うさぎ、おいし
房州日日新聞にも天声人語のような「展望台」なるコーナーがあり、一々ごもっともな記述が勉強になる。
2023年12月28日、この日は「うさぎ美味し」という、フランスでの当たり前な食文化について。そう、おフランスではウサギを今も食用とする。
「ウサギ可愛いから、食べるのは野蛮」
という団体がいないところからお察し。日本を叩く口実のひとつが「鯨食」であって、ただの都合のよい存在に過ぎぬ事。脱線するからクジラはここまで。
日本人もかつてはウサギを食した。
「ああ、それで歌ができたのか」
と早合点してしまうところだが、あの唱歌はうさぎを追っているという「おいし」、走り回ったことを指すのであって、グルメ評ソングではないのです。
江戸時代の日本には儒教の教えが奨励された。
4本足の獣食いは一応の禁忌扱い。しかし農耕民族とはいえ、葉っぱと魚だけで百姓の体力は維持できぬ。鳥を食うことが許された建前、ウサギの耳をして
「あれ、羽認定でいいじゃん」
と、無理やり目こぼしされた食用肉だったのです。だから数え方も、頭数や匹数ではないでしょう?
ここで、よく知るCMをご覧いただく。
大変オシャレな軽自動車。スズキラパン。
これ、どういうネーミング?響きがいいから聞き逃しちゃうよね。
展望台曰く。
精肉店で売っているウサギは飼育された家禽。フランス語では「ラパン」と呼ぶ。
別の国で、ビーフとかポークとかネーミングされているのと同じだったのね。おフランスの響きが綺麗だから日本人は受け入れたけど、駐日仏人は苦笑いしていないかしらん。
日本では干支にも認定される愛玩動物・ウサギ。
めっきり野兎が減ってしまいましたが、日本では3分クッキングの顔で親しまれております。