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『光る君へ』第十九話『放たれた矢』のネタバレを含む感想

先週は本業の方でちょっと忙しくなってしまい、ドラマ感想をまとめるのが遅くなってしまいました
例によって、ドラマ内のエピソードを箇条書きにした上で感想を書きますが、これまでよりはあっさり目の記事になります


エピソード箇条書き

一、道長は公卿のトップの官位、右大臣(+内覧)となる
帝は道長と初めて為政者同士として語り合い、道長が陣定(国会会議)に出て公卿とともに政治を論じたいと考えている事を知る、そのために関白の座には就きたくないとも 急にやる気出してきた道長

二、惟規が借りてきてくれた『新楽府』を黙々と写しているまひろ 借りられて良かった、いい弟
そんなまひろの様子に、それより良い婿を向かえられませ! 今さらのように懲りずに言ういとさん
そこへ乙丸が、肥前へ移り住んださわさんからの文を届けてくれる さわさんは婿を迎えたらしい いい人だといいな

三、蔵人頭の源俊賢と藤原斉信が、帝の地方の租税を軽くしたいとの考えを道長に伝える
道長は当然のように賛成し嬉しそうにするが、斉信は陣定が大荒れになると心配する
案の定、伊周と隆家は道長に猛反発する
下々の者共は甘やかすと付け上がる、と不遜な態度
陣定が閉会すると道長へ直接絡み、暴力行為を働こうとするが、道長は軽くいなして相手にしない

四、除目(宮中の人事)を考えている道長のところへ、今や土御門邸で同居している女院である詮子がやって来て除目への口出しをしようとする
しかし道長は、それをすると兄(道隆)と同じになってしまう、と取り合わない
「でも私も付き合いがあるのよね~」「なりません」「はい」
詮子さまかわいい そして「融通の効かないところが素晴らしいわ」と道長を誉める

五、「そんな面白いことがあったのか!」と、道長に対して醜態を演じた伊周の事を噂する、実資と道綱
「内大臣さまがあまりに無様で…」と気の毒がりながらも楽しそう

「そんな面白いことがあったのか!」

一方久々に、道長、公任、斉信、行成が酒を酌み交わしている
公任は次の除目では自分を昇進させる必要はない、ただの参議のままでよい、道長と争う気にはなれない、陣定での采配は見事だと道長を率直に誉め、またその治世のために行成を使うよう進言する
行成はその書の優れた腕により、宮中の女性たちと繋がりを持っているため、公卿たちの情報を集めることができるとのこと
翌日、さっそく行成は様々な情報を一晩で集めて、流麗な筆跡の文書にしたためて道長に提出する
「お読みになったら焼き捨ててくださいませ」と行成は言うが、道長は「お主と違って一回読んだだけでは覚えられん」と素直に言う
そこで行成は、道長に日記をつけることを提案するのだった(それでも面倒くさそう)
それが後の世の『御堂関白記』となるようだ

六、小麻呂が道長の居室の前におり、抱き上げようとした倫子から逃げてしまうが、倫子はそれで道長の日記を見てしまう あまり興味はなさそうな倫子だけど、でもその真意は読めない
除目では実資と俊賢が昇進し、行成は蔵人頭(帝の近習)となる
俊賢は道長の密命を受け、参内しなくなってしまった伊周と隆家を上手くおだてる
道長としては、内大臣である伊周をないがしろにしていると思われるのは具合が悪い、俊賢なかなかやる 

一方、倫子は母より「大臣の妻としての心得」を伝授される
①健康であること ②子供のことで心配をかけないこと
ふたりとも、道長を夫として娘婿として推してる雰囲気をひしひしと感じる会話
そして今は亡き左大臣の父の思い出話もする

七、伊周と隆家は無事に参内し、新たな陣定が行われる
若狭に漂着した宋人の話
為時は除目へ向けての申文(希望官職への嘆願書)を書いている
ききょうはまた、まひろの元を訪ねている
右大臣様(道長)は租税の免除や宋人への対応など、なかなかの手腕を発揮していると、ききょうは絶賛するが、まひろはソワソワしてしまう
科挙のような身分の低い者も登用の機会が与えられる制度を、帝と右大臣さまに作って頂きたいと、ききょうに話す
ききょうはそんな異端の思想を持つまひろにややドン引きしてないこともないが、話の流れで、まひろを中宮さまの登華殿へ案内できるよう打診すると約束する

きらびやかな女房装束に身をつつんだまひろが、ききょうに先導され、内裏の道を登華殿へ向かうが、途中、嫌がらせの鋲を踏んでしまう
ききょうは毎日のように、こんな嫌がらせがある、しかし中宮さまが笑っていらっしゃれば嫌なことなどすべて吹き飛んでしまうのだ、と嫌がらせ犯に聞こえるように大声で言う
参上したまひろに定子は「少納言が心酔する友だそうだな」などと言い、まひろは動揺する
さらにそこへ帝本人も現れ、「急に会いたくなった」と定子に告げてその手を取り、隣室へとふたりで消えてしまう
どうしたのだろう? と不思議がるまひろに、ききょうはそっと「お二人は尊い役目を担っているのですわ」と子作りに励んでいるのだと言外に伝える
すごく神妙な顔になるまひろ

