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渋幕入試で桃太郎の話が出題されたわけ
少し前の日経新聞の「受験考」というコラムに出ていた話を紹介します。
ある塾の先生が書いていたもので、中学受験生の母親から「私は中学受験に向いているでしょうか」という質問を受け、子どもが中学受験に向いているかどうかは少し授業をすれば把握できるが、そもそも中学受験に親の適性があるのだろうか、ということを言っていました。
ふと思いついて、その母親にある入試問題を解いてもらったそうです。
「昔話に出てくる桃太郎の話で、おじいさんは山にシバ刈りに行くが、シバはどのようなことに使われたか」という問い。
今年、どの塾の入試分析会でも話題になった問題だという。
教科書で学ぶことに限らず、それまでの人生で知ったこと、疑問に思ったことを問いかけている。
その母親は、息子には解けないかもしれないけど面白い、と笑っていたのを見て、この母親は中学受験に向いている、と感じたそうです。
「教科書に載っていないことを出題するのは不公平」
「考えるための資料も示されないと思考力は問えない」
こう思うと、ストレスをためてしまう。
こうした出題のような、「遊び心と深みのある入試問題」を肯定的に受け止められるなら、我が子の中学受験の勉強も前向きに応援できるのではないか、として記事は終わっていました。
調べてみると、この桃太郎の問題は、2023年の渋幕中・社会の出題でした。
昭和産まれのサラリーマンとしては、「シバ刈り」といえば、ゴルフに行くイメージしか湧きませんが…。
日本のゴルフコースは山岳地帯が多いので、まさに山でのシバ刈り。
今では死語かもしれません。
もちろん、この問題の「シバ」はターフのことではありません…。
去年、中学受験した息子は、こういった問題が苦手でした。
「そんなのは常識、勉強しなくてもわかる」というと、
息子は「ボクは常識がないから」とよく言っていました。
なぜ渋幕がこの問題を出したのかを考えると非常に興味深いです。
単に知識を問うているわけではないことがよくわかります。
渋幕のモットーは、「自調自考」。
入試問題を通じ、自分で調べて自分の頭で考えることができる素養を見ようとしているのだと思います。
こうした学校を狙う場合には、解法暗記と詰込みでは歯が立たないのは言うまでもありません。