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「ごめんね」「ゆるしてあげる」劇場の先へ

 ◯これはいつから定番の解決方法となったのか。
 
 ◯どこかでマニュアルが作られたものなのか。
 
 子ども同士のトラブルは、いつの世も毎日起こってきたのだから、スッキリさっぱりする解決法があってもよさそうなのに。

「ごめんね」「ゆるしてあげる」

 これが、モヤモヤを払拭できる明快な手法とはなっていない現実を多々見てきた。

 ①なにかトラブルが起きる。
 ②相方の事実確認を行う。
 ③時系列で事実をまとめる。
 ④やった事実、やられた事実を明らかにする。
 
 

やった側→「ごめんなさい」

やられた側→「ゆるしてあげる」
    「今度からしないでね」


 
 定型のワードがインプットされていて、この型を展開するのが子どもたちのミニ劇場に見える。

 

「ごめんね」


…(本当は納得してない。本当は謝りたくない。)

「ゆるしてあげる」


…(謝られたらゆるさないといけないんだよね。本当はゆるしたくない)

 ここで、よもや

「あやまらない」


「ゆるさない」

 となったら、シナリオ通りにならないので、また話し合いは続く。2ターン目に突入。(展開は同じ)

 そして、最後には、定型のセリフで完結する。
「はい、おしまい」
「じゃあ、二人とも仲良くね」

 「ごめんね」「ゆるしてあげる」劇場は、当事者の感情を置き去りにして終わることがある。
 実は、問題を引き起こす背景や構造上の問題があったとしても、根本的な部分には触れられないまま、判決を言い渡されサッサと収束してしまうこともある。

 「どうしたの?」
 声をかけると、子どもたちは自動的に話し出す。

 「◯◯さんがどうした」
 「♡♡さんがどうした」

「言いたい気持ちは分かったよ」
「じゃあさ、また同じことが起きたとしたら、次は自分がどうすればいいと思うかを教えて」

 ◯過去に起きたこと
  →未来でやりたいこと

 ◯相手のこと
  →自分のこと

 問いかけを変えると、考える中身がはっきりと切り替わった表情を見せてくれる。他人事から自分事になった瞬間、顔つきが変わる。イライラをぶつけたい気持ちがスッと消えたみたいな、穏やかな顔になる。

「口ではあやまったけど、本当は言いたくなかったよね」

「まだ、ゆるせないよね。いつかゆるせる時が来たらいいね」

 そんな声がけで終わる時もある。モヤモヤを抱えながら過ごす時間も大切な気がしている。
 
 当事者なのに、実は当事者意識になっていないこともある。本当に解決したいのではなく、相手を責めるのを目的にした話し合いは………終わらない💦

 「◯◯さんが〜してきました」
(私は被害者なんです。◯◯さんを叱って下さい)

 言葉の裏にあるメッセージに対して、
被害者意識を増長しないよう心がけている。

 

心理学用語にある

    「ゲーム」


 子どもたちがしかけてくる「ゲーム」に乗らないようにしよう。
 
 
 

 

 

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