中学受験における過去問演習
中学受験で最も重要なパートは、「過去問」演習。
過去問攻略は、あらゆる受験の鉄則。
息子が小学校低学年のとき、何となく中学受験を考えていたときにまず本屋に行って手に取ってみたのが、御三家の過去問でした。
「小6でこの問題に挑戦できるようになるにはどうしたらいいいか」
小3で受験をスタートしてからそればかり考えていました。
小6になると、実際に過去問演習が始まります。
よく、志望校の過去問を徹底的にやり込むとか、何周やったとか、いう話を聞きます。
過去問は、いつから、どれくらいやればいいのか?
よく聞かれるテーマで、自分なりの考えをもっていますが、目指す学校と子どもの状況によって異なるので、ここでそれについて書くことはしません。
中学受験が、大学受験など他の受験と決定的に違うと思うのは、
「親の関与」
例えば丸つけ。
子どもは、「合格最低点を上回りたい」という気持ちが強いです。
親も期待しているところがあります。
子どももそれを察知しているので、「親を喜ばせたい」とか「合格点をとらないと親に何が言われる」と思ってしまいがち。
この状況で子どもに丸付けさせると、適当に点数を盛ってしまう可能性もあります。
先に答えを見て、ズルしてしまうことも。
記述問題の採点は、子どもだけでは難しいです。
特に難関中の国語は、ほぼすべてが記述。
模範解答と自分の解答を比べても、よくわかりません。
どの要素が必要なのか理解していないと正しく採点できないからです。
難関中の問題は結構奥が深いので、複数社を見比べたほうがいいケースも多いです。
ある社の模範回答が明らかにおかしなものもありました。
本番と同じように、時間は正確に測らないといけません。
子どもに任せると、適当に時間を延ばしたり、先に問題を見てしまったりしかねません。
過去問演習は、志望校の数に科目数をかけ、遡る年数をかける回数はやる必要があり、その解き直し含めると3桁オーダーになります。
土日は塾と模試が入り、超多忙、過密スケジュール。
そんな中で、合間で時間を確保し実行するだけでもかなりの難事業。
こうした管理も、子どもだけではなかなか難しい。
なによりも、丸付けして点数を出すことよりも、丸付けした後の方が決定的に大事。
点数がとれなかった原因を徹底的に分析して今後に生かすことができないと、何の意味もないことになってしまいます。
合格最低点をクリアできるか確認するための過去問、という考え方は間違っているとはいいませんが、あくまで二の次だと思います。
過去問を解き始めた最初のころ、受験者平均を大きく下回り、子どもがショックを受けることがありました。
時期やレベルを考えると当たり前だったりします。
逆に、小4や小5で解いてみて、「意外に出来る」「解ける問題がある」ということもあります。
中学受験の範囲を一通り終わってからでないと、得るところは少ないです。
過去問を使う時期と使い方を間違えると全く意味がありません。
過去問の解き直しをしていると、次々に問題点が浮き彫りになりました。
その問題点を一つ一つ潰していくと恐ろしく時間がかかり、気が遠くなりそうに感じました。
「入試までに終わるのだろうか」
12月までそんな感じで時間が過ぎていったので、かなり焦りました。
次々に問題が明らかになる一方、それまでの学習の蓄積の効果もあったためか、問題点の修正や直しのスピードが加速していくように感じました。
志望校の過去問を一通り終えた後、問題演習の幅を広げていきましたが、どんどん吸収していくようなところがありました。
年明けからは入試がスタートしました。
過去問演習から実戦に移行し、2月の本番に向かう、この1~2か月で一気に力が付いたことを実感しました。