そこそこ読書 「1日10分で脳が生まれ変わる なりたい自分になる一番簡単な方法」 苫米地英人 著
自己啓発の本は大きく分けて二種類あると言われている。一つは元気の出る前向きな言葉を紹介している物。有名人や偉人の名言を集めたものもこれにあたるかも知れない。もう一つは実践的な物である。毎朝靴を揃える、
トイレ掃除をする等を紹介しているものである。
この本は後者である。タイトルだけ見ると少し物騒であり、胡散臭くもある。しかし中身はかなりしっかりしている。
ちなみに私自身が実践してなりたい自分になったわけではない。なぜ世の中が良くならないのか、なぜ毎日が楽しくないのかという事に対して、周りではなく自分の価値観や人格、ルールが大きく影響を与えているという予想がこの本を通して強固になったからである。
さて、世の中には二つの圧力がある。一つはこうしなければならないというの外からの圧力である。もう一つはこうしたいというのは内側からの圧力である。本来はそれらがバランスをとっているのだが、外からの圧力だけで行動してしまうとその圧力が無くなった時に動けなくなるのである。
問題なのはおそらく、外からの圧力が内側の圧力を押しつぶしてしまう事、それに慣れてしまって本来持っているこうしたいというエネルギーで動くという事に抵抗感を感じてしまう事だ。
生きている世界が違う人がいると感じた事はないだろうか。能力の話ではなく、毎日がアクロバティックで楽しそうに生きている人である。そういった人間はほとんどブレずに自分のやりたいことを見つけていく。
それはそういったどちらのエネルギーを使うのに慣れているかという話ではないだろうかと予想している。
この本は私の考えていた圧力の考えをより深く、それ以外の観点から説明している。そして外からの圧力を使っていた人が、内からの圧力での仕方を取り戻す実践的な方法が紹介されている。取り戻すという書き方をしているのは三歳くらいまでは皆そうだったからだ。
改めてこの本は説明と実践が取り入れられた本である。自己満足する時間も必要であるが、現実に限界を感じているにはお勧めしたい。