「さすがオレや!」自分で自分に言ってみる ちょっとバカになってみるのも楽しい
私は自己肯定感がそんなに高い方ではない。若いころは特にだ。
上手くいっても「もっと上手に出来る人がいる」とか「たまたまかも」とかどうしようもない理由を付けて意味なく自分自身を下げていた時期もあった。
だけど、そんな考え方だと正直しんどい。
高めるためにどうしたらいいか考えた時、ずっと前職場で出会ったある先輩の言動を思い出した。
結婚する前に働いていた職場にその先輩はいた。
その先輩は私の隣に机があって、いつもスマートに仕事をこなしていた。5年先輩の冗談も言う大阪人。
新人だった私は色々アドバイスをしてもらったり、悩みを聞いてもらったりした。
あるとき、その先輩は昼休憩がもうすぐ終わるという時に、次の仕事の準備に追われていた。書類や、本をガサガサあさりながら色んなものを探してる。
「うわぁー、もう間に合わん!どうしよう、どうしよう!」
大丈夫かなぁ…私は彼を横目に見ながら心配した。
あと少しで昼休み終了のベルが鳴る。
ベルが鳴ったと同時に
「よっしゃ!出来た!」
そう言って書類を机の上でバンバンと揃えた。
そして私の方を向き、ニヤッと笑って、
「さすがおれや~。」
と言った。彼のメガネがキラっと光った。
満面のドヤ顔。
わたしはその表情とセリフがおかしくて思わず吹き出し
「良かったですね~、さすがですね~。」
と言って小さく拍手した。
先輩はフフッと笑って意気揚々と仕事に出かけた。
こういう事が2、3回あった。特にすごい偉業を成し遂げたわけでもない、ちょっとしたことを成功させただけだという事は本人も分かっていたと思う。きっと先輩は私を笑わせようとギャグのつもりでやっていたのだ。慌てている様が何だかパフォーマンスぽかったからだ。
けどよく考えたら、この方法有効かもと思った。
なので試しにやってみた。
ほんの少しの事、例えばきれいに掃除が出来たり、時間に間に合ったりと物事を上手くこなした時声に出して言ってみた。
「さすが私だ!」
自分で言ったその声を聞くと、笑えるのだが本当にそんな気持ちにもなった。
自己肯定感を育てるのは、こういう小さなことから始めればいいのかもしれない。実際若いころに比べると少し自己肯定感が高くなった気がする。
この言葉に限らず「わたし頑張ってる」「わたしよくやった」「わたし、大丈夫?疲れてない?」など自分を労う言葉も。
心の中で思うのも大事だが実際声に出して言ってみるのもいい。
けどやりすぎて本当の勘違いをしないように気を付けてはいる。
何事も程度は大切。
あと、人がいるところでやると先輩のようにギャグになればいいのだが、そうでないと変にみられるので気をつけて。
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