【詩】ことだま

ものとものとに
万有引力がはたらくように
ことばとことばにも
引き寄せ合う力がある

ものが重ければ重いほど
また近ければ近いほど
万有引力は強いらしいが
ことばに重さはあるのだろうか

重さはないが想いはある
想いが深ければ深いほど
引き寄せ合う力は強い
はて　ではもう一方は

ひとつがこちらのことばなら
もう一方はどこのことばだろう
引き寄せられることばは
どこでどんな想いでいるのやら

たとえば恋人たとえば家族
ことばを発する人はきら星
自分のことばの想さが
引き寄せるのは自分ただひとり

近さ遠さは本心からのへだたりで
本音でことばを口にすれば
素直な自分でひかりのように生き
人はそのひかりに引き寄せられる

うれしい　が　うれしい　を
しあわせ　が　しあわせ　を
ありがとう　が　ありがとう　を
ことばがことばを引き寄せる

偉大な科学者を待つまでもなく
むかしの人はみな知っていた
ことばのちから　ことだまを
本心の持つ　本当のつよさを