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cranefield
「打ち間違い」が生む創造性 上
ノートに文字を書く。その時私達は、実際にペンを動かす前に頭の中で書きたいことを話している。このように書こう、と意識した上で書いている。
しかしその途中で、稀にではあるが、書き間違いというものが発生する。思っていたのとは違う文字を書いてしまう。
そしてこれは、何も手書きの文章だけに起こることではない。今、私がそうしているように、パソコンに文章を打ち込むときにもこういった書き間違い、もとい、打ち間違いは発生する。
書き間違いよりも打ち間違いのほうがマシだと感じるのは、打ち間違いはやり直しが効くからである。ボールペンで書いた文字は消せないが、打ち間違いならデリートボタンを押しさえすれば良い。
実際、私達は文字を打ち込む際、ものすごい量の打ち間違いをしているのではないだろうか。100文字を書く間に何文字間違えて打ち込むのか。考えたことは無いが、私の場合、5文字や10文字はざらではないだろうか。手書きの文章ではありえない数である。
この打ち間違いは一見、単なる時間の無駄である。一発で書きたい文章を書けたほうが効率が良いに決まっている。
しかし私は、この打ち間違いには大きな効能があると思っている。
その効能とは、自分でも思いつかなかった表現をたまたま打ち込めてしまうということである。
打ち間違いはすぐに修正できると分かっているため、私達はペンで文字を書くときよりも、パソコンに向かい文章を打ち込んでいるときのほうが、注意力が低くなっている。
それによって、なんとなく文字を打ち込む回数が増え、自分ではあまり考えていなかったような表現が勝手に出てくることがある。
つづく
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