日本には、シュートするリーダーがいいなあ!
現在の「中東」をみると、イスラエルとヒズボラの戦いは、
一発で世界戦争に発展する危険性を孕んでいます・・・。怖いです!!
こんな時に、日本に期待されることは何でしょうか・・・。
『内向き』の権力争いをしていますが、国際的にみると危ないです。
ハッキリと日本の考えを述べ、行動しなければ世界から信頼されません。
総理をはじめ、各分野の責任者は、高い見識と行動力を発揮して欲しいです。議員の眼が「選挙区」に固まっているようでは・・・。(涙)
日本のリーダーの形は・・・
リーダ像を、分かり易く「発信型」と「調整型」とに分けて、考えてみたいと思います。
発信型の歴史的な典型と言ったら「織田信長」ですね。わかりやすいです。現在の産業界を見たら「某企業の某会長」が典型ですね。
企業は方針をハッキリしないと潰れますからね。
調整型は、いくらでも・・・公務員など「減点法」のところに多いですね。
私も、若い時は「リーダーを自認」した時があります。
組織や基盤を抜きにしたら、そうした自己認識がなければ、組織は動きませんからね。その「評価は別」です。私の場合は失敗でした。
調整型はつるんで発信型を潰しに行くことがありますね。
「出る杭を打つ」というケースです。多いです。
しかし、自民党の総裁選挙を見ていると、基本は「信頼」ですね。
日本人の心の中心に「空」がある
今回は、心理学者として高名な河合隼雄さんの見方を参考にしています。
学問的な解説は、私の「中空構造の深層」というブログで見て下さい。
河合さんは、日本人の心の中心が「空」であることが、私たちの行動様式を決めているといいます。
つまり私たちが「決定的な戦いを避ける」・「対立するものの共存を許す」という日本人らしい態度の根底は、「空」が存在するからだといいます。
この「中を空っぽにする」ということが、日本人の行動を決めているというのです。総裁選でも、自分の主張より、陰にいる人たちの「駆け引き」「空の置き所」が話題になりましたね。
この「中空構造」は、考え方だけでなく、政治、宗教、社会構造などに当てはまるといいます。
振り返ると、確かに私たちは「極端より、バランス」を大切にしていることに気づきますね。
しかし、今回の自民党の総裁選を傍観していると、私は議院内閣制をやめて、大統領選のように改める方がいいと思うようになりました。
大統領選はそれなりに問題があるし、現行の「天皇制の下」では実施できないでしょうけど・・・。象徴天皇が「空」の存在だという人がいますからね
現状の政局は「中を空っぽにしすぎて、政策がない」と状態では困ります。
数合わせ。権謀術数が優先されて、リーダーを決まられるのは異常です。
私たちは、日常生活でも、左派・右派の極端に振れるより、中間のバランスを取ることを尊重していますね。
左派・右派はフランス革命の時の「国民議会」で、意見が合致する人が、近くに座ってからの「言い習わし」ですね。
真ん中にいるものは,中を「空」にしておかないとバランスが取れないということも事実ですが、ここは哲学でも心理学でもない政治力学ですからね。
「対立」 か 「バランス」 か
心理学的な分析をヨコに置くと・・・
政治とは、経済力であり、人事権であり、影響力の及ぶ範囲のことです。
私が失敗した原因は、こうしたことに無知で軽く見ていたからです(苦笑)
知らないのですから「実力不足」だったのです。
手痛い火傷を経て、いまは「少しだけ」人間を理解できるようになりましたが、もう、復帰する意志も力もありません。(笑い)
だから、企業のスタッフに知恵貸していますが、思うようにいきませんね。
スタッフには、なによりも「狡さ」という武器が足りないのです(笑)
決して「器」の問題じゃないです。頭もよくて優秀ですけど。。。
企業・組織・学校という大きな集団だけでなく、
小さなグループでも、業務を遂行するとき、リーダーシップを発揮する立場の人が『パワーよりもバランスだ』と痛感する場面が沢山あります。
河合さんは著作の中で、次のように述べています・・・
『ある組織内における長の役割、その在り方などをを考えてみると、
