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Photo by
masuno_shota
家族、その曖昧で大きなもの
家族というのは特殊な存在である。
他人であって他人ではない。完全に分かり合うことは無いのに、簡単に縁を切ることもできない。
生まれたときからそこにいて、ほとんどの場合は一生付き合いがあり、冠婚葬祭を始めとするさまざまな節目にお互いを気に掛け合う。そういった義務のある相手。
人間、生きていれば様々な人間関係を築くことになるが、このような関係性は家族特有だ。
当たり前のようにそこにあるので見落としがちだが、この家族というものは非常にユニークな存在なのである。
それが理由なのか、その関係の中に問題が生じると、他の関係性とは比べ物にならないくらいややこしくなる。
どんなにつらい事が起こっても、「じゃあ、もう、いいです。明日からは会いません。」と簡単に別れることはできない。
そして、仮に困難を乗り越えて絶交に至ったとしても、多くの場合、その記憶は彼の中に留まり、忘れ去ることはできない。
では、そんな家族を、家族たらしめているものは何なのか?
それは、究極的には、「その人を家族と認識している」ということ、ただそれだけである。
血の繋がりは問題ではない。養子を貰えば、その子はれっきとした家族なのだから。
「この人はあなたの家族ですよ。」そう言われた瞬間に、ただそれだけの事実によって、その人は決して無視することのできない存在に、自動的に昇華されるのである。
家族という概念はこのように、非常に曖昧であるにも関わらず、同時に非常に影響力の大きなものなのである。
その関係を増やすにしても、減らすにしても、継続するにしても、慎重にならなければいけない。
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