街歩き #019 | 東京都台東区の旅
東京都台東区
こんにちは。本日ご紹介する街は2022年11月23日に訪問した「東京都台東区」です。
11月23日は勤労感謝の日の祝日。その年の収穫に感謝する新嘗祭の日でもあり、作家・樋口一葉の命日でもあります。雨の降る中、三ノ輪駅を起点に樋口一葉ゆかりの竜泉から千束へとぶらぶら街歩きします。
樋口一葉の名作”たけくらべ”ゆかりの千束稲荷神社・樋口一葉の24年の生涯を紹介する一葉記念館・空飛ぶお不動様の飛不動尊・酉の市発祥の長国寺と鷲神社・遊女や遊廓を訪れた人から崇敬を集めた吉原神社など…。
今回は「東京都台東区」を歩きます。
千束稲荷神社
日比谷線三ノ輪駅から徒歩5分。千束稲荷神社は樋口一葉ゆかりの神社です。
1672年頃創建。龍泉寺村鎮守。樋口一葉 " たけくらべ " ゆかりの神社です。境内には樋口一葉の像があります。本殿内で新嘗祭が行われていました。ちょうど11月23日は一葉の命日にあたります。
樋口一葉は1893年に龍泉寺町に転居し、10ヶ月余りを過ごしました。一葉の作品 " たけくらべ ” の中で、千束神社の大祭を舞台にした場面が描かれています。
訪問時はちょうど本殿内で新嘗祭の最中でしたので御朱印は遠慮いたしました。一葉記念館に立ち寄った後に再度訪れて、御朱印を頂戴することができました。
一葉記念館
千束稲荷神社から徒歩5分。樋口一葉が暮らした場所の近くに一葉記念館があります。
1961年開館。2006年改築。日本初の女流作家の単独文学館。樋口一葉の24年間の生涯を知ることができます。11月23日は一葉の命日ということで入館無料。あいにくの雨にも関わらず多くの来館者で賑わっていました。
特別展”一葉と手紙”を開催中でした。今ではSNSやメールですが、当時は手紙がほとんど唯一の連絡手段。現代のSNS感覚で葉書を送っていたことがよくわかります。
記念館近くには、一葉女史たけくらべ記念碑や旧居跡碑などがあります。
正宝院・飛不動尊(天台宗)
一葉記念館から徒歩5分。住宅や商店が密集するエリアに正宝院・飛不動尊があります。
1530年正山上人創建。御不動様を背負って大和国大峰山に修行に行った住職が一夜にして飛んで帰ってきたという伝承から通称"飛不動"。航空安全やゴルフ愛好家向けの祈願もあるようですね。
さほど広くない境内ですが、色々と賑やかです。境内の端では羅漢さまが何やらお話をされている最中ですね。
寺務所にて勢いある字体の御朱印を頂きました。
長国寺(法華宗本門流)
正宝院・飛不動尊から歩いてすぐ。長国寺の山門は国際通りに面した場所にあります。
1630年日乾上人開山。日乾上人は石田三成の遺子と伝わります。69年浅草から現在地に移転。開山当初から11月の酉の日に鷲妙見大菩薩の出開帳が行われ、御開帳日には門前で酉の市が開かれるようになりました。明治の神仏分離令で長国寺と隣接する鷲神社に別れましたが、今もそれぞれが酉の市を開催しています。
1265年日蓮聖人が上総国に滞在していた時、国家平穏の祈願を行ったところ、11月の酉の日に現れたと伝わる尊仏が鷲妙見大菩薩です。
鷲神社
長国寺に隣接している鷲神社。神仏分離前は一体でした。酉の市は鷲神社・長国寺一体となって多くの参拝者が集まります。
創建不詳。明治の神仏分離により長国寺より分離。江戸中期から酉の市で有名な神社ですね。今年は三の酉までありますが、全て平日のためあいにく参加できず。酉の日以外だと境内も空いていますね。
本堂前には色々と福が授かるという"なでおかめ"。全面なで回してきたので福が授かるかな。
酉の市前の参道はすっきりとしてますね。酉の市当日は提灯が多くぶら下がり、ぐっと雰囲気が変わります。
御朱印にも"なでおかめ"がいらっしゃいますね。
以下の写真はコロナ前の2019年の酉の市。WearMaskも三密という言葉もなかった時代の酉の市です。提灯に照らされた夜の酉の市は独特の雰囲気がありますね。
吉原神社
鷲神社のすぐ近くに吉原神社と吉原弁財天があります。
1657年の明暦の大火の後、日本橋人形町にあった元吉原から吉原遊廓が移転。1872年吉原遊郭の稲荷神社5社を合祀し創建。遊女や遊郭に訪れた人々からの崇敬を集めた神社です。小さな境内ですが雰囲気のある神社ですね。
境外摂社の吉原弁財天は少し離れた場所にあります。元々この辺りは花園池・弁天池と呼ばれる池でした。1923年の関東大震災では多くの人々がこの池に逃れ、490人が溺死するという悲劇が起こりました。
吉原観音は溺死した方々の供養のために1926年に建立されました。
小さな旅の終わりに
三ノ輪駅から竜泉・千束へ。樋口一葉"たけくらべ"ゆかりの千束稲荷神社。神社前には昭和レトロな七五三看板。千歳飴を持った子供というのも最近見ない気がしますが、どうなんでしょうね。
一葉記念館に展示されている半井桃水宛の書簡。半井桃水は一葉の師匠にあたる人物。一葉に恋愛感情があったという噂は当時からあったようですが、書簡では"兄様のやうな心持"と書かれていますね。
記念館近くの人形工房・一葉堂。見学をするとくじ引きがあるということで挑戦。見事、干支根付が当たりました。
"Flying God TOBI-FUDO"と書かれた飛不動尊パンフ。開山の正山上人が、宿泊した当地で一筋の光とともに立ち上る龍の夢を見たという伝承が残されています。龍夢は御不動様の御加護の象徴です。
鷲神社の入口には巨大なかっこめ熊手。季節の風物詩でいいですね。上野駅では浅草酉の市の垂れ幕が目立っています。
Lady Gagaの ” Bloody Mary " 。アルバム " Born This Way " の中の一曲です。Netflixのドラマで使用されたことで12年前のこの曲が今ヒットしています。いい曲は時を超えて立ち上がってくるんですね。
Bloody Maryとはイングランドの女王・メアリー1世のこと。残虐にプロテスタントを処刑したことからBloody Maryと呼ばれています。" I won't cry for you(私はあなたのために泣いたりはしない)I won't crucify the things you do(あなたがしたことを十字架にはりつけたりもしない)I won't cry for you(私はあなたのために泣いたりなんかしない)See, When you're gone, I'll still be Bloody Mary(あなたが亡くなっても私はBloody Maryでいるんでしょうね)”。力強さを感じるいい曲です。
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