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「のの展。」の終幕と展示までの一年の軌道

僕がカメラマンとして初めて出展した写真展、ポートレートモデルの椿姫ののさん(@ash050927)の個展「のの展。」が17日(日)、5日間の日程を無事終えました。
期間中、大きなトラブル等無く大勢の方々にご来場頂けたこと、関係者の一人として御礼申し上げます。
また、これまでSNSで繋がってはいたものの初めてお会い出来た方や、新たに御縁を持つことが出来た方等、多くの出会いがあったことにも感謝申し上げます。

さて、ここではSNSで書き切れないことや17日深夜にX(旧Twitter)で呟いた取り急ぎの報告の詳細、椿姫ののさんとの出会い、ポトレ1年目から2年目へ移る境地など、ダラダラと書き綴っていきます。

※1 最初に申し上げますが、備忘録の側面が強いため、長文で纏まりがありません。とても読み辛いですがご了承下さい。
※2 写真については盗作防止のため、クレジット(僕のXアカウント)を入れています。


◯ただのカメラ趣味人、ポトレ1年生になる


何かで書いた覚えがあるような無いような序章…。
丁度一年前に大学時代のソウルメイトが結婚式を挙げた時、彼と奥さまからご指名を頂いたので披露宴を撮影させて頂きました。
この時、「人を撮るのって難しいな、少し自分の知らない世界を勉強しよう」と決意。
挙式翌週、とある撮影会へ参加し人生初、女の子と1対1で撮影を行いました。(詳細ですが、今回は関係ない為省きます。)
とは言え、これまでポトレ撮影などしたこと無く、加えて陰キャコミュ障なので技術が無い上に指示すら分からず、ほろ苦いデビュー戦となりました。
モデルさんは喜んでくれたものの、これではいけないと思い、年明けに「カメラの教室」を受講し、講師の先生からイロハを教えて頂きました。
その後1ヶ月の間、土日何れかは撮影会へ申し込み、色々なモデルさんを撮影させて頂き、実戦あるのみのスタンスで今日までやってきた次第です。

…そして今年の2月18日、この度の展示会へ繋がる出会いがありました…。


◯ポトレ1年生、椿姫ののと巡り会う

ポトレを始めて早2ヶ月、この間に写真界隈のSNSをフォローしたりされたりで過ぎていく中でこの度の主役、椿姫ののさんにもフォローして頂き、参加される撮影会の予約も行いました。
2月18日、場所は港区の東京タワーや増上寺周辺。
第一印象は、「キリッとした美人さんだなぁ」と言う感じで、陰キャコミュ障の僕としては若干身構えました。
ですが実際話してみると、とてもフレンドリーで「どっかで会ってましたっけ」という印象を持つくらい話しやすく、そして撮影者への気遣いが上手なモデルさんでした。
(※それより驚いたのはののさんの洞察力、ノーヒントで自分の職業を彼女に言い当てられた時は、まぁビビりましたね。笑)
当時撮影経験が少ないながらも、「この女性(ひと)、既成概念に囚われないんだな」と思うと共に、そのお陰で屋外初実戦(写真教室は練習なので除外)ながら納得いく写真を数多く残せました。

何れもCanon EOS 90D + EF-S18-135 IS USMで撮影してます。

なおその後ですが、3月(多摩川沿いの桜)と5月(鎌倉の古民家スタジオ)にも撮影させて頂く事になります。
ここでは展示会へ出展した代表作を2つ載せます。
何れもののさんのお気に入りみたいです。

多摩川沿いの桜

↑この時は生憎の雨模様でしたが、お互いそれをものともせず、時には傘を投げ出して撮影に熱中してました。(笑)
(今思うとモデルさんの体調を顧みないヤベーカメラマンだったのではと思ってます…、ののさんだからこそ許して貰えました。)

鎌倉の古民家スタジオ

↑五月晴れの快晴で、セーラー服姿がとても初々しかったです。
(なおこの時、僕は作務衣を来て撮影に来た為、ののさんには「今日いる誰よりも馴染んでる(笑)」と言われ、また先日の展示会でも当時参加していたモデルさんから「あの時、僧侶みたいな格好してた方ですか!?」と思い出される始末でした。)

