【読書】有栖川有栖国名シリーズ④ 『英国庭園の謎』

有栖川有栖著　国名シリーズについて、学生アリスシリーズと並行して、昨年から少しずつ読み進めている。

◯国名シリーズ…推理作家の有栖川有栖と、大学時代からの友人で臨床犯罪学者の火村英生が登場する作品のうち、題名に国の名前が含まれている作品

◯学生アリスシリーズ…英都大学の推理小説研究会に所属する、部長の江神二郎や法学部生の有栖川有栖らが登場する作品

今回、久しぶりに国名シリーズの作品を読んだ。４作目の『英国庭園の謎』である。

これまで読んだ３作品

『ロシア紅茶の謎』有栖川有栖#読了

さくっと読めて面白い６つの短編。作中の有栖川さん目線で謎を考えることができて楽しい。

推理小説だが、「恋人」「恋の鞘当て」といった言葉が多く登場するのも印象的。

クイーンの国名シリーズは以前読んだので、今度はこちらの国名シリーズを読破したい。

— 花車📚 (@gerbera_reading) August 1, 2020

『スウェーデン館の謎』有栖川有栖#読了
舞台は冬の裏磐梯。有栖川が泊まったペンションの向かいのお屋敷、スウェーデン館で殺人事件が起こる。

シンプルだが難しい足跡の謎。動機もなかなか見えてこない。火村の活躍で明らかになるすべては、納得感があるが悲しかった。

(数年前に行った五色沼) pic.twitter.com/M7pZG0s2jR

— 花車📚 (@gerbera_reading) October 3, 2020

『ブラジル蝶の謎』有栖川有栖#読了

表題作のブラジル蝶、アグリアスの響きや羽の模様のように、ミステリアスな作品が集まった短編集。

時代を感じる箇所もあるが、変わらず面白い。少し気味が悪くて、読み終わった後ぼんやり考え込んでしまうようなお話が多く、犯人当てだけでない魅力がある。

— 花車📚 (@gerbera_reading) December 18, 2020

１作目の『ロシア紅茶の謎』は読みやすい短編集、２作目の『スウェーデン館の謎』は悲しい長編、３作目の『ブラジル蝶の謎』は少し不思議な短編集、という印象だった。

今回の『英国庭園の謎』は、この中では１作目に近い感じがした。

『英国庭園の謎』短編６つ

英国庭園のある屋敷で、滞在者たちが暗号を解読して宝捜しをするゲームをしている最中に主人が殺害される表題作をはじめ、短編６つが収録されている。

作家の有栖自身が当事者である『三つの日付』、犯人目線で描かれ有栖は登場しない『完璧な遺書』など、様々な形のお話がある。

すっきりと解決し、シンプルに面白い

どのお話もすっきりと解決され、深く考えてしまうというより、シンプルに面白く、楽しめる。この点で、３作目より１作目に近い短編集である。

『ジャバウォッキー』は世界観があの作品に似ているなと思っていたら、作者も解説でその作品に言及されていて、なんだか嬉しくなった。