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『橋岡大樹』フィジカル分析

今回、橋岡大樹選手のフィジカル分析と動作分析を解説します。
橋岡大樹はサッカー日本代表選手であり、現(2024年9月)ルートン・タウンFCに所属しております。

埼玉県浦和市出身
184㌢
80㌔
【橋岡大樹選手は一家揃ってアスリートです。父は野球をしており母親は陸上の200m全中チャンピオン。兄はサッカー選手、いとこは陸上選手。所謂サラブレッドと呼ばれるアスリート能力を持った選手であり浦和レッズアカデミー出身の生え抜き選手です。瞬く間に世界に飛び立った日本屈指のディフェンダーであります。】

【YOUTUBE引用】

橋岡大樹特徴

豊富な運動量
空中戦の強さ
精度の高いクロス
1対1での対峙プレス

橋岡大樹の特徴はフィジカル面から生まれる強さではないでしょうか。
常にオーバーラップを狙う運動量に当たり負けないフィジカル。
そして精度の高いパス。またフィニッシュを狙うパスを得意としております。一際は目立つのはスプリント力です。
何度もスプリントしている中でも当たり負けないフィジカルを持っています。特にベルギー時代は驚異的な数字を記録しています。

(theworldmagazine.jp)引用】

当時23歳の若さでベルギーリーグで空中戦勝利率NO1でした。
これには上半身の柔らかさが影響していると思われます。下記動画見ていただくと分かりますが、7秒~10秒のラストパスの動作です。
サッカーをしていた方ですと体感的にイメージつくかと思います。この動作を解説しますと橋岡大樹はゴールポスト方向に走りながら、ボールは自身が行く方向とは違うマイナス方向にパスを送っています。
ゴールポストに向かって加速するとその方向にエネルギーが働きます。下記の動画で確認していただくと分かりますがスピードはあまりは落ちていません。前方方向にエネルギーが移動させながらボールをマイナス方向に送る技術は上半身が柔らかく動かせないと、正確なパスへと繋がっていきません。
また下記動画の33秒~35秒のヘディングシュートは一人滞空時間が長いです。この動作ではより滞空時間上げるために一度背中を反らせ、体幹部のみならず背中と下半身、特に臀筋まで筋を発揮させようとしております。
シュート前に股関節をしっかりと伸展させているので、臀筋の導入はより強くなると理解できます。

【YOUTUBE引用】

スピードの乗り方

橋岡大樹のスピードの乗り方は抜き出るものがあります。これはどうのような事かと解説する前に足が速い方の特徴をお話しさせていただきます。
足が速いとは、解剖学的に筋のバランス、強度と筋線維に依存しますが、何より重要な事は自身の軸が何処に置かれているかです。
仮にダッシュを行う際気にするべき箇所は何処でしょうか。足の回転率、つま先の接地、腕の振りに、体幹の起き上がりこれらは重要な事ですが一番はゴール先が軸になっているイメージが出来ているかどうかです。
ダッシュしていただくと分かりますが、ゴール地を軸にするイメージを持つことで体制が変わり足の回転率速度が変わります。これは意識しないで行うのと、意識して行うとでは体感が変わります。自身で足を速く動かくすために身体を整え効率化させます。
橋岡大樹のプレーを見て分かることは、対峙している選手に気が向いてはいますがゴール方向に軸を常に置いております。
頭の位置は常に前方なっておりそこに合わせた体制と足の回転になっていると観察できます。そしてボールをへそに捉えてボールコントロールを丁寧に扱おうとしております。
スピードが加わると身体細部の動きは疎かになり一定になり固定化されやすのですが、橋岡大樹は類まれなる上半身の柔軟性があるからこそボールコントロールの上手さが際立っています。


橋岡大樹ケガ


 Yahoo!ニュース引用】

彼はスプリントした後、ターンして全力疾走しようとしていたが、ふくらはぎを痛めたようだ

Yahoo!ニュース引用

今回のニュースは一ファンとして悲しいニュースです。対人プレスの影響ではなく自身で行ったようです。
今回フィジカル分析・動作分析を行って気になる点は多々ありました。こちらを解説させていただきます。
これより様々な問題点を解説します。あくまでも橋岡大樹選手の揚げ足取るようなものではなく、また悪影響を及ぼすネガティブな記事にするつもりは一切ありません。サッカーを行っている全選手に対してスポーツパフォーマンの構造理解と将来のケガ予防の為の足掛かりとして記事にしております。それらの意を込めて解説します。予めご了承ください。


