エッセイ : 僕の身の周りの高齢化問題 7 / 高齢者の恋愛事情(生涯未婚者の増加と恋愛対象年齢の高齢化の問題)
生涯未婚者という言葉を聞いたことがあると思いますが、現在生涯未婚者の数は3200万人以上と言われています。
現在生涯未婚率は、男性が約25%女性が約19%弱です。
生涯未婚者とは一生一度も結婚出来ない人を意味します。
定義としては50歳までに一度も結婚出来なかった人は、一生結婚することは不可能でしょう、とみなされ生涯未婚者にカウントされることになります。
そういう方が既に日本に男女合わせて3200万人以上いるということです。
そして女性よりも男性の方が多い、ということです
しかも所謂結婚相談所に行っても、50歳までに、
離婚した、とか、奥さんに先立たれたみたいに一度でも結婚した経験があれば良いのですが、50歳までに一度も結婚しなかった人は、あなたには結婚する才能もスキルもないことになりますので諦めてください、みたいに門前払いされこともあるそうです
僕は61歳ですが、僕の高校までの友人のなかに、
一度も結婚したことのない男は5人います。これは僕が知っているだけの数です。
大学時代の友人の中にも2人います。
彼等は結婚する意志がないのではありません。1人だけ実業家として成功して独身貴族を謳歌している人がいますが、それ以外の人達は結婚する意志はあったのに出来なかったのです。
僕の娘たちは既に結婚していますが、僕は自分の周りの人たちから変わった父親みたいに言われていました。父親というのは娘に彼が出来ると心配するそうですが、僕は自分の娘たちが二十歳を過ぎても男っ気が全然なかったら、どうしようと心配していたからです。
奥さんから内緒で東京で大学に通う娘たちに彼がいると聞いて、良かった、と思って安心しました。
しかも奥さんのスマホで娘たちの彼の写真を見たのですが、何と2人ともイケメン君。
娘たちよ、よくやった、と思いました。
ところが嬉しそうにしている僕を見て、奥さんは、
えっ? という顔をしていました。
挙句の果てに、娘が結婚する前に、彼と2人で海外旅行に行きたいと言ったので、僕が、どうぞどうぞみたいに答えると、お父さんは娘が心配じゃないんですか! と娘にブチ切られてしまいました。
ですが、僕も奥さんと結婚する前、2人で泊りがけで旅行に行きました。
世のお父さんお母さんは、自分が若い頃やっていたことを思い出すべきです。自分の子どもにいろいろ言える立場ではないと思いますよ。
娘たちが大学を卒業すると、何処で調べたのか分かりませんが、結婚相談所から頻繁に電話がかかって来るようになりました。
いい人がいるんですが、娘さんにいかがですか?
というものでした。
その度、娘には彼がいますから、と断っていたのですが、会うだけ会ってみませんか? と余りにもしつこい、しかも相手の男性は1番若くて34歳、45歳という人もいた。ナメんなよ、となって、その結婚相談所に行って断って来ました。
その時のその結婚相談所の責任者の50代の女性の話を書きます。今、そうなっているのか、と思いました。
その前に僕は、今後結婚相談所からの連絡はなしにしてください、という約束をしてもらいました。
その女性はそれまでのことをきちんと謝ってくれて
承諾してくれましたが、それだけ今、必死になって結婚しようと思っている男性がいることを理解して欲しいと言われました。今結婚難なのは男性の方だと言いました。しかも男性は、自分に合った人を探そうとしている女性とは逆に、40歳を過ぎても、
20代の女性と結婚したい等と現実とかけ離れたことまで言うそうです。
〈結婚相談所の女性の話〉
鈴原さんは生涯未婚者のことをご存知なので説明を省きます。現在その数、男女合わせて3200万人以上で男性の比率の方が高いです。
ただ今の女性は結婚に当たって、そんなに法外な条件を出している訳ではありません。ですが、それがクリア出来ない男性が多いんです。
鈴原さんのお若い時の女性の理想の男性は3高でした。背が高くて、高学歴、高収入です。
ところが今の若い女性の理想の男性は3低もしくは
3平と言われています。
3低とは
低リスク : 公務員の様な安定した職業の人
低依存 : 家事が出来、自分への依存度が低い
低姿勢 : 亭主関白ではなく、お友だちのような関係でいられる人
3平とは
平等 : お互いの立場は平等である
平均 : 収入は世の中の平均でいい
平穏 : 浮気やギャンブルをしない
確かに今でも玉の輿に乗りたいという女性はいますが少数派です。
今の女性は、そんなに法外な条件を出していませんでしょう? でも、この条件をクリア出来ない男性が多いんですよ。
女性の求める男性の理想像が変わってしまったのは
女性の社会進出が進み男女平等の社会に向かって進んでいるのが原因です。
男性と違い、女性は自分の好きな仕事あるいは職種に就いていることが多い。だから、一生働き続けるつもりでいます。男性と同じ位収入を得られる様になった反面、男性と同じ様に残業、休日出勤をこなし、仕事上や人間関係でストレスを感じる様になった。仕事で疲れ果てて帰って来て、旦那さんの分の食事を作り、その他の家事もこなし、挙句の果てに亭主関白の旦那さんに気を使っていたら身が保ちません。
女性からすれば家事は分担して欲しい、残業で自分の方が帰りが遅くなる場合は、旦那さんに、今は、パートナーと言いますが、自分の分の夕食を作っておいてもらいたい。そして、家のなかでは何の気も使わず、ゆっくり身も心も休ませたい。ということなんです。
鈴原さんがお若い時は、稼ぎが良くて年収が高ければ、黙っていても縁談話が舞い込んで来るみたいな時代でした。この時代は医者というのは人気NO1だったんです。今も医者のお嫁さんになりたいという女性もいますが、少数派で、むしろ今は医者の方々は結婚難になっています。いくらお金を持っていても医者とだけは結婚したくない、という女性までいます。また、医者と結婚しても別れてしまう女性も多いんです。何故だと思いますか?
