トラック野郎 天下御免(1976)◆シリーズ4作目◆
トラック野郎 天下御免(1976、東映、105分)
●脚本・監督:鈴木則文
●出演: 菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、由美かおる、杉浦直樹、松原智恵子、鳳啓助、京唄子、誠直也、マッハ文朱
『トラック野郎』シリーズ第4弾。
奥入瀬橋の開通式にて金子信雄がスピーチしている中、一番星号が突入し「処女貫通式おめでとうございます!」と菅原文太が叫ぶところから映画はスタート。
爆走してゆくトラックを沿道で眺める子供たちの手には一番星号のプラモデルが。
舞台は四国今治~倉敷で、ストーリーはそれまでのパターンとほぼ同一。
届けたラブレターがマドンナ(由美かおる)ではなく、別人(松原智恵子)に渡ってしまって勘違いさせてしまう流れは第1作と同じ。
でも、まあ松原智恵子がOKならそれはそれでいいじゃないかという気もする。
しかしながらこの当時の若くてピチピチした由美かおるは非常にかわいいのだが、演技が棒読みなのがまた微笑ましい。
映画の中盤、闘牛で見事勝った桃次郎が握りしめる茶封筒に「勝牛配当金」とデカデカ書いてあって、そんな表記するんだ!?と笑った。
子供のできないドライブイン夫妻に、ジョナサンの娘サヤ子を養子に出すシークエンスのペーソスが映画におけるウェットな重しのような働きをしている。
家族のない桃次郎はライバルと戦い、そして失恋するというこの映画の主人公に課された役目をキッチリと全うする。
河川敷沿いに干された長い花筵の脇を肩を落として歩く菅原文太の姿が情けなくもカッコよく映る。
終盤、通行止めの峠道をゆく一番星号の特撮はあきらかにあの子供たちが持っていたであろうプラモデルを使っている。
こういった宣伝も抜かりないところが凄い。