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【読書】ミステリ新刊を読んでみた【7冊紹介】
最近は、入籍したり、仕事でバタバタしたりと、何だか落ち着かない日々を送っています。
それでも、いや、こんなときだからこそ、ミステリを読んで異世界へ旅立っています✈️📚
話題になっているミステリ新刊を色々と読みましたので、まとめて紹介していきます!
1.『方舟』夕木春央
『方舟』夕木春央#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) September 24, 2022
大学時代の友人ら7人は、山奥の地下建築で一晩を明かすこととなる。道に迷った3人家族もやって来るのだが、翌朝、地震で閉じ込められてしまう。
話題の一冊。読みやすいけれど軽くはなく、気味の悪さ、考えさせられること、衝撃などがどれも絶妙で、記憶に残る作品だった。
Twitterの読書アカウントで、大きな話題になっている作品です。ネタバレを避けるため、内容には踏み込まず、とにかく読んでみて、というツイートが多いので、気になって手に取りました。
お話の雰囲気は、『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人 著)に似ていると感じました。密閉された空間というのは、わくわく、ぞくぞくしますね。
期待を裏切らない衝撃が感じられた一冊です。読みやすいので、普段、あまり読書をしない方にもおすすめです。
2.『invert II』相沢沙呼
『invertII』相沢沙呼#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) September 29, 2022
『medium』から始まる翡翠シリーズ第3作。倒叙形式をとっている。
翡翠のふわふわしたぶりっ子の部分よりも、優しさや繊細さ、奥深さが感じられるストーリーで、読んでいて何だか切なくなった。実際には難しいけれど、隣の人の悩みに気付ける人でいられたらと思った。
テレビドラマでも話題の翡翠シリーズ最新刊です。
前2作を読んだとき、翡翠ちゃんのぶりっ子が正直少し鼻につくなと思わないこともなかったのですが、結局、第3作も手に取ってしまいました。彼女の魅力には抗えませんね。
本作を読んで、翡翠ちゃんのことをより好きになれた気がします。彼女のことをもっと知りたいと感じました。
〈参考〉
3.『いけないⅡ』道尾秀介
『いけないII』道尾秀介#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) October 1, 2022
各章の最後に挿入された画像を見ると真相がわかる、『いけない』の続編。
ホラーのような雰囲気で、少し怖いけれど次々ページをめくりたくなる魅力があった。画像を見て真相を理解するには、小さな違和感も無視せず、一行一行を大切に読んでいくことが必要だと感じた。
怖くて悲しい、家族のお話4つ。最後に画像を見てはっとあることに気付いたり、あれこれ真相を考えたり、インターネットで考察を読んだりする時間が好きでした。
子どもや若者の感情を緻密に描かれる道尾先生だからこそ、普通の日々の中でも一歩間違えれば恐ろしいことになってしまうということが強く感じられ、印象に残る作品でした。
4.『あなたへの挑戦状』阿津川辰海・斜線堂有紀
『あなたへの挑戦状』阿津川辰海・斜線堂有紀#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) October 8, 2022
阿津川先生と斜線堂先生による競作で、二つの中編ミステリが掲載されている。
お話の面白さはもちろん、お二人がお互いを尊敬し、大切にしているのが伝わってきて良かった。それぞれの作品をもっと読んで、お二人のことをより深く知りたくなった。
阿津川先生、斜線堂先生ともに、あまり作品を読んだことのない作家さんなのですが、「競作」という試みが興味深く、手に取りました。
城の見取り図やエピグラフがあり、「王道ミステリ」である阿津川先生の作品も、兄妹の微妙な関係が繊細に描かれる斜線堂先生の作品もとても良かったのですが、何より、お二人の関係性が素敵でした。
5.『夜の道標』芦沢央
『夜の道標』芦沢央#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) November 5, 2022
バスケ少年の桜介と波留。惣菜店で働く豊子。課長から排斥されている刑事の正太郎。彼らを繋ぐのは、2年前に起きた塾の経営者殺害事件だ。
登場人物が丁寧に描かれ、抱えているものや考えていることが痛いくらいに伝わってきた。一人ひとりともっと話をしてみたくなった。
桜介の視点、豊子の視点、正太郎の視点、波留の視点、というように視点が移り変わりながら描かれ、最初のうちは事件の全体像がなかなか見えないのですが、次第にテーマがわかり始め、その重さに驚きつつも、色々なことを考えさせられる一冊となっています。
知っているつもり、わかっているつもりになることの怖さが感じられ、少しでも視野を広げられるように、私たちはこの作品のような本を読むのだろうなとしみじみ思いました。
6.『仕掛島』東川篤哉
『仕掛島』東川篤哉#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) November 12, 2022
斜島にある西大寺家の館で、遺言状の開封が行われた。翌日、一人が遺体で発見され、悪天候で警察が出動できない中、探偵の隆生と弁護士の沙耶香は一族の闇に迫っていく。
ユーモアたっぷりのやりとりと、次第に明らかになる事件の背景がどちらも面白く、最後まで楽しめた。
嵐の孤島もの。王道のクローズド・サークル、やっぱり好きです。
隆生と沙耶香のやりとりには思わず笑ってしまいますが、事件の中身は決して軽いものではなく、たっぷりと楽しめます。
7.『栞と嘘の季節』米澤穂信
『栞と嘘の季節』米澤穂信#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) November 20, 2022
図書委員の高校2年生、僕と松倉は、図書室で毒花の栞の忘れ物を見つけた。自分のだと嘘の申告をしてきた瀬野さんと3人で、調査を始めることとなる。
一言で言えば、お洒落な小説。とても良かった。大人と子どもの間で揺れる高校生の危うさが痛いほど伝わってきた。
ミステリというより、青春小説の性格の方が強いかもしれませんが、とても良かったので、ここで紹介させていただきます。
『本と鍵の季節』の続編です。でも、『本と鍵の季節』を読んでいない方や、読んだけれど内容を忘れてしまった方も、充分に楽しめると思います。
〈参考〉
毒花の栞は、誰が何の目的で配っているのか。瀬野さんは何者なのか。謎解きの面でも、高校生が抱えているものが描かれているという面でも、魅力あふれる作品です。
以上、最近読んだミステリ新刊7冊を紹介してきました。
気になった作品はありましたでしょうか?
ぜひ手に取ってみてください。
本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。