その後、直答をするかたちで帝と会話をするまひろ
恐縮しつつも帝に促され科挙の話をし、すべての人が身分の壁を越えられる世は素晴らしいと訴える
「我が国もそのような体制が整えばと夢見ておりました」
「そなたは『新楽府』を読んだのか?」
まひろは『新楽府』の一説を諳じ、帝はそれに応える
当時の貴族としては、相当な異端の思想の持ち主と言えるまひろだが、一条帝の気には召したようだった
そこへ伊周と隆家がやってくる せっかくの楽しい政治の話だったのに…という雰囲気
絡まれる前に早々に退出するまひろとききょう
伊周はまた、帝に早く皇子をとせっつくことを言う
「伊周はそれしか言わぬのだな」

八、まひろは申文を書いている父為時に、思いきって越前守への任官を願い出るべき! と進言する
一方、斉信の妹の光子のところへ忍んで来ている伊周
道長は帝より、まひろと会って政治を語った話を聞かされる
「あの者が男であったなら登用してみたいと思った」
道長はすぐに為時の申文を探し出し、為時を昇進させる

九、斉信のもう一人の妹のところへ誰かが忍んで来ているのだが、その豪奢な一行の様子を見た伊周は、自分は光子に捨てられ乗り換えられたと勘違いし、隆家の前でめそめそ泣く
そんな兄に隆家は、そいつを脅かしてやろうと弓を持って出かけてしまい、イキった若者の悪ふざけのように、斉信の邸から出てきた高貴そうな人影に矢を射てしまう
その人は花山院だった

難癖と感想と妄想

この回冒頭での道長と帝との会話シーンでは、定子もその場に居たのですが、会話を聞くと兄や父より、道長は政治家としてまともだと感じてしまったように見えました 辛いなあ
しかもそのすぐあとの陣定での伊周が醜態を晒したこともあり、余計伊周だめなやつの印象を重ねすぎていてやり過ぎじゃないかなあと、今回もモヤモヤします
伊周は租税を減免する事に反対してましたが、それだって一理ありますよね
減った分の財源の確保ってどうなってんのか、支出を抑える算段はついているのか気になります
税を低くするのはいいけど、それで国家の運営が立ち行かなくなったら、元も子もないのでは?

行成の公卿秘密メモはワクワクしました
現代に残っていたら国宝になるやつを燃やせとは! やるな行成さん

まひろが帝と『新楽府』について語り合うシーンは、無官の家の娘が内裏に参内して帝と直接会話するのは、やはり相当に違和感はあります
しかし、一条帝が官位の低い者や無い者とも分け隔てなく話し、聞く耳を持つことの演出になっているし、『新楽府』を読んでいる同士の絆のようなものすらあり、それは親しみやすくて好ましい
好きな書物が共通していたら嬉しくなる、それは痛いほど分かる、だからこのシーンは好きです
ただ本来は、大陸の思想家の漢文から政治論を学んで語りあうのは、伊周と帝は出来ていたはずなんですよね、帝が漢文を習ったのは伊周からだったはずだし、何なら伊周が『新楽府』を帝に教授していてもおかしくない
それがまひろと帝の会話になってしまったのは、モヤモヤするし、定子さまが複雑な辛いお顔をされていたのって、本来は政治論を語るのは兄とであったはず、そうであって欲しかったと悲しいのではと勘ぐってしまうのです
あと、「少納言の無二の友」とまひろを認識してたのも気になります
ききょうはずいぶんと、定子さまにまひろの事を推して誉めて伝えていたようで、それも定子さまとしては面白くなかったのでは?
だって、定子さまとききょうはあくまで主と女房ですから、対等に語り合う友というポジションにはなれない、まひろはなれる、私の少納言なのに! ってちょっとヤキモチも焼いてたのでは?
(と、妄想すると自分は萌えるんですが)
まひろに伊周がすべき事を奪われて、一条帝もまひろの政治の思想に共感と関心を示し、ききょうの無二の友、となると心中穏やかではいられなかったのでは?
でも、ひょっとしたらききょうは、まひろを同僚の女房に推挙したかったのかなと思えてきました
まひろの事を相当に買ってるし、一緒にお仕えできたら楽しい…なんて思ってたとしたら
まひろとききょうの組み合わせが、よりときめくものに思えてきます
しかし、『紫式部日記』の清少納言への悪口ってどう処理するんだろう、もうこんなに仲がいいのに
前回の記事に書いてしまった枕草子捏造説に続き、清少納言悪口も捏造だったりするんだろうか
勝手に書き加えられた日記が流布されてしまって絶望するまひろなんか観たくないなあ(これも妄想ですが)

という訳で今回は短めに終わります
こちらは恒例のメモですが、二枚だけです

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