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『ファン・ダイク』『高井幸大』比較・フィジカル分析

今回は(現・2024年10月)オランダ代表でリバプールFCキャプテンのファンダイクと日本代表で川崎フロンターレの高井幸大を比較しながらフィジカル分析させていただきます。
両選手共にセンターバックであり身長と体重が似ていることからフィジカル分析をすることに決めました。

今回ファンダイクを分析することに辺り理解できたことは、運動能力だけではなく筋の動きや機能面も含めてほぼパーフェクトではないかという見解に至りました。正直あまりに理想的な肉体のために一体何を分析すればいいのかと頭を悩ませたほどでした。
今回の記事の位置づけとしては、今後日本代表を背負って立つセンターバックの高井幸大がファンダイクに近づく事が可能なのか、何がファンダイクと違うのかと勝手ながら比較させていただきました。ファンダイクの生まれ持った遺伝子は素晴らしいですが、身長体重がほぼ一緒の高井幸大も負けていません。
世界トップのセンターバックに近づく方向性を示せたらと思い記事にさせていただきました。


ファン・ダイク

(フィルジル・ファン・ダイク)
オランダ/スリナム
1991年7月1日
195㌢
95㌔
現リバプールFC/センターバック

【リーダーシップを非常に発揮させ類まれなる運動神経を持った選手です。マンチェスターユナイテッドの英雄であるリオ・ファーディナンドからは”世界最高の一人”と称されており現サッカー界において世界最高峰のセンターバックの人物です。】

【YOUTUBE引用】


高井幸大

(たかいこうた)
神奈川県
2004年9月4日
192㌢
90㌔
川崎フロンターレ

【サッカー選手としてエリートであり川崎フロンターレの下部組織の生え抜き選手です。アンダーカテゴリーでは日本代表として選出され続けています。A代表は19歳で選ばれているほどの将来有望株の人物です。】

【YOUTUBE引用】


ファンダイクのランニング動作

ファンダイクは空中戦率が高く足元の技術やロングフィードも上手い選手です。一対一の対人スキルは全ディフューザーの中でトップクラスであり、組織理解力が高く非常にクレバーな選手です。そして何より足が速い。
ファンダイクの足の速さを先ず確認してください。0秒~32秒です。
他の選手に比べて初動から3m超えた辺りからの伸び方が異常です。
骨盤は前傾になり加速しやすい体制を作っています。

【YOUTUBE引用】

確認していただけたでしょうか。これはサッカー選手の走り方というよりも陸上選手の走り方に非常に近いです。
また上記動画の1分43秒~1分58秒を確認してください。
ソンフンミンと対峙している所になります。ソンフンミンはまさにサッカー選手の走り方です。身体全身を前に倒しながら加速させていますがファンダイクは骨盤前傾をさせ自然と上体を上げて走っています。
サッカーはフィジカルスポーツです。
相手とぶつかる事は当たり前ですので身体を前に倒し腹圧が高めて当たり負けしにく状態に身体を持っていきます。またボールを軸として置くので自然と身体が前に倒れやすくもなります。ですがファンダイク違います。
ファンダイクは195㌢で95㌔もあり強度の高い身体の為に当たり負けすることを前提にしない走り方なっているのです。
何より加速する為に必要な筋肉を最大限発揮できるフォームに自然とさせていると考察できます。
これは基本的に自身よりも強い(フィジカル/スピード)人物が少なかったからこそこのような走り方になっていると思われます。

下記URLの動画は陸上選手のケンブリッジ飛鳥選手です。ご確認ください。

(1) 負けられない戦い#銀メダル #400mリレー #ケンブリッジ飛鳥 - YouTube
【YOUTUBE引用】


ファンダイクは陸上選手と似た走り方をしています。
身体の機能で言うと先ずは足指である親指から小指まで均等に地面を捉えているはずです。また骨盤の位置がブレていないので足の切り替え時も均等に指先全体が地面に接地できていると考察できます。
仮に足指をグーパーさせたら足指の開きと足指の閉じが大きく動く事が出来ると思われます。
また走っている際の後ろ脚の引きあがりがお尻に近い位置まで来ていますのでハムストリングスの中の大腿二頭筋全体がしっかりと機能できていると覗えます。
私個人の見解ではありますが日本人の場合はハムストリングスの中の半膜様筋、半腱様筋が使われやすいく、逆に大腿二頭筋の運動が弱い方が多い印象です。大腿二頭筋の作用であるお尻までの引き上げ動作が疎かになってしまう選手が多く見受けられます。
ですが、ファンダイクはハムストリングス全てが効率よく使われています。それほどハムストリングスが使わているので腸骨筋が上手く反応出来ています。腸骨筋の確認ポイントは骨盤前傾です。凄まじい速さの中でもしっかりと骨盤が立ち上がっており足の切り返し時にも身体がブレずに対応できています。バランスの取れた鍛え方が出来ており素晴らしいフォームをしている選手です。

