そこそこ読書 「日本酒 SAKE」 TOKYO ARTRIP
TOKYO ARTRIPは、東京周辺に焦点を当てて日本の文化や芸術を紹介していくガイドブックのようだ。一冊一つのテーマで紹介しており、日本酒がこの本のテーマである。日本語と英語で紹介されており日本人のみならず外国人も視野に入れているのだろう。
一番感じた事は写真の明るさに気を使っているという事だ。東京の日本酒を扱うお店を紹介しているのだが、その紹介に使う写真の明るさに統一感が感じられる。夕焼け時のような落ち着いていながらも深みのある演出が入っている。
お店ごとに使われている照明は違うはずだから撮影者の技術があるのだろう。日本酒というの共通のテーマはあるが、ただ同じもの扱うのだけでは統一感は出ない。
この本がガイドブックと紹介されている通り、情報を提供するだけではなく読んだだけでも楽しめるようにということを目指しているからではないだろうか。紹介したお店に足を運んでもらうのが、最大の成果かもしれないが、ガイドブックは見ているだけで旅行した気分になれるのが醍醐味の一つである。
さて、私は全くお酒を飲まない。日本酒に限らずアルコールの類は全く体に入れないようにしている。なので特段日本酒に詳しい訳でも贔屓をしている訳でもない。
この本の中に「お酒は生き物だ」という話が出てきたが、それを言うならほとんどの食材全てがそういえるのではないのかと感じてしまう。
お酒とは麹の力を借りて米の発酵を促すことによりつくられるそうだ。なので、生き物という表現の裏にはそのような製造過程の繊細さ、僅かな違いで大きく変化してしまうという特有の性質があるのだろう。
なによりこだわりを持って取り組んでいる人がそれだけの思いを持っているということである。
それを知ることが出来たのは大切である。いずれ忘れてしまうけれど。
だからと言って私が日本酒を嗜むかというとそうではない。高い。というか安くても買わないだろう。
未だに私はお酒全般の正しい使い方を把握していない。少なくとも何の考えもなく私自身の体に入れて喜ぶのは、私ではなく周りの人間である。飲む人を否定するつもりはないが、理不尽や弱さを忘れる為に摂取するのは非常に危険ではないだろうか。
飲む為のものではなく、儀式や社会の為にどう使われているか気になる所ではある。