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クラッシャージョウ 考


#映画感想文

機動戦士ガンダムやザンボット3にライディーン。
70年代のサンライズアニメのキャラクターデザインを手がけた稀代の画力王・安彦良和がアニメ監督第一作を手掛けた傑作。
みなさんはBS12で観たことあるんじゃないかな?

私は公開時、新宿で観ました。

この作品の原作は、高千穂遥のスペースオペラ小説。
初見は、1977年11月1日ソノラマ文庫の「連帯惑星ピザンの危機」。以来、現在もなお、作品は続いている。

出たときの表紙は、これ。
リメイクされてます。

絵でわかるとおり。原作小説のカバー絵は、ずっと安彦良和が携わっているのです。

劇場版クラッシャージョウは、安彦良和成分がいっぱい詰まっている。監督・脚本(高千穂遥共同)・作画監督・絵コンテ・キャラクターデザイン、初監督作品で5役。
まあ、その前の仕事「機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙編」で7割以上作画手直しに加わったことを考えれば、どうということでもないのかも知れない。

映画のクラッシャージョウは、小説世界のSFがスクリーンで体感できたという感動。まだセル画時代に、一部CGを試験的に導入したのも画期的。公開当時は「幻魔大戦」「宇宙戦艦ヤマト完結編」と三つ巴の争いだった。
興行的にはやはりヤマトは強い。宣伝力は角川映画初アニメで惜しげもなく金をつぎ込む幻魔も堅い。このときの三つ巴の戦いは、甲乙の判断基準が見つからない。ただ、三つとも、後世の日本のアニメーションに影響を残したことだけは間違いない。

ただし残念なこともある。

劇場版は、高千穂遥自らがノベライズした。

劇場版よりも、小説版の方が面白かった……。
やはり、スペースオペラとはいえ、SF考証の部分は映像にしにくい。これは文章しか表現できないのだ。5Gに落下に耐えてとか、映像でどう表現できますか。無理でしょ。

というわけで。
全然、否定はしていませんよ。むしろ好意的ですし、今後の新作も楽しみです。歴史作家の癖に、SFなんかに染まりおってという嘲笑は、いわば勲章!
講談社でコミック版もやってましたが、いまのCG技術なら、原作の時系列で新作アニメシリーズできるんじゃない?さすがに安彦先生はキャラクターデザインだけになりそうですが、70年代のSFをリファインされたら、どんなものになるのでしょう。
考えるだけで、わくわくします。。。。。。

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