高井幸大のランニング動作

下記動画にてファンダイクとの違いを解説させていただきます。ファンダイクは195㌢の95㌔、対する高井幸大は192㌢の90㌔です。一見大きく変わらないと思えてしまう数値ですが身体の使い方には大きな違いが見られます。
下記動画の2分32秒~3分5秒/3分6秒~3分59秒/4分23秒~4分39秒を確認してください。

【YOUTUBE引用】

また下記YOUTUBEショートでファンダイクと比較してみてください。


先ずは高井幸大⇊⇊
高井幸大 (川崎フロンターレ)|明治安田Jリーグ月間ヤングプレーヤー賞【8月度】 (youtube.com)
【YOUTUBE引用】

ファンダイク動画
エンバペを攻略するファンダイク (youtube.com)
【YOUTUBE引用】


ファンダイクと比較するとより違いがある事が確認できるかと思います。
ファンダイクに比べて高井幸大の方が足が重く見えます。また腹部に張りは見れなく腸骨筋が全て反応しきれていないと思われます。
ランニング動作では臀筋の出力を出し切れていません。私個人的に高井幸大のランニング動作で理解できたことは大腿四頭筋の反応が非常に強いということです。他の言い方すれば他の筋の出力が低下している為に大腿四頭筋が強くなってしまった可能性があるということです。

下記動画で高井幸大の弱い可能性がある箇所が解説します。
23分5秒~23分13秒を確認してください。行っている内容はラットプルダウンです。

【YOUTUBE引用】

高井幸大のラットプルダウンは腹部でウエイトを止められてません。ラットプルダウンでは腹部と腸骨筋の伸びを感じながら身体を止めますが上下運動をしてしまい身体全体の力が抜けてしまっております。
その影響で広背筋が抜けてしまい大円筋が発達しやすくなっています。これは高井幸大のランニング動作に通じてしまいます。
またラットプルダウンの動きを見て想像するに追い込んだ様子もないので通常時のラットプルダウンの動作だと推測できます。アスリートは固める運動ばかりしてはいけないのですしチートを必要とする要素もあります。ですがこの動画を確認するに筋の抜てはいけない箇所が抜けてしまっています。
ランニング動作時の位置づけで言うと足を速く回転させる為に必要な筋がフル稼働していない箇所があると分かる動きです。
特に広背筋は臀筋との繋がりがあるので股関節の伸展動作に作用します。そして過度な股関節伸展を止めるために腸腰筋群が反応しないといけないです。それらのスイッチを入れるトレーニングとしてもラットプルダウンは必要なトレーニングの一つであります。
だからこそ使い切れていない筋があるので大腿四頭筋がランニング時にかなりカバーしているのではないかと考察できます。
また足指が上手く地面を捉えられていない可能性もあります。高井幸大のランニング動作は身長に対して足の歩幅が狭いです。これは足指からハムストリングスの柔軟性、出力の問題がある可能性あります。
もっと推進力を生めるはずですが足指からハムストリングスを上手く扱い切れていない可能性あります。
私が推測するに足首またはふくらはぎが力が張りやすい、またハムストリングスの大腿二頭筋の出力が低下しているのかもしれないと推測しています。

※高井幸大はファンダイクに比べ3メートル付近から加速が上がりづらい要因はこれらが問題になるかと思われます。


ファンダイクの歩き方

人の筋の偏りや付き方、骨の配列など歩き方にとても出やすいです。サッカー選手の場合はO脚気味であったり身体の左右でバランスが違ったりと身体に出てしまう選手が多いです。ですがファンダイクは重心点がしっかりと取れており左右の偏りが少ない身体をしています。
下記URLを確認してモハメド・サラーと歩いている様子ですが共にバランスが良い身体、良い歩き方をしています。

Gym time for Salah and van Dijk 💪 (youtube.com)
【YOUTUBE引用】

ここ最近では色々な選手の歩き方をチェックしていますが、一流選手こそバランスの取れた歩き方をしていると改めて気づかされてました。
特異的な運動することによってバランスは崩れるものの一流選手たちはバランスを考えたトレーニングができていると思われます。


高井幸大の歩き方

上記内容の説得材料になってしまうかと思いますが。下記URLを確認してください。
ファンダイクは歩き方とは違いが見られます。
(※残念なことに歩行動作をしっかりと確認できるのがこの動画しかありませんでした。)

