算数オリンピックの一番簡単な問題
算数オリンピックは小学生であればだれでも参加できます。
一応、小学5年生修了をめどとし、6年生が主な対象ですが、学習指導要領には準拠しないと明記されています。
「学習の進度や受験の目安をはかるためのテストではなく、スポーツやゲームに参加する気持ちで挑戦」してほしいとの主催者のメッセージがあります。
息子も中学受験準備の最中、小6のときに参加しましたが、予選がSAPIXオープンと同じ日だったのを覚えています。
全国で予選を勝ち抜いた子が決勝に進みました。
少し前の算数オリンピック決勝の問題を見かけました。
その中の一番簡単とされる問題は、こんな内容でした。
問題の意味は低学年でもわかります。
算数「素人」の大人でもわかります。
これが一番簡単?
うーん、わけがわからない。
結局、誰が一番速いのか?
AがB以下よりも速いように思うけど、HがそのAに7回も勝っているからHが最速?
でもGの方がHより早く、Fの方がGより速く…。
やっぱりAが一番速そう。
そのAがHにはほとんど負けてしまう…。
一番速くて一番遅い…。
一体何が起きているのか?
狐につままれているようです。
随分考えましたが、わからない。
しかたないので、もっとシンプルにして考えることにしました。
設定を変えて、A、B、Cの3人だったらどうか。
全部で3回競争して、AがBに2回勝ち、BがCに2回勝ち、CがAに2回勝ったとしたらどうなるか?
これだったらできそうです。
同着がないので、あり得る順位の組み合わせはたった6通りしかありませんから。
順列(3×2×1)ってやつですね。
1位から3位まで並べると、
ABC
ACB
BAC
BCA
CAB
CBA
このどれかになるはず。
3回競争するので、条件を満たすよう3つのレースを選べばいいわけです。
あーでもない、こーでもないと試行錯誤すると、何とか条件を満たす組み合わせを見つけることができました。
これしかありませんからね。
ここから類推すると…。
4人になっても5人になっても基本構造は変わりません。
8人になっても同じだろうと。
これしかないな。
ということで、やっとできました。
すごいな、小学生。
そう思っていると、どこからか算数少年が現れました。
問題を読んで5秒くらいで、「これは、答えは〇だ。」と言い放ちました。
その答えは、ずっと考えた末にたどりついた私の答えと同じものでした。
「まさか、そんな…」
唖然としました。
「サービス問題だと思う」と言って去っていきました。
ちなみにこの問題、オリンピック決勝では正答率9割を超えた問題だそうです。
なぜそんなに早くわかるのかがわからない…。