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精索静脈瘤の手術をした話

↓手術の概要

2018年7月某日

僕は電車を乗り継ぎ、一人病院に向かっていた。
事前に血液検査などは済ませてあり、体調も良く身体的にも手術は問題なく行えるという状態である。

朝ごはんは軽めに、水分も朝8時半以降は摂らないようにしてくださいと言われていたので、その通りにした。
着替えや診察など前後の時間も含めると、9時半〜10時ごろに来院して13時ごろには病院を出るという感じだったと思う。
特に持ち物もなく、財布と携帯だけ持っていった。
日帰りの手術だし緊張や不安の類は一切感じておらず、いたって呑気にしていた。

病院につき受付を済ませるとまずは前室のようなところで手術着に着替えて、手術室に移動する。
ちなみに僕は今まで手術したこともなければ、入院したことすらない。
初めて着る手術着に軽く高揚し、ブラックジャックによろしくで見たことあるな〜と観光気分で手術室内や準備の様子を眺めていた。

アシスタントが大勢いるような手術でもないため先生と助手の看護師さんの2人体制である。
やや寂しくはあったが、そうこうしてるうちに術場を照らすライトがバシーと光り、手術器具がズラーっと並びオペが始まった。
うっすらとBGMが流れ始める室内。福山雅治だけど曲名がわからない。

手術デビュー・・・!とソワソワしていたのだが、「麻酔さしますね〜」という先生の声が耳に届いておらず、不意に陰嚢の横に局所麻酔の太い針がブッ刺さってきて遠足気分は宇宙の彼方へ吹き飛んでいった。
大人だから声は出さなかったけど、めっちゃ痛かった。
この痛みが自分を成長させてくれると言い聞かせてなんとか耐え凌ぎ、麻酔が効いてくるのを待った。
一応言っておくが泣いてはいない。大人だから。

あとはもう何やってるか見えないし感覚もないので、少し眠ったり、先生と軽く会話をしながら時が過ぎるのを待つだけである。
BGMは永遠に福山雅治が流れている。

術中は何をやってるのか自分からは見えないんだけれども、せっかくの機会なので自分の体が切り開かれている所が見たいなあと少し思った。
言わなかったけど、言えば見せてくれるのだろうか。よく知らないけれど規定などでダメなのかもしれない。

そんなこんなで無事手術は終わり、着替えを済ませ、軽い診察を受ける。
特に問題なく手術は完了したとの報告と、傷口は放っておくだけで抜糸などは必要ないこと、1週間は運動や飲酒は控えること、2週間後に経過を見ることが伝えられた。

会計時に抗生物質や痛み止めの薬をもらい、病院を後にする。会計は20万ちょっと。
なんだ別に普通じゃん、麻酔切れても痛みそんなに強くないし、と思いながら、病院を後にする。

時刻は13時を過ぎたあたり。
お腹が空いたので、近くのガストでお昼ご飯を食べた。

食べて、そろそろ帰るかという頃になって傷口の痛みが強くなってきた。
食後の薬は飲んだけど、痛い。麻酔切れるの今かよ。
あれ、結構痛いぞと腹部を抑えながら駅に向かい、痛みに悶えながら電車に乗り、新宿駅で痛みはピークに達し、ホームのベンチで10分ほどうずくまる男。

薬が効いてきて痛みのピークは過ぎたものの、いつも通りの速さで歩けず、最寄りの駅から通常は徒歩10分のところ30分くらいかけて歩いた。
タクシー使えよという話だが、日本のタクシーは世界的にみると非常に運賃が高いという理由で、僕は非常時以外使わないことにしている。
気温も高い日だったので、本気で死ぬかもしれないと思いながらもなんとか家につく事ができた。
(ちなみに、学習能力がないので翌年の3月の手術時にも全く同じ状況に陥り、再び走馬灯を見ることになる。)

家に帰ったあとは比較的痛みも収まり、ずっと寝て過ごした。
福山雅治の曲を漁ったことは言うまでもない。

翌日は出勤したけど、歩くだけで結構痛みがあったので、手術翌日だけは仕事は休んだほうがいいかもしれない。

傷口は0.5cm×2cmくらいのミミズ腫れみたいに盛りあがった。
通常は盛り上がった傷口も時間とともに平らになると言われていたが、自分の傷は盛りあがったまま今も治っていない。
手術の後に傷口を触って観察したりしたからかもしれない。
(絶対に真似しないでください。)

そして、無事に精索静脈瘤は綺麗さっぱりなくなったけど、2年たった今も精子は出ていない。(なんてこった)
ただ再発もしていないし、手術しなけりゃよかったと思ってもいない。

現在ハリ治療を行っているけれど、精索静脈瘤があっても精子が出るようになった方もいるらしい。
3回も手術する前にハリ治療行けばよかったと思わなくもないが、結果論なので仕方ない。
今も精子出てない以上、結果論も何もないけども。


時系列的には時間が飛ぶけれど、次回は現在も行っているハリ治療について書きます。

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