薬屋のひとりごと・第27話、キノコが暴き出す不審死の真相!女の嫉妬という今回のカギにつなげる無駄のない運びはさすが!
あらすじ
後宮の静かな日常を揺るがす事件が再び。結婚を間近に控えた女官が突如行方不明となり、猫猫は後宮という特異な空間の複雑さを改めて実感する。そんな中、壬氏から毒茸の調査を命じられた猫猫は、その興味深い課題に胸を弾ませるが、同時に壬氏の含みのある態度に何かを感じ取る。そして1日目の調査を終えて翡翠宮に戻ると、中級妃・静妃が亡くなったとの報せが。彼女の死が後宮に新たな波紋を広げる中、嫉妬、憶測、毒茸が絡む謎が少しずつ浮かび上がっていく。
リアタイ視聴者の反応はこちらから
静妃亡くなった…
今回のエピソードでは、静妃の死をきっかけに後宮が抱える深い闇が描かれました。
といった声が多数上がり、後宮のドロドロとした人間模様に注目が集まっています。特に、静妃の「毒茸による死」というミステリアスな設定は視聴者の興味を引きつけました。
猫猫が毒茸調査を命じられるシーンでは「猫猫のテンション高すぎw」「毒の話になると活き活きしてる」といったコメントが多く見られ、毒への興味を隠し切れない彼女の性格が視聴者にクスッと笑いを誘いました。一方で、毒茸が絡む事件の背後に嫉妬や陰謀が絡んでいる様子には「後宮怖すぎる…」「静妃の事件、誰が黒幕なんだろう?」と、物語の深みに対する関心も高まっています。
カエンタケとは?
カエンタケは、毒キノコの中でも非常に危険な種類として知られています。その名前の由来は、「火炎」のような燃える赤色と細長い指のような形状からきています。27話では、後宮内でカエンタケが生えている場面が登場しました。この描写は、カエンタケが特に危険なキノコであることをうまく利用し、ストーリーに緊張感を持たせています。また、カエンタケが毒物として使われた可能性を探る猫猫の興味深い行動も視聴者に印象を与えました。
毒キノコとしてだけでなく、その異様な外見や存在感からも、人々の恐怖や好奇心をかき立てるカエンタケ。この回では、猫猫の毒に対する深い知識が光り、後宮という閉鎖空間で起きる謎解きの重要な要素として描かれました。
特徴
外見
カエンタケは鮮やかな赤色で、細長い指や棒のような形状をしています。高さは10cm程度になることが多く、炎が燃え上がっているような見た目から、その名が付けられました。
生息地
主に日本を含む東アジア、ヨーロッパなどの雑木林や広葉樹林の地面に発生します。特に、腐葉土がたまった湿度の高い場所に多いとされています。季節
夏から秋にかけて発生することが多く、雨が降った後などに群生することがあります。
毒性
カエンタケは、食べるだけでなく、触れるだけでも危険な毒キノコです。
摂取すると
致死量がわずか数グラムと言われるほどの猛毒を持ち、体内に取り込むと消化器官や腎臓、肝臓などを深刻に傷つけます。主な症状は以下の通り:激しい腹痛
嘔吐や下痢
肝臓や腎臓の機能不全
最悪の場合、死に至ることもあります。
触れると
カエンタケに触れただけでも皮膚がかぶれることがあるため、素手で扱うのは非常に危険です。
毒成分
主な毒成分は「トリコテセン」と呼ばれる化合物で、これが中毒症状を引き起こします。トリコテセンは極めて強い毒性を持ち、摂取や吸入、皮膚吸収によって中毒を引き起こします。
注意点
カエンタケは、無毒のキノコと見た目が似ていることがあるため、キノコ狩り初心者が誤って採取することがあります。
公園や庭などにも生える場合があり、見つけた場合は絶対に触れず、専門機関に報告するのが推奨されています。
嫉妬と毒が生む「後宮の美学」
今回描かれた静妃の死の背景には、妬みや怨嗟といった人間の感情が渦巻いていました。後宮という特殊な環境では、女性たちの嫉妬や欲望が絡み合い、時にそれが人の命を奪うほどの大きな波紋を呼び起こします。後宮の華やかさとは、女たちの嫉妬や羨望、妬みや怨嗟、ときには死体そのものを養分にして生い茂る美しいキノコのようなものと思ったり。
猫猫が毒茸の調査を進める中で見つけた「北の雑木林の異臭」や「白骨死体」といった描写は視聴者を驚かせると同時に、後宮という閉鎖空間の異様さを際立たせました。また、「死体の上で生えるキノコに興奮する猫猫」「キノコの研究に没頭する姿」といったシーンは、猫猫のヲタクな性格を改めて強調しています。SNSでは「猫猫サイコすぎるw」「ドン引きする壬氏様の反応に笑った」といった反応が多数見られました。
菌類といえば『もやしもん』
死体に繁殖するきのこってあるの?