姿勢

橋岡大樹の姿勢はとても気になります。
3分27秒~3分47秒までの動画を確認してください。先ずは歩行時の動作です。首は前に出ており、体幹と股関節が屈曲しております。
立位時にも姿勢の崩れが覗えます。

【YOUTUBE引用】


パフォーマンスアップを狙うには重心点が重要になります。人間の重心点3点です。
みぞおち、丹田、太ももの間のこの3点が重心点となります。ですが橋岡大樹の場合はこの3点のズレが生じているように確認できます。
橋岡大樹の姿勢を確認する限り頭部は前方に出ており、背中は屈曲気味、骨盤後傾気味です。重心点は上から一直線である事が理想ですが姿勢を確認する限り重心点が前後となり、また縦の距離が短くなってしまっております。
スポーツ動作に置いて、行っているスポーツによっては偏りが出来き特異な身体付きになります。ですが今回動画観察するに強く偏りが出始めているように感じられます。
比較として下記動画のバイエルンミュウヘン選手達の歩き方を確認してみてください。

【歩き方でパフォーマンスが変わる】#shorts #short #体幹トレーニング #トレーニング (youtube.com)
【YOUTUBE引用】

頭部の位置は高くお腹はしっかりと伸びております。また床を上手く捉えて足を動かせています。3点の重心点が綺麗に整っております。

橋岡大樹のフィジカルを筋の動きで説明すると外肋間筋また体幹部が固くなっているとのではないかと考察できます。その為インナーユニット(腹横筋、骨盤底筋、多裂筋、横隔膜)の機能発揮がしづらくなっていると思われます。
また骨盤周辺で見ると常にハムストリングスの収縮が入っており、これは臀筋群の活動に偏りがある可能性が高いと思われます。

ランニング

下記動画4分6秒からの橋岡大樹のランニング動作を確認してください。疲労と共に上半身の揺れが大きく出ています。
5分21秒では疲労の影響によってふくらはぎと大腿四頭筋に乳酸が溜まった影響が出てしまっており臀筋が抜けた歩き方をしています。効率的な動きを行いにくい身体になり、他の選手に比べて足元が重そうに感じられます。
強度の高い運動を行うと疲労によって、その方本来のフィジカルの強い箇所、弱い箇所が顕著に表れます。
今回の動画を確認し橋岡大樹はインナーユニット、大腰筋、腸骨筋、臀筋がフル活動できないのではかと考察できました。
その影響によってふくらはぎに影響がでやすい体制を取りハムストリングスにテンションがかかりやすい状態になっていると思われます。
今後は膝、ハムストリングス、足首の故障があるのではないか、と個人的に心配しております。リーグ日程と強度が低いと耐えられるかと思われますが、日程が多く強度が高いリーグに所属すると怪我の心配をしてしまいます。

【YOUTUBE引用】


橋岡大樹と他選手

橋岡大樹と他選手を比べさせていただきます。先ずは下記動画の橋岡大樹の歩行と立位での姿勢をご確認ください。
3分44秒~4分15秒の歩行時には右膝に負担が掛かっていると見受けられ、左右に上半身が揺れており体幹部は屈曲気味になり首が前方に抜けてしまっております。これは横隔膜の筋の機能が低下している可能性があります。

【YOUTUBE引用】

6分17秒~の立位姿勢では自然と片足重心になっております。これは自然と行っている為に差異があると理解できます。
ここで確認できることは左右で腸骨筋と腹斜筋の出力の違いあり、また広背筋と臀筋はフル稼働していないとかと推測できます。
またハムストリングスの大腿二頭筋の出力が低下しているのではないか?推測できます。ハムストリングスの機能がもう少し高ければ臀筋のスイッチが入りふくらはぎの負担がだいぶ抜けれると思われます。


