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快挙を達成した三笘薫
ブライトンに所属する三笘薫がマンチェスター・ユナイテッド戦で1G1Aを記録し、プレミアリーグ日本人最多となる通算15点目の獲得に成功した。
数あるリーグの中でも最高峰とされるプレミアリーグの中で日本人選手が活躍するというのは容易ではなく、得点を決めるとなるとその難易度はさらに高くなる。
現に三笘もチャンス場面で決め切れなかったり、弾かれてしまって惜しくも決めることが出来なかったりと、得点を決めるのには随分と苦労しており、得点に関与することはあっても自身が決めるというのはしばらく無かった。
またチームの戦績も落ちており未勝利が続いていた。
そんな状況下で復調を見せたというのはかなり大きなポイントだったのではないかと思う。
三笘は直近2試合で連続ゴールを記録し、チームの勝利に大きく貢献する働きを見せ、停滞していた流れに変化を付けた。
チームや選手にとっては通算ゴールの記録以上に、チームの勝利に貢献する働きがより重要になってくるので、今回の活躍はブライトンや三笘自身にとってもかなりポジティブなエネルギーをもたらす結果になったのではないかと思う。
向上する日本サッカー
また、今回の活躍の中で注目を浴びた三笘のトラップ技術の高さは、日本人サッカー選手の個人技の質が時間を掛けて洗練されて来たことを表しているかのように感じられた。
今現在日本人のサッカー選手は様々な海外リーグで活躍を見せており、数十年前と比べると海外とのレベル差は徐々に縮まって来ているのではないかと思う。
そんな海外レベルに順応した選手たちが代表として集結し、高いレベル環境で得たノウハウや経験値を持ち寄ったチーム形成がなされるようになったことで、日本は代表のサッカーレベルを向上させるようになった。
次の時代を担う若手のプロや学生プレーヤーたちは、その向上した状態を基準として、それを超えるために更なる進化を積み重ねていくようになるのではないかと思う。
そんな基準や水準の引き上げがレベルアップを促していくといった流れは、三笘薫や今世界で活躍している日本人プレーヤーが外へと出るずっと前から続いていて、そのクオリティが徐々に上がっていった結果が今の日本人選手の活躍へと繋がっているのではないだろうか。
あの三笘の芸術的なトラップにはそんなこれまでの歴史と成長が集約されているように感じた。
遠藤航や久保建英などもそうだが、あのレベルがこれからの日本のお手本になっていくと考えると、日本サッカーの未来にはそれなりの可能性を期待することが出来るかもしれない。
今後の日本人選手や代表チームの活躍とクオリティアップに期待と注目が向けられる。
どのスポーツにおいても日本人の選手が活躍するというのは嬉しいことではあるが、人気スポーツであるサッカーの分野で更なる成長を感じさせるような明るいニュースを聞くことが出来るというのは、とても頼もしいことだと感じる。