西洋の場合は、文字通りのリーダーとして、自らの力によって全体を統率し、導いてゆくものが主流である。
これに対して、日本の場合の長は、リーダーというよりはむしろ世話役というべきであり、自らの力に頼るのではなく、全体のバランスを測ることが大切であり、必ずしも力や権威を持つ必要がないのである』
「中空構造日本の深層」(河合隼雄著) 中公文庫 59~60頁
なるほど、日本のリーダーは「世話役か」
確かに、力による統率を進めるリーダーは「挫折」する確率が高いです。
織田信長が典型的な例ですが、私の身近にも沢山います。
徳川家康は世話役のイメージがですが、実際はどうでしょうか。強引ですね
秀吉は独裁者の印象です。とても、庶民の出世頭・代表じゃありません。
それに、プーチン・習近平・トランプも、世話役ではないですね。
日本でも、最近の政治・経済をみると、西欧式に「対立」を強調する方法が支配的になっていますね。成果主義で煽るようになっています。
特に、気配りなど、日本式の「バランス・共存」を尊重しない手法が横行しているとみています。
そのために、いろいろな「摩擦」「事件」「反発」がありますが、すべて「対立するもの」として、批判を切り捨てて、押し切っていますね。
たえず、対立する基軸を立てて、自分の正当性を強調する手法です。
リーダー像を分類すると・・・
①「頭脳で引っ張っていくリーダー」は、信頼がなくなれば早期に失速しますね。私の体験からも、多くの事例がありますが、総裁選に立候補している人を採点してみるといいですね。
マスコミで「分類」した人がいますね。東大卒とかハーバード大卒」した官僚になると、省庁から海外に勉強に出されるのですが、皆同じ扱いですね。
②「町工場の親爺さん型のリーダー」は、部下・大衆に好まれますが、人柄の良さ、雰囲気やイメージが先行し、論理性に欠けますね。上司に対して「文句が言えない」・良いブレーンがついていて、「よいしょ」してくれないと失敗しますね。
・・・これも露骨です。転落するのが早いです。運任せです。
③「両方できるリーダー型」は、「独裁者」になりたがりますが、逆に失脚しやすいですが、政治家になると、この状態を狙っている人が多いですね。
「人徳」が必要だけれど、信頼と人気には、厳しいものがあります。
ある程度、民主主義が発達し、個々人の意見を持つようになった人が批判するので、独裁者は難しいですね。有効なのは「忖度」です。
トランプの大統領選挙と、プーチンの大統領選挙の違いです。
この「人徳」が難しいので、中国でも孔子の『論語』が好まれるのです。
徳は学習できないし、支配権力には都合が良いからです。
日本でも「教育勅語」が出てきたときは、危険です。
バランス感覚がない人は「引き際」が難しいです。下手をすると、みじめです。恥ずかしい生きざまは、後に残りますが、無自覚の人がいます。
『論語』については、NOteで、泉聲悠韻さんが「歴史的」「学問的」に分かり易く解説を書いて下さっているので、そちらをご覧ください。
河合隼雄さんの「立ち位置」・・・
河合さんは、「内向的性格」・「外交的性格」で有名なユングの心理学を研究する学者として、沢山の著作を通し、私たちに大きな影響を与えています。
河合さんは、日本人の心理の原風景は『古事記』にあるといいます。
だから、『古事記』に記されている日本の神々を通して
「日本人の心の構造」を明らかにしようと試みたのですね。
出発点は、天孫「ニニギ」と「コノハナサクヤヒメ」との間に生まれた3人の子どもです。この中の海彦・山彦の2人は「存在感が旺盛」ですが、
もう一人火須勢理命(ほすせりのみこと)は「無為の存在」で、日本人の精神構造をみると重要だというのです。
この「無為の神」は、日本的な「中空性」を示すものであり、
「空であり無」である。そのゆえに、日本人の思想、宗教、社会構造などのプロトタイプであると河合さんはいうのです。
<チョット寄り道>
古事記にある日本神話は、かなり創作の臭いがします。
が、エピソードの積み重ねですから、楽しく面白いです。
