる回して、イラストを描くと、長男と長女は声を合わせて、『カービィだー★』と言っていました。というかカービィのことを知っていたことにも驚きです。

ビシッと一言‼︎

私『ほらね。カエルにも見えたでしょ?』
長女『うん。おににもくまにも見えた。回したらカービィにも見えた。』
私『こうだ‼︎って決めつけてたら、わからなかったでしょ? どんなことも、決めつけてしまったら、見えなくなっちゃう面白いことがあるのよ〜。 あと、自分の他の人の考えも聞いたら面白いよね? だから・・』

『決めつけないで、いろんな見方をしてみる‼︎』

4歳なので、きっとすぐに忘れてしまうでしょう。でも、何か気づいた時には、また同じように関わろうと思います。見立てる力や想像力のおもしろさをたくさん味わってほしいなと思います。そして、自分自身でおもしろさを求めていく主体性が身についてほしいなと思います。そのためなら、作れるものは作ってみます。

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