#2 60代の2級建築士【受験資格の壁 ~ 学科受験】
私は一五(いちご)と名乗る60代のオヤジ、1級建築士を目指している。
2級建築士は2021年(63才)、学科独学、製図はS院でストレート合格。
この投稿は2級受験の回想録、受験生のお役に立つ内容はほとんどない、
ほぼ、ぐうたらオヤジの感情、性格に伴う主観や行動の話である。
オヤジの話は脱線、寄り道多いがお付合いいただけると幸いだ。
学歴差別 - 受験資格の壁
建築士試験は受験資格が必要、学歴の有無により大きく差別される。
大学・高専卒の専門学歴ありは、いきなり1級建築士を受験できる。
反して、学歴無しは7年の実務経験を経て2級を受験、
2級に合格して初めて1級受験の門戸が開かれる。
「はぁー 1級への道のりは長い😔」
さらに、1級に合格しても免許登録までに大卒学歴ありは2年の実務、
反して、学歴なしは4年の実務が必要だ。
無から始めると1級免許取得まで最短で11年、
「はぁー😮💨同じ1級合格者に学歴有無で免許付与まで差をつけるとは」
オヤジは極端な学歴差別に憤る😤
実務経歴証明書の作成
学歴のない一五オヤジは2級受験に7年以上の実務が必要だ。
4社を渡り歩き、定年後にポリテクで職業訓練を受けた。
経験した仕事は実務要件としてグレーな部分が多い、
それらを強引に膨らませて根気強く7年を超える経歴書を作成した。
コロナ禍、時間ができたからこそやれた、ある面、コロナに感謝。
しかし、P社(製薬)に証明を拒否された。
退職後7年を超えた社員データは抹消されているので証明のしようがないという。
一五が在職時の献身的な奉公を顧みず無情な仕打ちだ。
「Pのクスリは二度と買わねぇ」😤。
P社を除く3社と職業訓練でなんとか7年分足りていたのが救い、
試験元に事情を説明、P社分は証明無しで経歴書を提出。
受験資格がダメであれば、建築士の夢は大きく遠のくところだったが、
なんとか実務経験は認められたようだ。
はるか昔に会社を去った一五オヤジの要請、
証明してくれた3社の人事担当には感謝しかない。
最もネックになると思われていた第一関門を突破、
「学歴受験者達は、こんな苦労を知る由もないのだろう!」
・・・オヤジは学歴差別に愚痴をこぼす🥺
独学 - 学科合格
フルタイムで仕事を抱える受験生と違い、
パートのオヤジは時間的優位がある。
2021年、年明け、たまたま立ち寄った書店の専門書コーナー、
いくつか手にして、学科のイメージだけでもつかめたらと
とりあえず・・・安めの市販テキスト購入。
これをチラチラと眺めてはいたものの、
本格的に勉強を始めたのは4月に入ってから、
S院のテキスト、過去問、法規集を追加でネット購入した。
結局、最初に購入したテキストはほとんど使用しなかった。
ほぼ無からの独学、学生・業界人でもないオヤジは周囲に訊ねる人もいない。
手探りではじめたが、わからぬところはYouTubeに教えを請うた。
感覚的には、暗記が全てに近い試験、金銭的余裕がなくても、
孤独の独学に耐える覚悟さえあれば、資格学校の必要性は全く感じない。
空調、消防などは会社員時代に設備関係を担当した時の、
法規の一部はポリテクで職業訓練を受けた時の知識が役立った。
恥ずかしながら、直前まで法規集を試験会場に持ち込めるということすら知らなかった。
建築作品など、一部は時間的に手をつけられなかった。
学科受験(2021/7/4 日)
試験会場は千葉工業大学、電車で1時間ほどの距離、
最寄りの新津田沼駅より、会場までの道のりを多くの受験生が歩いている。資格学校から駆り出されたであろうS、Nの社員がパンフレットやらエネルギードリンクを配っている。
一五オヤジも前の受験生に続いてそれらを手に取る。
校門で受験者の列に並び、試験票の確認を受け入構、
入口に張出された案内に従い、迷いながらも試験会場の教室にたどりつく。
40人ほどのキャパか?入るとすでに半分近くの席が埋まっていた。
若い頃のほろ苦い受験経験を思い出したが、
この年になると緊張感の中にも新鮮さを感じる。
周りの受験生達の若い、若いにおいがプンプン香る。
・・・思い過ごしか? 周囲の視線が気になり、少し恥ずかしい。
デリケートなオヤジ、思わず机上の受験票の生年月日に消しゴムを置いて隠す。
コロナ禍、マスクで顔が隠れているのが救いだ。
試験官が問題用紙を配り注意事項の説明、持込品のチェック、
そして試験開始、普段は緊張感と無縁のまったり生活、
ピリッとした部屋の空気感が非日常で刺激的だ。
ボケ防止に刺激はいいらしい・・・「以外と資格試験にはまるかもな?」
試験が始まってしばらく、前後、左右から問題のページをめくる音がする。
焦りやすい一五オヤジはこの音が苦手だ。
回答形式は5択、周囲に遅れ気味ながらも、分かる問題を先にマーク、
全くチンプンカンプンの問いは全て4番で終了。
「時間です、筆記用具を置いてください。」
実6時間に及ぶ試験はアッという間に過ぎた。
試験の出来は今一つだったが、集中した後の疲労感が心地よい。
Sの採点サービスで合格を確認
試験会場を出ると外でS、Nの資格学校が採点サービスを案内していた。
午前中の試験問題の回答も配布していたが、オヤジは受け取らない。
オヤジはとても小心者、現実の結果を直視するのを怖がり先送りするのが常だ。
自宅に戻って一杯やる。
酒が回ってほろ酔い加減になったころ、
ようやくスマホを手に取りSの採点サービスにアクセスした。
慎重に一問一問回答を入力、2回確認して送信。
酒は進み、酔いが回って緊張もほぐれてきた頃、
スマホの「ポンッ」という音で採点結果の受信を確認、
酔いにまかせて、「エイッ」とメールを開ける。
合格基準点は60点、Sの採点サービスで72点だった。
「合格!」 平静をよそおいつつ妻にドヤ顔で結果を伝える。
酔いも手伝い、気持ちはとても高揚していた。
試験元のデータによる2021年学科試験の合格率は約42%、
受験者の半分弱が合格の比較的ハードルが低い試験、
とはいえ、これで第2関門突破、
次は製図試験と気持ちを切り替える。
・・・1級への道はまだまだ先が長い。
話が長くなるので、資格学校の実態、製図受験編は別途ご紹介したい。
一五オヤジの1級建築士への挑戦は続く、
引き続き応援していただけると嬉しい。