有益な情報を教えてくれる人がいる大切さ
うちの娘は起立性調節障害という症状を持っている。
小学校高学年くらいから徐々にその症状が出るようになった。
例えば、
腹痛をよく起こす。
夜に寝ることが出来ず、朝の5時くらいからやっと眠気がやって来て昼夜逆転の生活になる。
自律神経がしっかり働かないので、立っていられない。血液が全て下におりてしまって頭に血が戻らないから顔が真っ青になり吐き気、めまいがして倒れてしまう。
など、うちの娘に顕著に出たのはこのような症状だったが、人によって症状はさまざまらしい。
娘はこういった症状が小学校の高学年くらいから続いており、良くなったり、悪くなったりしていた。
娘は今高校生になっていて、最近は比較的2時くらいに寝ることは出来ているようだから、以前の事を思うとだいぶ良くなりつつあるとは思う。
しかし、高校に入って電車を使わなければならなくなった。
降りる駅までだいたい20分くらいかかってしまう。
その日の体調にもよるが、ずっと立っているとやはり着くころにはフラフラになるときがあるらしい。
席が空いてればいいのだが、空いている席が優先席だったりすると座るのをためらってしまう。娘はそんな不安を漏らし始めた。
私は体調が悪い時は仕方ないから座ってもいいんじゃない?と言ったが、他の人から見れば普通の健康な高校生が優先席に堂々と座っているように見える。
娘は周りの人の目を気にして座ることが出来ずにいた。
そんな時、娘が学校で貧血を起こしたので少し休んでいると、ある友達が「大丈夫?」と声をかけてくれた。そして、しばらく心配してそばにいてくれた。
その話の中でその子は娘にこう聞いた。
「○○ちゃんて、ヘルプマークもってる?」
「え?それなに?」
全く知らなかった娘が聞き返すと、
「あ、知らないの?それってね…」
そう言って友達は教えてくれた。
ヘルプマークとは、見た感じ全く健康に見える人が何か症状を抱えているという事を周りに伝えるために持つマークらしい。
「もらうのにお医者さんの診断書とかそんなのいらなかったと思うよ。こういう症状でって話したらもらえるよ。一回市役所行ってごらんよ。」
その話を娘から聞いて、私はすぐに市役所に向かった。
受付でヘルプマークもらえますか?と尋ねたら、すぐに対応してくれた。
名前と住所、どんな症状なのかを書いただけであっさり渡してくれた。
ただ、再発行は出来ないのでなくさないようにと言われた。
それを付けてから娘は以前より安心して電車に乗れるようになった。
しんどくなった時もヘルプマークを付けてると優先席に座るのに罪悪感を抱かずにすむらしい。
今回の事で娘を気遣って情報をくれた友達にとても感謝をした。
わたしも娘もヘルプマークなんて存在を知らなかった。
けど、娘の症状を心配してくれた友達が教えてくれた。
情報があふれる中、自分たちだけじゃどうしても見つけられない事がある。気づかない事がある。
人とのつながりがとても大切だと改めて思った。
今回の場合、娘の症状を見て「こういうのあるよ」と友達が提案してくれた。
娘を心配してくれたから、友達だったから声をかけてくれた。困っていたから。
1人じゃ、その情報にたどり着くまでもっとかかっていたかもしれない。
もしくは必要でなくなった後「え!そんなのあったんだ…。」なんてことも…。
人の様子を見てその人が今必要な事は何なのか気づく。
察する、声をかける。思いやる。
AIは便利だがこれはなかなか機械には出来ない。
人と繋がっている大切さを感じた。