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「ねえねえ、聞いて」と踏み出せば―

何か問題を抱え、前に進めない時は誰にでもある。

進む方向は分かっていて、やるべきことも把握できているのに、その問題が意識を支配して、何も手につかない。

そんなとき役に立つのが、人に話すということだ。

親しい友人や家族など、自分を傷つけることはないと信じることができる人にその問題を吐露してみる。

話すというのは、脳にある情報を言葉にし、喉を震わせて音へと変換する行為である。

つまり、ほとんどの場合、話しただけでは、物理的にその問題が解決することはありえない。

しかし、人間は物理的なものだけに頼って生きているわけではない。

物理的な世界の中で、どのような心理状態でいるのかということの方が、むしろ大切なのである。

話すという行為は、心のあり方に作用する。

自分の抱えている問題を、誰かに分かってもらえた。共感してもらえた。

その問題を、自分ひとりの心で支えなくても良くなった。

問題を抱えている自分を認めてもらえた。

このような認識ができるようになることで、その問題との向き合い方を変えることができるのである。

相手が聡明な人であれば、これに加えて素晴らしいアドバイスをもらえることもある。

問題をリフレーミングしてくれたり、具体的な解決策を提示してくれたり、新たな解釈の可能性を示したりしてくれることがある。

問題が発生したら、とりあえず誰かに話してみよう。

それだけで、前に進めるようになるかもしれない。

相手も、相談されるのは嫌ではないだろう。

自分を頼りにしてもらえるというのは、嬉しいものである。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!