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渋幕の創設者が語った、「自調自考」のもう一つの意味
前回からの続きで、渋幕の創設者である田村理事長のお話です。
首都圏トップの共学進学校、渋幕のモットーである「自調自考」は、自分で調べて考える、主体的な学習姿勢だという話がありました。
単なる自学自習ではない、といいます。
「自調自考」とは、「自分を」調べる、「自分について」考える、という意味でもあるというのです。
なかなか奥が深いです。
以下ポイントを記します。
自己認識を深めること、自分に自信をもつこと、それが自己肯定感につながる。
そこが学びの出発点。
自分には価値があり、それを他の人に提供することで役に立つことが出来ると思えること。
他者を支援し、支援するにとどまらず、他者もまた価値を持っていると気づくこと。
それが多様性(ダイバーシティ)の考え方に繋がる。
自分とは異なる価値観、考え方、文化を認めること。
世界中にいろいろな人がいること、それがごく普通の感覚になること。
これが真のグローバルということであり、わざわざ「国際人」と言うまでもない。
むしろ「普通人」になるという感覚。
自分も他者もそれぞれ独自の価値をもっていて、それぞれが価値を発揮することにより、お互いに、社会の役に立たせることができること。
これが「インクルージョン」(包摂性)という考え方。
多様性やグローバル、インクルージョンといった考え方を、10代の多感なときに、自己の感覚として身に付けることがとても重要。
だからこそ、渋幕が共学校であることに意味があり、帰国生を積極的に受け入れている。
多様性や包摂性に問題がある組織や国は発展できず、衰退していく…。
全くその通りだと思いました。
多様性も包摂性も、今の日本が抱える課題だという気がします…。
インクルージョンもダイバーシティも今風に言えば、SDGsに繋がります。
学校教育に限った話ではありません。
国全体、社会全体、また個々の企業でもそうです。
私はビジネスマンですので、企業の競争の中に身を置いています。
今や、どんな会社組織も、経営の中にSDGsの要素が必ず入っています。
企業のグローバル経営という言葉も使い古されてきました。
学校教育も企業経営も、直面する課題の根幹は同じなのではないか。
田村理事長の話を聴いていて、そんな風に思えてきました。