殿方ご免遊ばせ(1957🇫🇷)
原題: UNE PARISIENNE(1957、フランス、86分)
●監督:ミシェル・ボワロン
●出演:ブリジット・バルドー、シャルル・ボワイエ、アンリ・ヴィダル、ナディア・グレイ、アンドレ・リュゲ、ノエル・ロクヴェール、マドレーヌ・ルボー、クレール・モーリエ
主演のブリジット・バルドーはフランス大統領の娘役。
ブリジットが大統領秘書官ミシェルに無理矢理押しかけ一緒のベッドにいたところを大統領(つまり父親)に見つかり、「じゃあ責任とれ」ってことで二人は結婚。
ところがこのミシェルは相当の女好きで、それに腹立てたブリジットが浮気を宣言。
後半は『ローマの休日』逆バージョン。
映画を観て、バルドーが可愛いという以外に感想がない。
本当にそれ以上何も無いので、そんなバルドーの魅力的なポイントを具体的に広げてみる。
まずは声。ワガママ娘・小悪魔的というのがバルドーの魅力だが、あの上品で気取った感のあるフランス語の台詞を早口で「あそこを最初に通った男と浮気してやる!」などと怒りに満ちた、それでも可愛い声でまくしたてるところがなんとも言えず良い。
それからアクション。
この手の映画にしては珍しく室内を大きく使った大勢でのケンカの立ち回りがある。
しかしさすがフランス人、"アクションシーンを演じている人を演じるワークショップ”のようなスピード感も迫力も全く無い、パターンを組み合わせたような非常にぎこちない立ち回りが展開される。
その中でブリジットはまるで初めて新しいスポーツに挑戦する人のような妙に形式ばった動きでそのか細い腕を正確に振り上げ、襲ってきたオヤジを見事にパンチ!
その後も“ど派手なケンカ”のト書き通りの騒ぎの中でバルドーはダンスを踊るようにその中で暴れていた。
あとは衣装。この映画でも着替えまくり。
貧しい家の娘役だった『素直な悪女』、白黒の『裸で御免なさい』に比べ上流階級役のカラー映画な本作はバルドーのファッションショーと化している。
やっぱり彼女の魅力はどんな衣装でも似合う……と思いきや白のウェディングドレスは妙に似合わなかった。
それも魅力のうちかな。