それは何か逆らうと、俺は医者だぞ! と言って終わりにされてしまい、何でも言うことをきかなくてはいけないからなんです。確かに社会的地位の高い職業ではあるのですが、今の女性が求める理想の男性とはかけ離れてしまっているんです。
ところが一方で、女性はそんなに法外なことを言ってないのですが、まず収入の問題です。結婚相手が年収1000万円でなくても、今の女性の収入は男性並みにありますから、夫婦の収入を合わせれば、1000万円になり、そういう生活も可能です。
逆にパートナーの収入の方が極端に多ければ平等ではいられません。パートナーに家事も子育ても下手をすれば親の面倒も全部お前がやれと言われてしまいます。ですが、世の中の平均で良いと言っても、
自分よりは収入が多くあって欲しいというのが女性の本音です。
ところが、女性の勤めている会社や職種によっては
自分よりも収入の多い女性も少なくありません。
鈴原さんの頃は、社会全般的に女性の方が収入が少なかったのですが、今は違います。
男性は自分よりも収入の多い女性とは結婚出来なくなります。
家事の分担制についてですが、今の高校生の男の子から20代の若い男性は、世の中の当然の流れみたいに理解している人が多いのですが、30代以上の男性は、この考えを受け入れられない人が多いんですね。
そして、今の結婚出来ない男性の女性からの条件で1番難関なのが、実は、心に余裕のある人という条件なんです。
鈴原さんのお若い頃は、優しい男性が求められました。今は心に余裕のある男性が求められています。
当たり前のことですが、お金がなければ心に余裕を持つことは出来ません。更に、言葉は悪いのですが
女性慣れしていない男性が、女性に対して心に余裕を持つことは不可能です
結婚相談所に来る男性で恋愛経験豊富な方は少ないです、むしろ逆です。だから結婚相談所に来るのですから。
だから相手の女性を紹介しても、よほど相手の女性とフィーリングが合わない限り、初デートでかなり緊張してしまうわけですから、それでダメになってしまう場合が多いんです。
パートナーと離婚したとか、パートナーを病気で亡くされた方というのは紹介しやすいですし、上手くいく場合が多いんです。
50歳まで一度も結婚出来なかった方は、失礼だとは思いますが、結婚する才能もスキルもないと判断させて頂き、お断りさせて頂いています。
昨年のことだが、コンビニに行きレジの所に行くと
70代位の男の人が、レジ係の30代後半位の奥さんに一緒にお昼を食べに行こうと誘っていた。
その奥さんは困っていた。会計が済んでも、レジの所でその奥さんを食事に誘い続けていたので、
僕はレジの所に行って、アメリカンドッグ1つくださいと言った。
するとそのレジの女性は、助かった、という顔をして、アメリカンドッグお1つですね、と言ってその男の人から離れた。
その男の人は、チッ! と言って店から出て行った。
その女性は、ありがとうございました、助かりました、と言った。
コンビニから出て車のところまで来ると、その男の人が凄い怖い目で睨みつけていた。僕は高校は男子校だったので、こういうのは慣れているので、
思いっきり睨み返したら行ってしまった。
今から2年ほど前だが、奥さんがコンビニでレジの順番を待っていると、奥さんの前で待っていたやはり70代の男の人が何回も振り返って奥さんを見ていた。奥さんは何だろう? と思っていた。
会計を済ませコンビニの外に出ると、その男の人に
旨い蕎麦屋があるから一緒に食べに行こうとしつこく誘われた。奥さんは、私は蕎麦アレルギーですから! と言ってその場から去った。
僕は自分の奥さんを自慢しているわけではありません。僕の友人知人の奥さんにも、こういう経験をされた方々がいます。
いい歳をして、と思うと思いますが、もしこの男の人達が一度も結婚したことのない人達だったとしたら、まだ結婚や恋愛に未練がありナンパしたとも考えられます。1人や2人ではありませんから。
70代の男の人達からすれば、50代の女性は若い女性です。ましてや、僕がコンビニで遭遇したレジの30代後半の女性はかなり若い女性ということになります。
こういう例は、これから増えて来ると思いますし、社会問題化するかもしれないと思います。
女性の皆さんは、自分はもう50過ぎたから大丈夫みたいに思わない方がいいと思います。
これからは、女性の皆さんはいくつになっても、
気をつけていなくてはならなくなるかもしれないと思います。
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