個人的にはではありますが下記選手は橋岡大樹と同じポジションの中でもフィジカル面、動作面でも素晴らしいと感じられた選手です。



酒井宏樹選手

【YOUTUBE引用】


相手選手と対峙している際の動作では骨盤前傾を自然と行っております。これはインナーユニット、腸骨筋、内転筋群、大腰筋、臀筋群、ハムストリングスなど股関節周辺の筋肉全体の出力が高くバランス良く鍛えられている証拠です。
また重心点の位置が崩れないようにキープでております。そして対人プレスの際も骨盤前傾を保っておりインナーユニットが抜けない状態を自然と作っております。
またダッシュの際は踵がお尻の位置まで高く上がっているので大腿二頭筋の出力が高いと推測できます。
ディフェンスとして1対1の際の重心地の高さが素晴らしい。
酒井宏樹はディフェンス時下手に重心地を下げません。これは自身のフィジカル能力が高いからこそ出来る技です。相手選手が自身よりもアスリート能力が高いと重心地を下げ一度プレスを掛けて対峙しますが、酒井宏樹は重心地が高い状態のまま反応出来てしまいます。
分かりやすくイメージするとプロサッカー選手が素人サッカープレイヤー相手に重心地を下げ対峙する必要はありませんよね。そこまで脅威ではなければ重心地をあえて下げなくとも対峙することは可能ということです。
また重心地の高さは次の移動からの加速を上げる行為の一つでもあります。
あくまでも重心地を下げる場合は相手に一度強めのプレスを掛ける事を前提とした構えです。
フィジカル面が弱い選手の場合、重心地が高い状態で対峙するとフィジカル負けを起こす可能性も出てしまいます。重心地の高さで相手を捉えるのは自身のフィジカル強度を上げる必要があると私は考えます。

重心地が低い状態はプレス面での強度の高さが先行されやすく、重心地の高さはスピード上げるための能力が先行されやすいです。
フィジカルを兼ね備え重心地を高く保って対峙することが理想だと考えられます。それらが出来ているのが下記の酒井宏樹とペドロ・ポロです。

【YOUTUBE引用】

また下記立位姿勢を確認してください。
左右バランスが上手く立っております。偏りのない鍛え方が出来ていると考察できます。

【YOUTUBE引用】



ペドロ・ポロ
現(2024年9月)トッテナムで選手であり橋岡大樹と同じポジションに位置しています。
ペドロ・ポロの特徴一つは走行距離です。下記2024年1月の記事ではありますが走行距離はリーグ5位の選手です。酒井宏樹同様に筋のバランスが取れた選手です。
またお尻の位置が高く体幹部に張りがしっかりと出ています。3点の重心点は上手く整っております。またダッシュだけではなく対人プレスに強い身体付きをしています。


【YOUTUBE引用】

下記動画を確認していただくと分かりますが、ペドロ・ポロも同様に立位時は左右に偏りを作らず立っております。非常に走る動作に対して効率的なフィジカルだと分析できます。
あくまでも推測ではありますが足指先に柔軟性があり、また足裏で床を捉える能力が高いのではないかと思われます。
足指の動きを自由自在に扱えると思ってしまう走り方をしている選手です。



橋岡大樹の今後のフィジカル改善

今回橋岡大樹の特徴的に確認できたのは、第一ふくらはぎが脱力しにくいのではないかと覗えました。
足首やふくらはぎの脱力練習が必要だと感じられました。

仮にランジのトレーニングを行った際、ふくらはぎが張りを出し屈曲しているのではないかと推測しました。また体幹部を屈曲気味にしながら上半身を上げていると予想できます。

ランジを行う動作では、腸骨筋と内腹斜筋を伸ばし行うことが必要だと思われます。立位姿での左右の差がありますので、ランジのようなトレーニングで腸骨筋と腹斜筋をストレッチを掛けその反動を使ったエクササイズをして左右差があることを感じてもらう必要があります。
また脱力の強化です。末端から脱力を行う練習が必要だと考察します。
橋岡大樹の場合は脱力が上手くなると次第にふくらはぎが抜け内転筋の出力が高まると思われます。

臀筋とハムストリングスの強化は必要です。
その為にはインナーユニットの柔軟性を上げる事が必要だと推測できました。腹式呼吸のようなインナーから膨張させ外肋間筋、内肋間筋の柔軟性を出し腹横筋の機能を上げると骨盤周りの機能が発揮しやすくなるのではないかと今のところ推測できます。
そして重心点3点の運動も必要です。
正しく重心点を作った後、ある重心点を止め、ある重心点を動かし素早く戻す運動が必要かと思われます。”正しく重心点を作る”作業が必要になりますのでそれには、脱力、インナーユニット柔軟性は必要になります。
今の場合はどうしても重心点がズレてしまっているので先ずは正しく整える作業が必要となります。
その為には上記の運動が重要となると私は考えます。


今回フィジカル分析・動作分析様々な発見がありました。
非常に学びとなり、また橋岡大樹選手を応援したくなりました。今後の活躍を期待し少しでも早く1部のプレミアリーグでプレイしている姿を見れたら楽しみしております。


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