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生命の起源 最古の生命の痕跡


はじめに

現時点の知見では、
生きているというのは状態であり、
生きている状態を維持するためのシステムが生命であり、
生命の起源とは、最初に生命システムが回り始めた瞬間のことです。
それはいつのことでしょうか?

生命の起源の研究には、さまざまなアプローチがあります。
どのアプローチが最短かは、現時点ではわかりません。
「これが正解です」とは、将来答えが分かってから言えることです。
ここでは、生命誕生の時期について、現時点での状況を調べてみます。

宇宙の誕生から生命の誕生まで

138億年前、「ビッグバン」によって、宇宙は作り出されました。
46億5000万年前、太陽が誕生し、
46億年前、地球が誕生しました。
40億年前、大気中の水蒸気が凝結、雨となり、最初の海が作られました。
     この頃、原始生命が誕生したと思われます。
38億年前、真正細菌古細菌が誕生しました。

地球誕生から40億年前まで、地球に生命があったとは考えられません。
地球環境が生物にとって過酷だからです。
地球上で生命が誕生したとすれば、わずか2億年ほどしかありません。
これが「生命は宇宙からやってきた」説の有力な根拠になっています。

生命誕生前の時代

地球誕生〜40億年前までが冥王代です。
初期の地球は、小天体が何度も地球にぶつかって、表面がドロドロに溶けた熱いマグマに覆われた状態です。
とても生物が生きることはできません。
当時の岩石は地球の内部に沈んでしまったりして、地上にはほぼ残っていません。
そのため、当時の記録はほとんど残っていません。

小天体の衝突がおさまり、海が安定して存在できるようになりました。
こうして地球の環境が落ち着いて、生命が誕生したと考えられています。
しかし、生命誕生の記録は見つかっていません。

海洋研究開発機構

原始生命体

原始生命体とは化学進化による生命誕生直後の状態の生命のことです。
その原始生命体が生物の共通祖先となり、細菌、古細菌、真核生物の3つのドメインができたというのが現在の理解です。
3ドメイン説はrRNA配列の系統樹からの理解です。
当時の化石などの記録からの理解ではありません。

家庭教師のトライ 高校生物

最古の生命の痕跡

下記ニュースが報じられていますが、いずれも痕跡であって、生物そのものではありません。また、どれが最も古いのかもわかりません。

東京⼤学の総合⽂化研究科⼩宮准教授らは、39.5 億年前の年代を持つサグレック岩体のヌリアック表成岩類を調査し、複数の堆積岩中に微⼩なグラファイトの粒⼦が存在することを発⾒した。

カナダのケベック州北部で採集された結晶の中から見つかった管状の微小な構造物(表紙写真)が、37億7000万~42億8000万年前の生物由来の化石であることが科学誌「ネイチャー」2017年3月2日号に発表された。

現在知られている最古の生命の痕跡は西グリーンランド南部の堆積岩中から発見されました。
 代謝分別経路を経て生じたと考えられる生命の痕跡の炭質物です。
 この堆積岩は37〜38億年前の世界最古のものです。
 どのような微生物なのかは今後の研究が必要です。

まとめ

生命誕生は40億年前~は38億年前の2億年に起こったことのようです。
生命は、海で生まれた熱水噴出孔で発生した、宇宙からやってきた説が有力ですが、どの説も確証がなく、更なる研究が必要です。


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