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【東京市場IPO⑥】承認銘柄の事業内容を軽く見てみる(5銘柄目)
23日目です。
さて今日も、東証新規上場承認銘柄の事業内容を軽く見てまいりましょう。
以前、このnoteのご覧いただく方のターゲットが定まっていないという話をしましたが、
「IPOに携わっていたポンコツ営業が、上場承認を実現した、企業のどこら辺を見ていたか」の参考になったら良いなと思っています。
また、IPOに参加するかどうか検討される方の一助になれば良いかなとも思っています。
(※全然明確には定まっていないです)
前提は以下noteをご参照ください。
本日は 株式会社セルムを見てまいりましょう。
ディスクレイマー
・当該記事は、投資の勧誘を目的とするものではありません。 ・一般に公開されている情報を元に、記載をしており、嘘を書いているつもりはありませんが、誤解等があった場合、追記修正する可能性もございます(情報に基づいて被ったいかなる損害についても、記載者は一切の責任を負いません) ・あくまで投資判断はご自身の判断でお願いいたします ・銘柄の良し悪しを断定する意図は一切ございません
さて、いつも通りやってまいります。
①概要
社名: 株式会社セルム
事業内容: 人材開発・組織開発事業
上場市場:JASDAQスタンダード
承認日:2021年3月2日
上場日:2021年4月6日
②事業内容
以下については、出所:Ⅰの部から記載、太字は記載者追記
(1)ビジネスモデルと事業の特長
当社グループは、企業経営において重要度の高い人材開発並びに組織開発の課題解決を、顧客企業との長期間に亘る強固なパートナーシップに基づいて提供しております。
①当社のビジネスモデル
当社のビジネスモデルの特長は以下の3点であります。
i. 企業経営並びにコンサルティングファームでの経験を有する独立したプロフェッショナルタレントを中心とした1,200名超(2020年3月末現在の契約人数、うち2020年3月期の稼働人数530名)の講師・コンサルタントのネットワーク
(注)プロフェッショナルタレントである人材開発サービスを提供している企業については、1法人を1名とカウント。
ⅱ. 経営課題に対して自社固有の解を探求し続ける大手企業との長期に亘るパートナーシップ
ⅲ. 定型の人材開発・組織開発プログラムを持たず、プロフェッショナルタレントとの共創によるテーラーメイド型のプログラム提供この特長を活かして、当社グループは、経営的な視点・視座で顧客企業と共にディスカッションを通じて課題を特定し、解決策を顧客企業と共に練り上げ、企画の提案や実行支援を行っております。また、成果を検証し改善策や代替案を提供し続けることで、顧客企業の企業価値向上に貢献していると認識しております。
②事業の特長
i.主要取引先は大手企業
当社グループの取引先は、複数の事業法人と多くの従業員を国内外拠点に展開する売上高1兆円以上の大手企業、売上高2,000億円以上1兆円未満の準大手企業であり、主要取引先は大手企業です。
ⅱ.顧客企業との長期に亘る継続取引
5年以上の継続取引顧客(※)(旧セルムとの取引開始時含む)からの売上が約71%を占めております(当社管理システムから2020年3月期実績を集計)。その理由は、顧客企業の経営課題を理解し、解決に向け伴走する存在であると当社グループを捉えていただいているためと認識しております。
(※)継続取引顧客:当年度に当社単体において売上があった顧客のうち、前年度にも売上を計上していた顧客
ⅲ.顧客企業の複数の部門からの取引
人事部門からの信頼をベースに様々な部門、グループ法人に取引が広がっており、経営企画部門、R&D部門、事業部、グループ関連会社等の人事部門以外とも取引しております。
ⅳ.経営における重要テーマ案件への関与
主に経営人材育成、ミドルマネジメント革新、理念・ビジョン浸透等、企業経営における重要テーマに関与しております。
ⅴ.顧客と親密な関係を築くための営業体制
顧客企業との継続取引年数と、多くの部門からの取引関係を維持するために、当社グループの営業担当者は1名につき、平均4〜5社しか担当企業を持たない体制とし、顧客企業との密着度を高めていると認識しております。
ⅵ.プロフェッショナルタレントのネットワーク
プロフェッショナルタレントのネットワークは、1,200名を超えています。そのうち、コンサルティングファーム出身者、大手企業の人事部門幹部経験者、企業経営経験者が主であります。(当社管理システムから2020年3月期実績を集計)
③事業系統図及び数値実績
出所:Ⅰの部
■数値実績
出所:会社HPより
④所感
なんか、あまり見たことないようなⅠの部のような印象です。やっていることを丁寧に説明しないと、たぶん幅広に捉えられやすい事業内容なのだからかと推測しますが。
あと、以下ワーディングは斬新だなと思います
「原始セルム」
全部同じ名前の冠なので、なぜこのようなグループ変遷を経たかは気になりますね。
一応沿革には以下のように書いてありますが、
当社は、2016年8月に当社の実質的な存続会社であるセルムグループHD及び旧セルムの経営陣によるマネジメント・バイ・アウト(MBO)の受け皿会社としてCELM Group and Partners株式会社の商号で設立されました。2016年9月30日にセルムグループHDの既存株主から発行済株式の100%を取得することで完全子会社化した後、2016年11月1日にセルムグループHD及び旧セルムを吸収合併し、同日に商号をCELM Group and Partners株式会社から株式会社セルムに変更しております。
HDカンパニーで業績好調だった子会社をMBOで独立させて、未上場親会社を持つ申請会社の論点を避けようとしたんですかね。(知りませんが)
(※未上場親会社の開示とかの観点です。ごちゃごちゃするので、詳細は触れませんが)
やっていることは「人材育成(教育)に関するソリューションを一括で提供」それに伴い、プロフェッショナルタレントという人材育成のプロのスーパー講師を抱え、企業と講師をマッチングさせるという感じでしょうか。
参入障壁は低そうですが、
「5年以上の継続取引顧客からの売上が約71%を占めて・・・」
というのを見ると、チャーンが低そうですので、リプレイスをしにくい、有益なコンテンツを提供しているのではないでしょうか。
KPI開示は特になさそうですね。
気になる点は、
・実際にどのような研修を提供しているのか
ーテーラーメイド型の研修みたいなので、開示は難しいでしょうが
・新規取引を増やすための戦略
ーそもそも、新規開拓に力を入れるのか。新規開拓という横展開より、既存取引先の深堀という縦の展開を重視していそうな印象です
・「1名につき平均4-5社の担当」という表記があるので、労働集約で講師(担当)の人数が必要な印象だが、どのように展開していくのか
といったところでしょうか。
JASDAQなので、成長可能性に関する説明資料は出ませんが、決算説明会資料の開示なんかを見てみたいですね。
という訳で本日はこれにて。
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