そんなこんなで撮影を始めて半年が経つ頃、ののさんよりとある誘いを受ける事となります…。


◯ポトレ1年生、写真展に誘われる


5月の撮影終了間際で、「夏にリクエスト撮影お願いできますか?」と訪ねたところ、ふたつ返事で了承頂けた為、その計画を練っていた6月。
ののさんから「私の個展に出展しませんか?」とお誘いを受ける事になります。
これを受けた時、正直な僕の心境ですが…、
「えっ!?Σ(゜Д゜)」
でしたね。(笑)
何せ展示会なんて出展はおろか、見に行くことも殆どしていなかったので、何からしたらよいのか全くわかりませんでした。
しかしそこは挑戦(と美女からのお誘い)と言う事で、浅学非才の身ではありましたが、お受けする事にしました。
結果的には人脈を広げることに繋がっていますが、Zoomでの事前ミーティングは先輩方の話しをただただ聞いていただけで、内心怖じ気付いていたのは懐かしい思い出です。
こうしてド素人ながら半年後に出展を決めた訳ですが、その為にもリクエスト撮影を成功させねばという焦燥感にも駆られていた僕でした。

◯ポトレ1年生、リクエスト撮影をする
出展するからには題材集めは必須。
当初の計画通り、真夏の横須賀でののさんを撮影する運びとなりました。
またリク撮の少し前には新たなカメラ(FUJIFILM X-S10)も追加配備しました。

迎えた7月17日「海の日」、京急線横須賀中央駅で待ち合わせし、どぶ板通り → 横須賀軍港めぐり → ヴェルニー公園とメジャースポットを巡って撮影。
先ずはCanon EOS 90Dで撮影した写真です。

どぶ板通りの裏路地
どぶ板通り
ヴェルニー公園
ヴェルニー公園
ヴェルニー公園

続いてFUJIFILM X-S10で撮影した写真です。

どぶ板通り
どぶ板通りの裏路地の階段
軍港めぐりの遊覧船上

CanonとFUJIFILM、ふたつのカメラの持ち味を発揮させてくれたののさん。
山口百恵の『横須賀ストーリー』を思わず口ずさんでしまいそうなくらい、真夏の横須賀で存在感を出していました。

こうして題材集めは順調でしたが、実はこの時期仕事とプライベートでのしくじりが重なり、心身的には不調気味、出展を辞めようかまで考えるほど追い込まれていました。
そして一ヶ月ほどポートレート撮影は休止、このリク撮編集もあろうことか完成までに2ヶ月掛かる事となります。
そしてののさんを次に撮影するのは、展示会まで残り2ヶ月となる10月中旬となってしまいました。


◯ポトレ1年生、銃口を突き付けられる


不調を挟んだため、もう一つくらい題材は欲しいものの、リク撮するには予算と時間がないという状況で幸運にも撮影会があり、参加を決意。
ののさんも「ハロウィンなのでバニーガール衣装着ます!」と告示していたため、「ここは少し趣味に走ってみよう」と考えます。
そして当日、リボルバーのエアガンを持ってもらい、武装バニーガールを実現!
以下その時の写真です。

Canon EOS 90D + EF-S18-135 IS USM + SP470EXAI
FUJIFILM X-S10 + XF35mm F1.4 R
FUJIFILM X-S10 + XF35mm F1.4 R
FUJIFILM X-S10 + XF35mm F1.4 R
FUJIFILM X-S10 + XF35mm F1.4 R

※危険なアングルが多いですが、あくまでも撮影のためだけであり、BB弾すらも装填していません。また撮影者は20代の頃、前職のとある組織にて然るべき訓練を受けた者で銃口を向けられても気にしないですし、モデルさんとの信頼関係を含めて、安全面に最大限考慮し撮影してます。実際では推奨されない行為ですので、真似しないで下さい。

才色兼備」って言葉がピッタリだなって、今でも思います。
バニーガールという艷やかさと、リボルバーを構えることで生み出される凶暴さ、二律背反する存在を違和感なく両立させたののさんはやっぱり凄い!

