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「月が綺麗ですね」ってわたしも言いたい
今日はなにを書こうかなあ、と思いながら、ふらふらとnoteを徘徊していると、イトーダーキさんのこの記事に出会いました。
教師だった漱石が「I love youを日本語に翻訳してみてください」と生徒に質問した。生徒は「我、あなたを愛す、です」と答えるので「それでは直接的すぎて奥ゆかしさがない。月が綺麗ですねとでも訳しましょう」と言ったとか言わないとか。
もう、めっちゃ粋やん。夏目漱石が言ったということになっているから、10倍増しで粋に聞こえているのかもしれないけど。
こういう翻訳好きだなあ。日本語の奥ゆかしさ。アメリカに来てから、できるだけ直球でコミュニケーションをはかっている身からすると、新鮮さが際立ちます。いいなあ。
イトーダーキさん流の「月が綺麗ですね」がまた楽しませてくれます。一つ一つのセリフから、物語が生まれそうです。というか、わたしの頭の中で生まれています。
「ちょっと歩きませんか」
「寒いからこれあげる」
「いま髪切ってきた」
「花火やってるよ」
「たぶんこの映画好きでしょ」
「これ週末買ったスカートなの」
個人的には「ちょっと歩きませんか」が佳作だろうと思っている。確定していないんだけどおそらく両想いの1番楽しい時期に「ちょっと歩きませんか?」って言われたら、胸がトクントクンだ。
わたしも「ちょっと歩きませんか」に一票です。確かに胸がトクントクンします。わたしだったら、歩く歩く!って食い気味に返事しそうになるのを懸命に抑えて、「はい」って静かに返事すると思います。いや、そんなこと聞かれてないけど。え、この想像楽しいな、おい。
付き合う・結婚する・子どもが生まれた後のバージョンがこちらだそうです。
「目玉焼き、きれいなほう食べな」
「こっちのほうが冷たいよ」
「暗いところで読んだら、目悪くするよ」
「ムリして行く必要なんてないよ」
「味噌汁の味、どう?」
「このキャラ、あなたにそっくりだね」
なるほど。心の内側に入ってからの寄り添い方という感じがします。
この中だと、わたしは「目玉焼き、きれいなほう食べな」が好きです。黄身がつぶれなかった方をくれたら、ちょっと大事にされた感があって嬉しくなります。しかも、それをさりげなくやってくれたらなお良いです。
よーし。では、わたしも勝手に参戦させてもらいます。
【両想いになりそうな2人バージョン】
「今度、蛍を見に行かない?」
「君と一緒にごはんを食べると、いつもよりちょっと美味しいのはなんでだろう」
「なんかあった?」
「次はいつ会える?」
「今から行ってもいい?」
すいません、最後の2つは完全に攻めてますね。日本的奥ゆかしさはどこいった?
【結婚後バージョン】
「前ほしいって言ってたやつ、買っといたよ」
「いつもありがとう」
「今夜、なに食べたい?」
「どうやったらできるか一緒に考えよう」
「君をこんな遠いところまで連れてきてごめん」
わたしの想像力に限界がきています。もっと無限に膨らませられると、自分を過信していました。疲れているからと信じたいです。少し実話が混じっていますが、それはご愛嬌ということで。
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