②ベンチに引き上げる高井幸大 (youtube.com)
【YOUTUBE引用】

確認していただけたでしょうか。
高井幸大は歩行時左に落ちてしまっています。ファンダイクも若干落ちてしまっておりますが高井幸大はより落ちてしまっています。その影響によって膝に負担が来る歩き方になっています。
対人プレスが多いポジションですので今後はハムストリングスやふくらはぎなどの筋肉系のトラブルまた膝や足首のトラブルが来てしまうのではないかと考えてしまいます。

また骨盤の引きあがりが気になりました。
臀筋出力が落ちています。この要因としては広背筋と腸骨筋、内腹斜筋の出力低下がありますが根本の原因となる箇所は腹横筋などインナーユニットだと考えられます。
私が気になった事としてはランニング動作での初動時の身体の重さです。この重さはインナーユニットと非常に関係があります。
高井幸大はインナーユニットの膨張と収縮がそこまで上手くないのではないかと考えられます。体幹周辺を固める動きは得意だと思われますが体幹を膨らます動き、縮める動きは苦手な可能性があります。その為大腿四頭筋、背中、僧帽筋、噛み締めの力で筋の出力を発揮していると考察できます。
これらインナーユニット本来の動きを取り戻せば能力値が一気に変わり全ての初動時の動き出しが他の選手よりも秀でると思われます。
不安なことは自身が本来扱えるウエイトより重いウエイトでトレーニングをしているのではないかと勝手に推測しています。
これは一つ気になる点でした。


ファンダイクのコア

下記動画では世界最高峰のアスリートであることの理由が確認できます。何度確認しても遺伝的な要因がある事は確かです。ですが高井幸大も素晴らしいもの持っています。
トレーニングとは、遺伝的に不利な身体でもあってもトレーニングによって補えるという作用があります。それを補う為にはその方自身に適した運動法と負荷そして意図したプログラム内容が必要です。
まさにファンダイクは自身に適したトレーニングしていると言えます。
下記動画の47秒~1分までの動画を確認してください。行っているトレーニングはランジです。

【YOUTUBE引用】

平均台の上に前後の足を一直線にしてトレーニングをしております。また背中には棒を当てバランスを意識しています。
これはやってみると分かりますが非常に難しいです。最大のポイントは脱力出来ているかです。後ろ足のふくらはぎ、四頭筋が脱力し足の指先全面がしっかりと接地されていないといけません。
少し後ろ気味に体重を乗せて内腹斜筋、腸骨筋のストレッチの反動によって身体を持ち上げている運動です。
その為には上半身の脱力が必要です。意図していないとは思いますがファンダイクの笑顔も脱力に良い影響を与えております。
コアの安定とそれら周辺の筋肉が脱力できている身体であると確認できる動画です。
高井幸大の今後の飛躍にも役立つトレーニングだと感じさせてくれます。


下記動画の3分29秒~3分38秒です。
ランニングマシーンでの動きです。コアはブレることはなく腕は脱力しながら後ろに振れています。その影響によって力を無理に入れずに自然と脚を動かせています。
後ろに蹴り上げた足はお尻に近い位置まで来ているのでハムストリングスの強度が高いことを示しています。

【YOUTUBE引用】

高井幸大のランニング時の歩幅の狭さは幼いころからの身体の使い方、筋の柔軟性・出力、脱力のしづらさなど複合しているかと思いますが脱力しながらのランニング動作は今後の高井幸大の運動能力向上としてとても有効的だと個人的には思っております。脱力してランニングする事によってこれまで扱いにくかった筋の箇所が動き出すと推測しています。


ファンダイクの下記動画で改め気づかされたことは筋肉の付き方が本人にとって負担となっていないといことです。
まず日本人選手に多い身体の付き方を説明させていただきます。
股関節が若干屈曲気味になっており、ふくらはぎが異常に発達している。また腰部が若干屈曲してしまいお腹を固める動きは得意だがその影響によってインナーユニットが活動しきれていないという現象が起こっています。
ですが、ファンダイクはインナーユニットは活動していると覗え、お尻からふくらはぎにかけて筋のサイズが細くなっています。とても理想的あり長距離を走るサッカー選手にとって疲れにくい身体となっています。
何より自重トレーニングを大事にしており、あらゆる角度やあらゆるトレーニングをしていると考察できます。
これは考察ではありますが無駄に重いウエイトをすることで起こるコアのブレと身体の偏りが生まれてしまう事を好まないのだろうと私は考察しています。


総括

今後の高井幸大の飛躍を期待しながらトレーニング質とプログラムなど変化させることによって強度の高いプレミアリーグを戦うことは可能だと感じております。
コアの働きをこれまで以上に変える必要があるのと、コア周辺のトレーニングはもっと丁寧に行わないといけないと動画から感じさせられました。脱力の扱い方や動きの中で必要な筋の出力の上げ方など改善できる点はあるのでぜひ取り組んでもらえたらと思います。
高井幸大が世界最高峰のディフェンダーになることを期待しております。

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