そんなこんなで展示会用の素材が集まり、決戦に備えることになりました。

◯ポトレ1年生、展示作品を作成する
展示とは一口に言っても、飾り方は色々。
特に今回はピンや吊り下げが推奨されていたので、何度か写真展に通い、様々な作例を見て来ました。
またネットでも展示に関する記事を調べ、初心者の自分に合うモノを探しました。
取り敢えず今回は、ヨドバシカメラでスチレンボードを買い、A4を2枚とL版12枚を作成しました。
普段やらない作業ですので、白手袋を着けカッターを慎重に扱いながら進めました。
後々聞くと業者にも頼めるとのことでしたが、やはり自分の作品くらい自分で作りたいという思いと、頼むには少し機を失していたので、手作り感満載ながら展示会直前まで作業してました。
(展示風景は後ほど掲載します。)


◯ポトレ1年生、準備のため上野に出立


時は12月12日、搬入作業当日です。
この日は仕事でしたが午後から時間休を頂き、夕方から上野に向かいました。
入谷口から特段迷うこと無くスタジオへは迎えましたが、内心は会ったこと無い方々に対し、とても緊張してたと思います。
とは言えスタジオ到着後は、ののさんや先輩方から温かく迎えて頂けました。
飾り付けの最中も積極的に話し掛けてくれたので、正直緊張していたのが馬鹿馬鹿しく感じるまでになりました。
聞けば何人かは僕と同じく展示は初めてと言うことで、驚くと共に親近感まで覚えました。

無事に作品設置も終わり、アルバムや感想ノートもダメ元ながら置いてみたりとやれることはやり、あとは本番を残すのみ。
在廊出来なかった平日、仕事中の記憶が殆どないくらい四六時中展示のことを考えていました。

序なのでこの展示で僕が密かにテーマにしていたことがあります。
それは『変化』、『孫氏の兵法』に書かている風林火山の一節をいじった文面を作品の横に貼っていましたので、紹介します。

その儚きこと桜の如く、
 煌煌たること向日葵の如く、
 妖艶なこと曼珠沙華の如く、
 高尚なこと椿の如し。

ののさんを撮影していて感じたことを、季節の花に例えて表現しました。
どのような環境でもその時々に合わせた姿を瞬時に見せてくれること、いくら本職のモデルさんと雖も並大抵ではないと(勝手に)思ってます。
数ある一瞬の勝負全てに全力投球されるののさんを撮影してたからこそ、此方も全身全霊で応える。
誰にも語りませんでしたが、以上が僕のスタンスです。

僕の展示スペースです。
このような感じで展示してました。


◯ポトレ1年生、会期中に2年生になる

(※以後「ポトレ2年生」と表記)
ちょっとした小話、出展していた土日でポートレート撮影を始めて一年が経ちました。
始めた時は展示会に出展するなんて全く考えてなかったので、貴重な経験が出来たと思ってます。


◯ポトレ2年生、期間中のあれこれ


一応、15日夜から17日終了までの2日ちょっと在廊してました。
この間の出来事を各日にちごと綴ります。

・12/15
この日は仕事終わりで上野に移動、19時45分頃から在廊してました。
人生初、写真展での在廊でしたが陰キャコミュ障の僕にはとてもハードプレイでした。
見ている人に話し掛けるべきか、何処かで大人しくしているべきかと最後まで悩んでいました。(結局期間中、ずっと悩み続け結論は出ず…。)
取り敢えず目立たないようにしようと心掛けた結果、「何ステルス性能発揮してるんですか!(笑)」とののさんから言われる始末…。
在廊一日目はこれでは終わりました。
因みに嬉しかったことがあります、置いていった感想ノートに何人か所見を書いて頂けたことです。
先輩方に比べたら未熟者の作品へ、「色々な姿があって良い!」や「リアル感が伝わる」など有り難いコメントを寄せて頂き、感謝申し上げます!
皆さまから応援を背に、これからも直向きな撮影を続けます!