死体に繁殖するきのこは現実に存在します。これは主に、死体から放出される栄養分や分解された有機物が菌類の成長に適した環境を作り出すためです。いくつかの例を挙げて説明します。
死体に繁殖する菌類の例
キノコ全般
多くの菌類は、分解される有機物を栄養源とします。死体(動物や人間)が分解される過程では、窒素や炭素などの栄養分が土壌に放出されます。そのため、栄養豊富な土壌では、さまざまな種類のきのこが繁殖することがあります。カエンタケ (Podostroma cornu-damae)
『薬屋のひとりごと』で登場したカエンタケは猛毒のきのこですが、動物の死体が分解される環境で成長することがあります。ただし、特定の条件(酸性土壌や腐敗物の存在など)が必要です。ショウロやトリュフ類
死体が分解されている地中の栄養を吸収する菌類が土壌中で繁殖することがあります。特にショウロやトリュフは腐敗した有機物の栄養を取り込むため、間接的に死体の存在がきのこの繁殖を助けることがあります。腐生菌 (サプロトロフィック菌類)
腐生菌は、枯れ木や落ち葉などの有機物を分解する菌類ですが、動物の死体などのタンパク質や脂質を含む有機物を栄養源とするものもあります。例として、ヒトヨタケやツキヨタケなどが挙げられます。
死体ときのこの関係
生態系の一部としての役割
死体が分解される過程では、バクテリアや小さな昆虫などとともに菌類が関与します。これらは生態系のリサイクルシステムの一部であり、分解された物質は土壌の栄養となり、植物や菌類の成長を助けます。法医学における利用
死体の近くで成長する菌類や植物の種類、成長速度は、法医学で死亡推定時刻や死体の移動の有無を特定するために利用されることがあります。
注意点
死体から生える菌類のほとんどは、直接的に「死体そのもの」に寄生しているわけではなく、死体が分解された際に土壌や周辺環境が菌類の成長に適した状態になるため繁殖します。また、これらのきのこの中には食用不適、あるいは猛毒を持つものが多いので、素人が安易に触れたり収穫したりすることは非常に危険です。
死体から生える菌類は、自然界の生物循環の一環として非常に興味深い現象です。フィクションの題材としても取り上げられる理由がよくわかりますね。
菌類といえば、やっぱり『蟲師』
白骨化するまでにかかる日数
白骨化するまでにかかる日数は、環境条件や遺体の状況によって大きく異なります。以下に、白骨化が進むまでの目安となる期間と、それに影響を与える要因を解説します。
白骨化までの期間(目安)
通常の屋外環境
1か月~1年程度
湿度や温度が適度な屋外では、遺体の分解が進み、1年以内に白骨化することがあります。
高温・多湿環境
数週間~数か月
熱帯雨林や高湿度の地域では、微生物や昆虫の活動が活発で、白骨化が早く進みます。
低温環境
数年~数十年
冷涼な環境や永久凍土のような条件下では、遺体の分解が遅く、白骨化するまでに長期間を要します。
水中環境
1か月~数年
水中では魚や微生物による遺体の分解が進むため、条件によっては早く白骨化することがあります。
埋葬環境
1年~数十年
土中で埋葬された場合、土壌の性質や埋葬の深さによって白骨化のスピードが変わります。酸性土壌は骨を早く分解する傾向があります。
白骨化の進行を左右する要因
気温と湿度
高温多湿の環境では、細菌や昆虫の活動が活発になり、白骨化が速く進みます。
逆に寒冷や乾燥した環境では分解が遅くなります。
昆虫や動物の活動
ハエやカブトムシの幼虫が遺体に集まると、軟組織が早く分解されます。
鳥や小動物が骨を散らすこともあります。
埋葬状況
深い埋葬では、酸素が不足し微生物の活動が制限されるため、分解が遅れます。
遺体が直接土壌に接触していると、分解が早くなることがあります。
衣服や包帯の有無
衣服が遺体を覆っている場合、湿度が保持されるため分解が進むことがあります。
一方、防水性のある材料で密閉されている場合は遅れることもあります。
病歴や死因
体内に異常な細菌や毒物があると、分解速度に影響を与えることがあります。
実例(参考)
高温多湿地域では、数週間で白骨化した例も報告されています。
凍結された遺体(永久凍土や冷凍保存)では、数百年経過しても骨だけでなく軟組織も保存されていることがあります(例:アイスマン「エッツィ」)。
水中では、1年未満で白骨化する場合もありますが、遺体が泥に埋もれると分解が遅くなることがあります。
白骨化のスピードは、環境条件と遺体の状態が大きく影響します。科学的には非常に多様なケースがあるため、白骨化に至る期間は一概には言えませんが、一般的な屋外環境では数か月から数年が目安です。
骨といえば『カラダ探し』
猫猫の「憶測しない」信念
今回のエピソードで特に注目すべきは、猫猫が静妃の死の真相に迫りながらも、あくまで「憶測」を語らないという態度を貫いた点です。彼女は養父から教わった「憶測で物を言わない」という信念を大切にしており、その結果、事件の動機や背景については曖昧なまま。しかし、この曖昧さこそが後宮の複雑さを描く重要な要素となっています。
視聴者からは「猫猫が動機に深入りしないのが彼女らしい」「後味が悪いけど、こういうビターな話が後宮らしさ」といったコメントが多く寄せられ、物語の構成に対する評価も高いようです。
原作が気になる方はこちらから
薬屋のひとりごとの過去動画はこちらから
著作権者(著者、出版社)のみなさま
書籍で得た知識を元に、ファン活動の一環として記事を制作しております。
書籍の内容を考察するにとどめ、原著作物の表現に対する複製とはならないよう構成し、まず何より著者の方々、出版に携わる方々への感謝と敬意を込めた運営を心懸けております。 しかしながら、もし行き届かない点があり、取り下げなどご希望される著作権者の方は、お手数お掛けしまして恐れ入りますが、ご連絡いただけますと幸いです。
使用している画像は下記作品からの引用になります。
また使用、掲載している画像や動画、台詞などの著作権・肖像権等は、各権利所有者様に帰属致します。
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会