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博徒解散式(1968)

博徒解散式(1968、東映、90分) ⚫︎監督:深作欣二 ⚫︎出演:鶴田浩二、渡辺文雄、河津清三郎、小松方正、岡田英次、丹波哲郎 「博徒シリーズ」の第7弾で、監督と主要キャストとタイトルとテーマと設定がたまたま似ている『解散式』とは別物というこの作品。 この時代の東映ヤクザものの1シーンだけ切り取ってタイトルを当てるクイズがあったら、小津作品並に難しいかもしれない。 国会議事堂のショットから幕を開け、暴力団追放の波が世間に押し寄せていることを実録調に字幕を入れながら説明

爆裂都市 BURST CITY(1982)

爆裂都市 BURST CITY(1982、ダイナマイト・プロダクション、116分) ●監督:石井聰亙 ●出演:陣内孝則、大江慎也、戸井十月、町田町蔵、泉谷しげる タイトルやクレジットのフォントに80年代の戦隊モノみたいな雰囲気を感じた。 その後登場したバンドも戦隊ヒーローのようなアクの強いカッコよさだった。 ビートルズのチラシを踏みつけていたけど、演奏はいたってオーソドックスなロックンロールだった。 ストーリーはあるようで、無い。 ただ、中盤から終盤にかけての暴動の

箱男(2024)

箱男(2024、映画『箱男』製作委員会、130分) ●原作:安部公房 ●監督:石井岳龍 ●出演:永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市、渋川清彦、中村優子、川瀬陽太 安部公房原作の『箱男』の映像化と考えると疑問に思うこともあるが、令和版と考えるとこの映画化不可能と言われた作品を頑張って映画として見事に仕上げたなという感想。 ノートの断片がそのまま作品として存在する原作をそのまま映像化すると相当にわかりにくいものになるので、ある程度"ストーリー"を基盤とした作りになっている

初恋・地獄篇(1968)

初恋・地獄篇(1968、ATG=羽仁プロダクション、108分) ●脚本:寺山修司、羽仁進 ●監督:羽仁進 ●出演:高橋章夫、石井くに子、満井幸治、福田知子、宮戸美佐子、湯浅実、額村喜美子、木村一郎、浅野春男 寺山修司脚本、羽仁進監督によるATG作品。 DVDの解説リーフレットには「美術 金子國義」と書いてあるが、途中で絵画を映した印象的なカットがあり、それが金子國義の作のようだった。 なのでいわゆる"プロダクションデザイン"としての参加ではない? ジャケットデザインは

花咲くころ(2013🇬🇪)

英題: IN BLOOM(2013、ジョージア=ドイツ=フランス、103分) ●監督:ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス ●出演:リカ・バブルアニ、マリアム・ボケリア ユーロ2024開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ。 ジョージアといえば往年のカラーゼや現在活躍中のクヴァラツヘリアがサッカー選手としては有名だ。 このジョージア映画、英題は『In Bloom』。ときたら真っ先に思い浮かぶのはニルヴァーナの同名曲だ。 しかも映画内時間は1992年

パラダイス:愛(2012🇦🇹)

原題: PARADIES Liebe(2012、オーストリア=ドイツ=フランス、120分) ●監督:ウルリヒ・ザイドル ●出演:マルガレーテ・ティーゼル、ピーター・カズング、インゲ・マックス ユーロ開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ。さすがに24カ国分は無理があった。 オーストリア映画だけど、舞台のほとんどはケニア。 ウルリヒ・ザイドル監督によるパラダイス3部作の一作でサブタイトルに『愛』とついているが、愛の対極というか、愛ではないものというか、排反によ

パラダイスの夕暮れ(1986🇫🇮)

原題: VARJOJA PARATIISISSA(1986、フィンランド、80分) ●脚本・監督:アキ・カウリスマキ ●出演:マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン、サカリ・クオスマネン、エスコ・ニッカリ アキ・カウリスマキの初期作品。 一時は中古でもわりと高価なボックスでしか見られなかったが、今では手軽に動画配信で見られるのだから本当に便利になりました。 マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンの二人が主演。 久しぶりにカウリスマキの作品を鑑賞したが、改めて見

瞳をとじて(2023🇪🇸)