そもそも、稗田阿礼という人物が「存在したか、否か」も、学問的に言えば
厳しい存在です。神話の「語り部」として、実証不可能ですから、異論があるところです。
が、古事記を抜きにして「日本人論」は語れないのですから、貴重です。
私は「令和という元号と日本神話の裏話」のブログで、基本的なエピソードを書きましたので、参考にお読みくだされば幸いです。楽しいです。
男性原理と女性原理の「東・西比較」
「男性原理」・「女性原理」という観点も興味深いです。
男性原理は、ものごとを切断する機能を主とし、「切断」によって分類されたものごとを、明確にするものであるといいます。
女性原理は、「結合」し融合する機能を主とし、ものごとを全体の中に包括するものである、というのです。
西欧には、「男性→太陽→精神→能動」・「女性→月→肉体→受動」、という対応的な二つの軸によってあらゆる事象を秩序づける考え方が存在します。
が、日本神話では、「女性→太陽」、「男性→月」という結びつきが見られるというのです。
ギリシャ神話のゼウス(男性)と,古事記のアマテラス(女性)の違いだろうと思いますが、もう少し掘り下げてみる必要がありますね。
つまり、日本神話は「対立」ではなく、微妙な「混合」によってバランスがとられているところに特徴があるというのです。
この『バランス』こそ、日本人の心理構造の独自性であるというのです。
バランスは一種の弁証法である
日本神話は、対立的に、「どちらが優位を獲得」しているのではなく、
バランスは「一種の弁証法」で、いいかえると、中空巡回形式で「空位を体得」する論理になっているというのです。
これが日本人の心の構造であり、「均衡の論理」であるというのです。
つまり、地位あるいは場所はあるが、『実体も働きもない中心』があって、相対立する力を「適当に均衡あらしめる」というのです。
・・・『日本にも時にリーダー型の長が現れるときがあるが、多くの場合、それは長続きせず、失脚することになる。日本においては、長は、たとい刀や能力を有するとしても、それに頼らずに無為であることが理想とされる』
と、河合さんは述べています。
この際、自分は「統率型」なのか「世話役型」なのかを振り返ってみると、新しい発見があると思います。
中空構造が危機に瀕している
また河合さんは
『現在のように国際間の交流が激しくなり、西洋の文化に触れる機会が増大すると、父性と母性のバランスを保つ日本的な中空構造が「危機」に立っている。
このような時にあって、「私たちは中空構造を意識する必要がある」という。
自分のモデルに矛盾するものは「組織外に排除することがない」からです。
世界平和のために「中空構造」を広めよう!
いま世界は「非常に危険な状態」にあります。
中東の争い、ウクライナの侵攻。自国中心主義、排他的な価値観・・・
世界のリーダーを自認している人たちの「対立」が問題の根底にあることは「誰でも知っていること」です。
辛うじて「戦争の抑止力」になっていることは「核戦争になったら、人類は滅びる」という恐怖です。これは、知性でも不安でもありません。
「出口なし」という状態を変更させるには「中空構造」の考え方を広めることが最上だと考えます。
タテ割りの権力構造としての「世界政府がない」のですから、機能マヒに陥っている国際連合に期待することはできません。
アメリカもロシアも中国も、国連をバカにしていますね。
国連を「外交の一つのステージ」にしか見ていません。
未来への伝言を明確に・・・
日本文化の特徴を、世界思想に広め「対立よりバランス」の価値観を、
積極的にアピールする時だと思います。
それぞれの政党のリーダーが交代し、新しい「日本のリーダー」が決定します。
この交代期を狙って、ロシアも中国も「外交的圧力」をかけてきています。いまこそ、日本は姿勢を明快にし、言うべきことはいい、行動につなげなくては、20年後の日本の存在が怪しくなります。
「未来への伝言」を意識して、政治・経済だけでなく、文化・教育・情報発信・生活基盤の確立をしましょう。
生成AIで、社会は大変革していくのですから、意志的な決断が必要だと思います。