見出し画像

沖縄野菜クラブ 15 もしもカエルと話せたら

先週のセンチメンタリズムを返してください。

季節の変化は春夏秋冬。このサイクルは、何度回っても同じ順番にしか動いていかない。

そんな風に、安直に考えていた時期が私にもありました。

しかし、実際はどうでしょう。

一度寒くなったと思ったら、また暑くなったり。

なんだか暖かくなってきたなと思ったら、ふと吹き抜けた風にくしゃみをしたり。

春冬春夏春夏夏夏秋夏秋冬夏秋冬冬冬。

とでも言いたくなるようなサイクルが回っているように感じます。

先週の私は、この経験則を完全に忘れていました。

最近寒い日が続いている。→これからも続いていくだろう。→沖縄は冬に突入しており、春まで暖かい陽気は戻ってこない。

こんなふうに思っていました。

だからこその感傷、だからこそのセンチメンタリズムだったわけです。(先週の記事にも書きましたが、4月にはここを去る私にとって、沖縄の夏の陽気はもう縁遠いものになってしまったと感じていたのです。)

しかし、見てください。今日のこの太陽を。

畑はその光にまんべんなく照らされ、F値を何分の一にも下げたカメラで写したような世界が広がっています。

どちらを向いても逆光というか。そんな印象すらあります。

そんな中での畝作りという作業。

気温は多少低くなっているとは言え、厚着した体には汗が滲みます。

先週はかぶらなかった帽子をかぶり、まくらなかった袖をまくって作業を続け、4本の畝を作りました。

そこに肥料をまいた後、じゃがいもの種芋を100個ほど植え、先週植えた野菜も含めて水やりをしました。

今日はこの水やりが少々曲者でした。

というのも最近、これまで使わせてもらっていた水道が故障したようなのです。しかたなく、部長夫妻が家からペットボトルなどに入れて持参した水をまきました。

水道のありがたみを改めて実感する貴重な経験でしたが、一刻も早い復旧を心待ちにしています。

作業の途中、休憩をしていると、てんとう虫が歩いていました。

その赤い光沢の揺らめきに目を細めていると、今度は景色の奥からこちらに向かってトンボが一匹、すー、と目の前を横切っていくではありませんか。

バッタやカエルもはねていた本日の畑。

季節の移り変わりは、生き物に聞くのが一番正確なのかもしれません。

来週も引き続き畝つくりがあるとのこと。

生き物と話せる方は、ぜひ彼らとよく相談して、適当な服装でご参加ください。

いいなと思ったら応援しよう!

Takumiのessay
最後までお読みいただき、ありがとうございました!