そこそこ読書 「失われた地平線」ジェイムズ・ヒルトン 作

 この本は冒険小説である。何度か映画化されている本らしく有名なのかもしれない。

 今更だが、小説は短時間の読書には向かない。前に書いた「さがしもの」が短編集だったのは幸いだ。

 私が今回読めたのは第三章まで。背表紙の説明には「ハイジャックされた飛行機がヒマラヤ山に不時着する。そこで西洋の技術文明と東洋古来の精神文化が組み合わさる不老不死の楽園を見つける」との旨が書かれているが、
西洋の技術文明も東洋古来の精神性も不老不死の楽園も出てこない。

 というかどういった小説なのかすらはっきり分からなかった。読んだ後で背表紙を見てそういうふうに展開するのね、と合点がいった。

 背表紙の説明には無駄な事が書かれていない。一時間もかけない読書をする時は先入観を持たないためにあえて見ない方が良いのかもしれない。今回と同じように最後に答え合わせをした方がいいだろう。

 今回、私は人の性格や情景よりも事実的な要素に注意や興味が向いているという事が分かった。プロローグでは、人が集まり昔話をしている。その中でひときわ才能を持っている人がいて、その人がどうやら事故に巻き込まれたようだ。
 
 第一章ではその有名人が話の中心になり、プロローグで語られた事故がハイジャックであり、そこから物語が始まる事が分かる。第二章では見知らぬ山に不時着、第三章で場所がヒマラヤとわからり、そこに住む人々と出会う。

 そんな事しか頭に残っていない。主人公の名前は分かるが、それ以外の登場人物は名前すら憶えていない。

 これも今更だが私は小説があまり好きではないだ。単純に読んだ本が少なくて好き嫌いが分かっていないだけかもしれないが。なにより文字を意味として捉えており、その速度が音読と同じなので、遅い。
 さらに状態や感覚として共有されないので、何の意味があるのか全く分からなくなる。

 これからは頭から順番に読む事もしなくて良いのかもしれない。もっとでたらめで好き勝手で良い。

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