・12/16
土曜日だったので、会場入りは10時30分頃。
この日は主に、ののさんのお試し撮影のタイムキーパーとして動くことが多かったです。
タイムキーパーをしていて感じたことですが、他人が撮影する姿をマジマジ見るっていう経験、実は無いんだなって感じました。
勿論ただ見ていたわけではなく、車両や人の通行具合やカメラマンさんのアングルにも配慮していた(つもり)なので、見れてない一面もあります。
しかしながら、他人の撮影を通し今の自分に足りない技術や見習うべき対応など、第三者だからこそ得られる体験ができて有意義でした。
なお開始時の掛け声を「始め!」と言っていたのですが、何人かのカメラマンさんに「競技の合図みたいです」と言われました。(恐らく剣道の試合で審判員が言う感じだったと思います、失礼しました…。)
あとこの日ですが、ぷるぷるさん(@plumo_pluplu)が来訪されました。
会場は一瞬のうちに撮影現場となり、ののさん筆頭にその場にいるカメラマンが一斉に彼女へ夢中でした。

ぷるぷるさんを撮影するののさん1
ぷるぷるさんを撮影するののさん2
貴重なツーショット

FUJIFILM X-S10 + XF35mm F1.4 Rにて撮影。

・12/17
最終日、前日に若干チリゴミが目立ったため会場の掃除をしたいなぁと思い9時30分頃に到着。
既に先輩が2人到着されていたので、準備の邪魔にならないように掃き掃除をしていたところ、手伝って頂くという結果に…、先輩方ありがとうございますと共に手伝わせてしまい申し訳ございませんでした。m( _ _ ;)m
開始から盛況ながら、この日もののさんからご指名頂きお試し撮影のタイムキーパー。
また少しですが、自分の展示を見て頂いた方にお話しもさせて頂く機会も得られました。
人と話すって陰キャコミュ障には結構重大決心なことですが、ある程度まで踏み込めるとその方との共通点を見いだせることもあるので、大変勉強になるってことがわかりました。
序に最終日ということで、ライカを使っていらっしゃる先輩にののさんと作品の前でツーショットを撮って貰いました。

※諸事情につき、顔出しはNGです。
(「誰も見たくない」って、ほっとけ…。)

そんなこんなで18時には無事閉展を迎え、ののさんに記念品を贈呈してから片付け → 近所で打ち上げとなりました。打ち上げの最中、先輩方の話しを聞いていると実は撮影会ですれ違っていたり、同じ日(ののさんは午前と午後で別の場所)に撮影してたりと共通点が多々ありました。そして楽しい時間は9時30分を以て終了、別れを惜しみながらも現場となりました。


◯ポトレ2年生、展示を終えて

搬入を含めて約6日間、とても早いものでした。
在廊できたのは15日(金)夜・16日(土)・17(日)だけでしたので、実際あの空間に居たのは3日もないです。何度も書きますが性分が陰キャコミュ障に付き、来場された方々ともまともにお話し出来なかったので、「コイツの作品コンセプト、何だろう?」と思った方も多いと思います。
それでも、多くの方が僕の拙い作品(腕がないだけです、モデルさんと使用機材に罪はありません)を見て、建設的な感想を書いて頂けたのがとても嬉しかったです。
またSNSでしか知らなかった方々と実際の場面でお会い出来たこと、展示を通して見知らぬ方々と新たに繋がりを持てたことは、とても貴重な出会いとなりました。

そして何より、「椿姫殿の13人」(※勝手に僕が言っているだけですw)こと志を同じくする諸先輩と時間を共有出来たことが何にも代え難い出会いでした。
先輩方と実際巡り会えたことで、情報収集・撮影・展示の仕方など沢山の事を学べましたし、SNSで投稿されていた写真にはその人のこういうところが反映されてたんだなと気付くことも出来ました。

茶の湯世界の「一期一会」や、國學者・本居宣長と賀茂真淵の出会い「松阪の一夜」の様に、実際出会えたのは今回だけだったという方も中にはいるかもしれません。
それでもアクションを起こして居なければ出会うことすらできていなかった訳ですから、何がきっかけになるかなんて分からないものです。

今回、二度とない貴重な経験をさせてくれた
椿姫ののさん、本当にありがとうございました!

次回がある時は、もっと勉強と実戦経験を積んで、再度召集して頂けるよう研鑽に励みます!

あとポトレ2年生の目標として、単焦点レンズをもう少し上手く使い熟せるようになりたいです。


お気に入りの2枚にサイン貰いました。

 令和5年12月22日  富嶽 駿海

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