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ばね指
ばね指という病気をご存じでしょうか。
私は初めて聞きました。
自分がこの病気にならなければ一生聞かなかった言葉かもしれません。
要は腱鞘炎です。
私の場合右手親指が曲げ伸ばしするたび痛く、関節がぼきぼき言うようになりました。
ぼきぼき言う関節は動かすたび痛いです。
痛い注射を何度か打てば治るそうですが、一度では効果は薄いのだとか。
しばらくはストレッチをして様子を見ることにしました。
そして安静にすること。
注射を打たなかったのは、痛みに弱い私にはものすごく痛いと言われる注射を打つ勇気がなかったというのもありますが、一度打っても治らないと言われたのが大きかったように思います。
親指を安静にというのも難しいものです。
無意識に使っている部位だからこそ、知らぬ間に負荷がかかっていたのでしょう。
私の強迫性障害に似ているところがあると思いました。
知らぬ間に使っているから、いつの間にか神経はすり減ってしまうのです。
すり減った神経は自ら修復が不可能になり、メンタルに影響を及ぼします。
コップに注いだ水が溢れるように、溢れた時にはすでに手遅れです。
でも水道の水を止め、コップの水は飲んでしまえば元通りです。
自分が受けている負荷を知り、それ以上負荷がかからないようにしたうえで、溜まってしまったストレスを綺麗に咀嚼して飲み込んでしまえば良いのです。
簡単な事ではありませんが、ストレスは捨ててもまた貴方のもとに帰ってきます。
だとしたら、自分で消化するしかないのです。
そうすることで、少しだけ強くなった自分を感じることができます。
おそらく私は、水が溜まるのが他人より早いです。
それは人より、器が小さく、痛みに弱く、ストレスを溜めておけないから。
誰かの些細な言動にいちいち一喜一憂する自分は、本当にどうしようもないと思います。
近しい人ならまだしも、自分にとって関りがほとんどない他人に言われた言葉でも、私は忘れることが難しいです。
感受性が強いのは悪い事ばかりだと、昔は思っていました。
でも今は違う。
感受性が強いことで、大事な人の小さな変化にも気付けるようになりました。
私の一番大事な人は夫です。
夫には常に誠実で、まっすぐ向き合っていたい。
自惚れではなく、夫も同じ考えだと信じています。
だから夫の何気ない言動で、何かあったのか敏感に察知することができるのです。
そっとしておいた方が良いと思う時もあれば、くだらない話をした方が良いときもあります。
それが分かるようになって良かったと思うのです。
鈍感な自分だったら気付けないこと、気付ける私で良かったと。
日々の負荷を減らすことは難しいかもしれない。
それでも負荷をどう咀嚼して自分に取り込むかは、貴方次第。
きっと、誰でも強い自分になれる素質があるはずなのです。
強くなくても弱い自分でも、この世の中を生きていく力は持っています。
私たちは弱くて強い生き物です。