原題: CERRAR LOS OJOS(2023、スペイン、169分) ●監督:ビクトル・エリセ ●出演:マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレント、ペトラ・マルティネス、マリア・レオン、マリオ・パルド、エレナ・ミケル、アントニオ・デチェント、ホセ・マリア・ポウ、ソレダ・ビジャミル、フアン・マルガージョ、ベネシア・フランスコ 「物語」を創作物として表現する際、小説や絵本、戯曲、舞台やミュージカル、漫画、アニメ、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、人形劇などさまざまな手法・形

ビートルジュース(1988🇺🇸)

原題: BEETLEJUICE(1988、アメリカ、92分) ●監督:ティム・バートン ●出演:アレック・ボールドウィン、ジーナ・デイヴィス、キャサリン・オハラ、グレン・シャディックス、ジェフリー・ジョーンズ、ウィノナ・ライダー、シルヴィア・シドニー、マイケル・キートン 続編が今年全米公開されるということで、この『ビートルジュース』を久しぶりに観てみた。 とっても面白く、92分があっという間に終わってしまった。 ビートルジュースがとにかく良くて、マイケル・キートンが「い

ビートルジュース ビートルジュース(2024🇺🇸)

原題: BEETLEJUICE BEETLEJUICE(2024、アメリカ、105分) ⚫︎監督:ティム・バートン ⚫︎出演:マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラ、ジャスティン・セロー、モニカ・ベルッチ、ジェナ・オルテガ、ウィレム・デフォー あの『ビートルジュース』の続編。 空撮で始まるオープニングとか、往年のクレジットフォントとかがもうワクワクさせてくれる。 ウィノナ・ライダーは当然年は取ったけど、年を取ったことを除けば全く変わっていない。 今

ひなぎく(1966🇨🇿)

原題: Sedmikrásky(1966、チェコスロヴァキア、75分) ●監督:ヴェラ・ヒティロヴァー ●出演:イトカ・ツェルホヴァー、イヴァナ・カルバノヴァー 回る歯車と戦争のモンタージュで始まる。 「女の子映画」と宣伝されているが、映画全体がモンタージュ的なこの作品を紐解くうえでは言語的な論理性では太刀打ちできず、…と思いきや時折タイプライター風にト書きのようなものが挿入されるという理屈で考えようとするにはやや難解な映画。 これもナンセンスなことではあるが、映画内で

緋牡丹博徒 一宿一飯(1968)◆シリーズ2作目◆

緋牡丹博徒 一宿一飯(1968、東映、94分) ●監督:鈴木則文 ●出演:藤純子、菅原文太、待田京介、村井国夫、城野ゆき、白木マリ、山城新伍、玉川良一、小島慶四郎、天津敏、遠藤辰雄、西村晃、水島道太郎、若山富三郎、鶴田浩二 『緋牡丹博徒』シリーズの第2作目。 肝心の第1作目は未見だが鈴木則文脚本・監督ということでこの2作目から観てみた。 明治の中頃、上州富岡が舞台。 緋牡丹のお竜を演じる藤純子が櫓の上で八木節に合わせて太鼓を叩くにぎやかなタイトルバック。 クレジット

緋牡丹博徒 花札勝負(1969)◆シリーズ3作目◆

緋牡丹博徒 花札勝負(1969、東映、98分) ●監督:加藤泰 ●出演:藤純子、若山富三郎、待田京介、清川虹子、小池朝雄、天津敏、嵐寛寿郎、藤山寛美、高倉健 オープニング、犬を追って盲目の少女が線路に入り、汽車が近づく。そこをお竜が助ける。 誰の目線なのか?というくらいの極端なローアングル。 タイトルバックの後、お竜が仁義を切るシーンは正面でなく真横から。 このシーン以外でもお竜がお参りをする場面等々、とにかく人物の顔を真横から映すことが多く、シネマスコープを意識した

緋牡丹博徒 お命戴きます(1971)◆シリーズ7作目◆

緋牡丹博徒 お命戴きます(1971、東映、93分) ●監督:加藤泰 ●出演:藤純子、若山富三郎、大木実、待田京介、内田朝雄、諸角啓二郎、上岡紀美子、沢淑子、沼田曜一、汐路章、名和広、嵐寛寿郎、石山健二郎、河津清三郎、鶴田浩二 三角マーク波ザブーンからの水面スレスレに小舟が岸に着くところから映画はスタート。 ちょうどそこでイカサマした男をヤクザたちが闇討ちにかかるところ。 巻き添えを食らうように斬りかかられた笠から覗く、片目がキラリ。 お竜登場である。 助けた男から姐