見出し画像

良質のインプットが良質のアウトプットを生む?

我が子たちを見ていると、しみじみと思うことがある。

それは、インプットしたものが、アウトプットとして出てくるということ。

シンプルな公式である。1+1=2と同じくらいシンプルである。でも、生きた材料を目の前にして、わたしはこのことを痛切に感じている。

どういうことかというと。

我が家はアメリカに住んでいる。子どもたちは日本人の親をもち、日本の文化に触れる機会を日常的に持ちながらも、圧倒的にアメリカ社会に浸かって生きている。

例えば言語。家の中では、わたしは日本語で、アメリカ人である夫は英語で子どもたちに話しかけることを、彼らが幼いころから徹底している。でも、家から一歩出れば、完全に英語の世界である。日本語を使うのは、わたしと話すときくらいで、それ以外のほぼすべての場面で、英語を使って生きている。

結果、子どもたちは、わたしが話す日本語を聞いて理解してはいるけれど、頭の中では英語で考えている。わたしとの会話の中でも、半分以上は英語で答えるようになっている。

食事についてはどうかというと、我が家ではわたしがご飯を作ることが多い。わたしと夫の料理する割合は、ざっと5対2くらいだろうか。わたしが作るときは、白米中心の日本の家庭料理である。なので、子どもたちは、アメリカにいながらも、半分以上和食で育っている。

結果、子どもたちは、パスタやピザも好きだけど、それ以上に白ご飯大好きっ子に育っている。まあ、子どもたちの舌に合っただけかもしれないが、とにかく、おにぎり、お茶漬け、ふりかけあたりがあれば必ずゴキゲンである。お味噌汁でねこまんまにしたり、お餅に砂糖醤油をつけてノリを巻いて食べたりするのが好物だ。日本にいくと、見た目とのギャップに驚かれたりする。つまり、中身(食)は純和風だね、と。

あともう一つ。子どもたちのダンスである。我が家では、限られた時間内で、子どもたちがネットフリックスやディズニーチャンネルで好きな番組を観ていいことになっている。歌や踊りの好きな彼らは、よくミュージカル風のドラマや映画を観ている。最近観ているのは、ディズニー映画の『ゾンビーズ』と『ディセンダント』シリーズ。

ここで出てくるダンスは、なんというジャンルになるのだろうか。ブレイクダンス?ヒップホップ?よくわからないが、とにかく全身をダイナミックに動かして、跳んだり跳ねたりするやつである。そして、その合間に、挑発的な顔やポーズをちょこちょこさしこんでくる。

この夏に日本へ帰ったときに、『ゾンビーズ』を見様見真似でコピーしたダンスを、家族やわたしの友人の前で披露したことが何度かあった。それを見た友人の一人が、こんなことを言った。

「日本の子どもは、こういう動きをしないよね」

確かに。刻むリズムや、体の動かし方が違うような。

そのとき、妙に納得したのである。やっぱりインプットしたものが、アウトプットとして出てくるんだなあと。

それはきっと子どもに限った話ではない。

大人だって、普段インプットしているものが、アウトプットするときのお手本になっているはずだ。我が子が、普段テレビで観ているダンスをまねてやってみるように、わたしたちだって、いままで読んできた文章が、こうして書くときの元手になっているに違いない。

言葉にしてみたら、至極当たり前だけど。

そう考えると、やっぱり普段からいいものに触れて、インプットしていくことが大事だと言えそうだ。とりあえず、子どもに見せる番組をよく吟味した方がいいような気がする。

(おわり)


読んでくださり、ありがとうございます。

《ほかにもこんな記事を書いています》


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?