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王子「きそば」船堀「あけぼの湯」「インディヤム」
王子に行ってきた。
高校生や20代前半の頃によく行っていた街で、今も風景が変わらず懐かしさを覚えた。
この日は王子の飛鳥山公園でバンドのフリーライブがあり、それを見るついでに有名な立ち食い蕎麦を食べることにした。
その店「きそば」は昔からあったはずなので、何回か店前を通っているはずだが、いざ目の前にしても全く記憶がなかった。
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当時は立ち食い蕎麦に興味が持てなかったのだろう。
店内は大盛況。人で埋まっておりテーブルが空くのを待った。
それでも立ち食い蕎麦をダラダラ食べている人間はいないので、すぐに席が空いて蕎麦を食べる事ができた。
注文したのは「名物 ゲソ天そば」。
500円とリーズナブルながら大きな天ぷらが入っており、ツユもすごく美味しくて完飲してしまった。
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ただの立ち食い蕎麦と言われれば、それまでなのだが、チェーン店の激安そばとも違った魅力があり、王子に行ったら寄りたくなるような魅力があった。
蕎麦をサッと食べると飛鳥山公園に移動。
私のnoteを昨年から見ている奇特な方がいれば、昨年も北区の公民館でフリーライブを見ていたのだが、その時と同じアーティトだ。
北区の変わった場所でライブをするのが好きなようだ。
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公園でのライブなんて客側としては寒いし、音も悪そうで嫌だなと思っていたのだが、実際に行ってみると外気を吸える爽快感があるし、この日は13度の晴天で、着こんできたのが馬鹿らしいぐらいに昼間は温かかった。
肝心の音もデカイスピーカーから迫力のある音が鳴っており、下手なライブハウスよりも音が良く感じた。
ライブは昨年と同じく素晴らしいもので、ワンマンということで1時間半ぐらいは演奏していた気がした。
周りでは子供連れの家族が普通に遊んでいて、実際にクレームもきていたらしいが、多くの方は喜んで見ていたような印象だった。
ライブを見終わると電車に乗って船堀に移動。
王子から船堀までは1時間ぐらいの距離があるので、普段はこんな非効率的な動きをしないのだが、この日は12月18日に閉店してしまう「あけぼの湯」に行く使命があった。
こちらの銭湯はレトロな雰囲気で前から行きたいと思っていたのだが、急に閉館のお知らせが出たので、急遽、足を運ぶことにした。
路地の先にある独特の構造で入口からして渋く思えた。
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見るからに人が多くロッカーが全て埋まっているということで、脱衣所には行列ができていた。
中にいる人が空いているロッカーを見つけて教えてくれたり、人と人が協力しあう姿は下町らしいなと思った。
なんとか脱衣所で着替えると風呂に入れた。中は混んでいたとは言えロッカーの数が制限されているおかげか、脱衣所ほどの混雑は感じなかった。
何より施設自体が公衆浴場とは思えないほどに広くて、露天風呂は温泉だし、座り湯、寝湯、ジェットバスと湯の種類が豊富だ。
更には2階もあり、サウナもドライサウナとスチームサウナの2つ、水風呂も完備と、スーパー銭湯と言っても差し支えない内容だった。
そのため家族連れも多くて、こんなに人気のある銭湯を閉館してしまうのは地域の方にとっては困るのではないかと想像した。
そんな感じで、いろんな湯に入ったりサウナ室に入室を繰り返すうちに、あっという間に2時間ぐらい経っていた。
本来は「あけぼの湯」の食堂で晩飯を食べようと思っていたのだが、混雑していたので予定を変更して、前から行きたいと思っていたインド料理店の「インディヤム」に行くことにした。
こちらの店は船堀駅からも20分ぐらい歩く不便な立地にあるのだが、西インドの軽食が食べられる貴重な店だ。
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コンパクトながら高級感のある店内。店員さんはほとんど日本語が話せなかったが身振り手振りでなんとなくやり取りすることができた。
まずはパオバジ。西インドの軽食でパンに豆カレーを挟んで食べるもの。
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野菜とレモンはどう使うのか聞いたら、野菜は挟まずに手で掴んで食べて、レモンはカレーにかけてから挟むとのこと。
要はカレーを挟んだパンだが、普通に美味しい。日本にもカレーパンなんてものがあるので親しみやすい味だ。
カレーも中辛でお願いしたが全然辛くなかった。そもそも豆のカレーだし、デフォルトで辛さがないものなのかもしれない。
レモンをかけた時の風味が独特で、それは新鮮に思えた。
次にサブダナキチュリ。インドのタピオカを炒めたもの。ヨーグルトを混ぜていただきます。
初めて食べる味。何かに似てるとかもない。
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じゃがいもとかも入っているし、どちらかと言うとライスに近い食べ物だけれど、頭がクエスチョンマークを連発。
うまいとか、まずいとか、そういう評価が下せない。
世の中には自分の知らない料理があるんだと改めて思い知った。
店を出るとトボトボと20分ほどの道のりを歩き船堀駅に戻った。
この辺りは都内でも滅多に来ない地域なので、自分が住んでいる県でも随分と新鮮な景色に思えた。
王子でライブを見て、船堀に移動して銭湯に入るという、めちゃくちゃな導線の日だったが、目的に向かって動くのは気持ちよかった。