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博徒解散式(1968)

博徒解散式(1968、東映、90分)
⚫︎監督:深作欣二
⚫︎出演:鶴田浩二、渡辺文雄、河津清三郎、小松方正、岡田英次、丹波哲郎

「博徒シリーズ」の第7弾で、監督と主要キャストとタイトルとテーマと設定がたまたま似ている解散式』とは別物というこの作品。

この時代の東映ヤクザものの1シーンだけ切り取ってタイトルを当てるクイズがあったら、小津作品並に難しいかもしれない。

国会議事堂のショットから幕を開け、暴力団追放の波が世間に押し寄せていることを実録調に字幕を入れながら説明する冒頭。

昭和41年(任侠物で言えば現代)神浜市という港街が舞台。

主人公の黒木(鶴田浩二)は任侠道の王道を行く男。仁義を重んじ、個人の欲得で動くようなことはしない。

そのためストーリー(抗争)はなかなか始まらず序盤はゆったりとした展開。

この時期にはもはや個人の思惑や組同士のいざこざではなく、利権や政治の絡んだ資本主義経済の都合によって、大きな力が不穏分子を排除するというような構図となっている。

劇中でも「巨大な世の中の仕組みの中で一人のヤクザの意気地なんて一体なんだと思う?カスのカスに過ぎん」という台詞が放たれる。

それでも「時代に逆らい任侠道を生きようとする男の美学と悲哀」というムードが創られており、任侠映画的世界観は保っている印象。

タイトルにある博徒は登場せず、港湾で働く人夫たちの話である。

ヘルメットをしてても側頭部から落ちたら即死なんだろうか。

映像的には、上からの俯瞰ショットが多用されている。

ラストは効果音もなく、どこか突き放したような印象。

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