ブッダ・心のことば ウダーナ第2章1 ムチャリンダの経 わかりやすい版
2 ムチャリンダの章
2.1 ムチャリンダの経(11)
悟りの境地にたっして足るを知るのは、これ楽しい
あるがままを経験し真実の教を学ぶ、これ楽しい
世のなかに傷つけるこころない、これ楽しい
生きとし生けるものに慈しみある、これ楽しい
世のなかに欲が無いのは、これ楽しい
もろもろの欲望から自由になるのも、これ楽しい
私がいるという実感をなくす
このことが最高の楽しいこと
ある時、お釈迦様はウルヴェーラーに住んでいた。
ネーランジャラー川の岸辺のムチャリンダ樹の根元で、悟りをえてすぐのころお釈迦様は、七日のあいだ、瞑想姿で坐ったまま、悟りを楽しんでいた。
雨雲が現われ七日も雨となり、風が吹きつけた。
龍(ナーガ)王のムチャリンダは、お釈迦様の身体を七重の蜷局(とぐろ)で取り巻いて、頭上高くに巨大な鎌首をもたげて立った。
「お釈迦様が、寒さ、暑さ、風や熱にさわり、虻や蚊や蛇に、くわれてはならない」
お釈迦様は、その七日あと瞑想から覚められた。
龍王のムチャリンダは、七重の蜷局(とぐろ)をとき、きらめく若者になり、お釈迦様の前に立ち、合掌しお釈迦様に礼拝した。
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解 説
ものを捨てるときは、気分よく捨てましょう。
捨てるのはもったいない、という気持ちはわかりますが、解放された、という気分で、すっきり捨てましょう。