可能性
夜、家に帰る人々と街を歩く。
無数の光は僕を照らす。
照らされる僕には、無数の影がある。
僕が生きている。僕は一人生きている。でも、僕はたくさんいる。
どこを向いても僕しかいないけど、僕は確かにそこにいる。
それは僕なのか。
考える。
車が来る。僕の影は一つになった。
どんなことを考えても、まだ18分しか歩いていないみたいだ。
もう少し歩こう。
僕が今ココで、車に轢かれてしまっても、僕はまだここにいる。
僕の腕がもがれたとき、それは僕だろうか。
僕が飲み込んだこの石は、僕だろうか。
僕の可能性が1%でも残ってくれていたらいいな。
君の味方になれるから。
僕は、きみではないように。
君は僕ではないけれど。
僕は君の可能性があるから。
こんな毎日も生きようと思える。
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